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【特集】 学研トイ・レコードメーカー 徹底分解!


 この記事では、学研さんの大人の科学、トイ・レコードメーカーに使われているパーツなどを徹底分解・・・・

いや、最初から分解されているので、その詳細を検証してお知らせします。


◆ 仕様  レコードカッティング&再生(モノラル)

 33/45回転切替 REC/PLAY切替 

 3.5mmモノラル入出力端子 ベルトドライブ

 セラミックカートリッジ USBバスパワー スピーカー

 完成時本体 W19×H16×D15cm/570g


◆ モーター  EG-530 SD-3F  5V/12VDC CW

 安価なレコードプレーヤー用の定番品らしく、33・45・78の回転数を「1130・1520・2360RPMで切り替えできる」機能がついている。

 そのため、電子基盤の内容も簡素化でき、コストダウンにつながっているものと思われる。

 実はモーターのうしろに、微細な回転数の調整ができるネジがついている。

 530シリーズは、オリジナルがどこの製品かよくわからないけれど、レコードプレーヤー用とか、いくつかの機種が出ている?。単一2400回転などのバリエーション品も多い。

 CWは時計回り、 CCWは反時計回り

(sankyo SHL2Lというモーターがあり、12V2400回転のカセットデッキ用モーターの定番だったようです。そのバリエーションかな?。マブチで昔作っていたEG-530AD-2Bが代替品との情報あり。ということはEG-530とはマブチがオリジナル?)

◆ モーター側プーリーの径はΦ4㎜ 1000回転時(1000RPM)に33.3回転にするには、4×1000=4000 4000÷33.3=120.120 なので、プラッター側径は120㎜ということになる。

◆ トイ・レコードメーカーの設計はおそらくこれをもとにしていて、直径120㎜ターンテーブルの裏面にそのままゴムベルトをかけていると思われる。つまり、CDジャストサイズ5インチ。絶妙すぎるやんけ!(実測すると12.5センチ?)


◆ アンプIC CHIPSTAR CS8138S

https://datasheet4u.com/datasheet-parts/CS8138S-datasheet.php?id=978910

5Wのモノラルアンプです。D級。 (代替品としてNS4158というのもあります)ひとつ100円ぐらいのIC。

考えようによってはこれ、めっちゃ面白くて、ひとつのモノラルアンプで、再生時はふつうのスピーカーを鳴らし、録音時はカッティング側のスピーカー(ドライバ)を鳴らしているだけ!単純だけどすごい発想。


◆ 付属カートリッジ 

 セラミックカートリッジと書かれているが、振動を拾う圧電素子がセラミックのため、そのような表現になっている。

 針そのものは、ムック本編によると「人工ルビー」とのこと。サファイヤ針とまったくおなじ。

 針とカートリッジそのものはステレオ用。端子とケーブルもステレオで出ているが、学研さんの回路としてはコストダウンでモノラル回路で作られている。

 アンプ等を取り回せばステレオ回路は組めると思うが、どのみちカッター(録音)側がモノラルなので、そこまでするなら通常のレコードプレーヤを買えばいい、というオチかも。


◆ 再生針  ION PT01-RS1の同等品(未確認のため、確認必要)

◆ 再生カートリッジ ION PT01-RSの同等品(未確認のため、確認必要)

 本来、レコード針、カートリッジというのは膨大な数の種類があるのだが、今安価なプレーヤで汎用的に採用されているのがこのシリーズ。国内ではIONブランドで販売されている機種に使われているものだが、実は他社品にも多数ついている。無印で販売される中国製のため、わかりやすいように代表的な品番を紹介した。

◇ 追加情報 オリジナルは群馬県の中電というメーカーが作っている「CZ-800」というカートリッジで、中国製のその模倣品?、同等品が出回っているようだ。ION製品には、この中電のカートリッジ・針が載っている。


◆おなじく再生針 国内のブランドJicoのカタログだと、

https://jico.online/catalog/html5.html

 ◎SJN-75(35-75) 丸針 針圧4g

 ◎STY-146(50-146) 丸針 針圧4g

ぐらいが近いのかな、と思われ。



◆ カッティング針  学研オリジナル品  モノラル切削

 スピーカー型ドライバーにより削ってゆくが、単一のドライバーなので、モノラルでしか切削できない。


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 モーターと再生カートリッジだけで、卸し価格は別としても、中華製・単体価格でそれぞれ1000円ずつくらいはします。これに回路、筐体、空レコード、雑誌などをつけていって7980円(税抜)はすごく頑張っているのではないかしら!


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◇ 空ディスクがなくなったら?

 → 現在のところ学研の直販ショップではそれなりの在庫があるもよう。でも、ムック本体は売り切れですから、本体が欲しい場合はamazonなど他の書籍販売会社を頼る必要がありそうです。

 となると、空ディスクも在庫限りにいずれなるかな・・・。


 肝心の空ディスクは

https://gakken-mall.jp/ec/plus/pro/disp/1/1575073100

↑ こちらなどから。


◇ ディスク代替品

→ おなじ5インチのCD(焼くのに失敗したCDRなど)に切削例あり

※ちょっと硬すぎると思われ。


→ クリアファイルにも切削例あり

※ちょっと柔らかすぎると思われ。


→ ラミネーター用フィルムにも切削例あり

※中に挟みこむ紙厚を調整すると面白いかも。ついでに、画像を挟み込むことでピクチャーレーベルが作れる?!


◇ カッティング針の代替品

→ 今のところ存在しない。公式の替え針を買っておくか、

研ぐ?!



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◆ 内臓スピーカーの性能  8Ω1W 直径39㎜

→ まあ、標準的な玩具向けスピーカー。

◆ カッティングドライバ(スピーカー)の性能 4Ω3W

→ アンプを通すので、出力向けスピーカーとの単純な比較はできないけれど、抵抗値が低いということは「より少ない電流でビリビリ震えさせることができる」ということ。

→ 出力側が1Wしかないのに、カッティング側が3Wを使っているということは、「より信号がいくら入ってきてもオーバーしない」ということ。

 つまり、切削するときは「より幅広い信号を、より小さなエネルギーで受け入れますよ」というドライバを使っている。


◆ 切削時の回転が落ちる度合いは、

https://www.phileweb.com/review/article/202003/28/3806.html

の記事では92%ぐらい?

http://nazo-fjt.com/fjtblog/?p=1738

の記事では97%と言う数字も。


※情報が入り次第、いろいろ更新します!





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