古代から最新まで!印刷技術に触れてきた
こんにちは。デザイナーの山本です。
デザイナーと一口に言っても、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、空間デザイナー、ファッションデザイナーなどさまざまですよね。現在の私はUIUX領域でプロダクトデザイナーを名乗っています。
Sansanではざっくりブランディングに携わるデザイナーとプロダクトに携わるデザイナーで職種が分かれており、それぞれに専門性を高めています。
印刷に関して言えば、ブランディング側のデザイナーの方が接する頻度は格段に高く、パンフレットやノベルティー、イベント装飾など大小さまざまな印刷物を作る機会があります。一方、プロダクトデザイナーとして印刷が必要になるケースはゼロではないものの、業務で新しいものを作る機会は今ではほとんどありません。
今回は、そんなプロダクトデザイナーとブランディングデザイナーが入り混じって、印刷業界大手TOPPAN様の本社施設を訪問する機会をいただいたので、その様子をレポートします。
ご案内いただきましたTOPPANの皆さま、お忙しいところ本当にありがとうございました。
印刷講義
まずご案内いただいたのは、印刷についての専門知識や発展的な技術をご紹介いただく一時間ほどの講義です。
今回私は引率として参加しており、一緒に参加した24卒のデザイナー6名は、大学でも触れてこなかった新しい知識を興味深く聞いていたのが印象的でした。
紙の選び方で変わるリッチな黒の表現や、効果的な特色の使い方による鮮やかな色彩表現など、デザイナーのこだわりを最大限表現するプリンティングディレクターの仕事は尊敬の念に堪えません。質問もさかんに飛び交い、一時間という時間では名残惜しく感じたほどです。
印刷博物館
続いては、印刷博物館の常設展をガイドしていただきました。ここでは、印刷の世界史や日本史について、複製品や原物などたくさんの貴重な資料とともに辿ることができます。
私自身は過去に一度訪れたことがあるのですが、ガイドしていただくことによって、より一層理解が深まりました。
こちらも一時間ほどガイドしていただきましたが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。じっくり見たら数時間はかかる大満足の展示ボリュームです。
GRAPHIC TRIAL
最後にお邪魔したのは、企画展であるGRAPHIC TRIAL 2024です。第一線のクリエイターとTOPPAN様による実験的な印刷表現を展示しているこちらは、当社の業務で印刷物を扱うメンバーにとっても大変興味深く、有志の数名が合流しました。
一見しただけでは、どんな難しさがある作品なのか理解することは難しいのですが、裏話も含め丁寧にガイドしていただき、あまりの複雑さ、緻密さに参加したメンバーからは感嘆の声や時には悲鳴まで聞こえてくるほどでした。
参加者の感想
今回の見学を通じて、紙もののデザインの奥深さを改めて実感しました。特に、印刷機の種類やインクの選び方が用途によって異なることは、興味深かったです。また、家庭用プリンターと印刷会社の印刷技術が全く異なる進化を遂げていることにも驚きました。家庭用プリンターはRGBカラーの再現性を向上させる一方で、印刷会社は特色や加工によって表現の幅を広げている点が印象的でした。家庭用でできて工場の機械でできないことがあることは新たな気付きだったので、今後デザインの発注をする際にはその点に気をつけたいです。
(24卒 長澤)
今回の見学を通して、紙もののデザインに対する前向きなモチベーションを抱えて帰ってくることができました。プリンティングディレクターのお仕事を知らなかったのですが、お話を聞き、デザイナーのこだわりと印刷技術の最大公約数を見つけ、最高のアウトプットを出力するお仕事なのかなと理解しました。デザイナーがこだわりを持っていることも、プリンティングディレクターの方がその意思を汲み取って最適な印刷表現を提案することも、お互いにプロだから成り立つのだろうなと羨ましく思いました。PCに向き合う時間が大半を占める中、紙を触って色をじっくり吟味する、スクロールに左右されない少しゆったりしたコミュニケーションもいいなと思います。
(24卒 片田)
理想的なデザインを表現するために、何度も適切なインクや出力濃度を模索されていた、というお話が大変印象的でした。入稿前に印刷サンプルを持ちながら色味の調整や紙選びに悩むことが多かったので、プリンティングディレクターの方々の苦労や葛藤に共感しつつも、その知識と技術力に感銘を受けました。反面、印刷次第でここまでデザインの見え方が変わってしまうのか、と恐ろしい気持ちにもなりました。「デザインはデータを作って終わりじゃない」ということを肝に銘じつつ、今日教えていただいた知識を今後に生かしていきたいです。
(24卒 加藤)
TOPPAN様の見学を通じて、コミュニケーション手法としての印刷物に対する関心が深まりました。これまでチラシやポストカードの発注など、多少印刷物に関わる経験はあり、印刷についてある程度理解していると思っていました。しかし、実際に行っていたことは表面的なものであり、印刷という分野がもっと奥深く、意味のあるものであることに気づかされました。今後、業務として印刷物に向き合う機会は少ないかもしれませんが、もし関わることがあれば、コミュニケーション手法としての印刷物があることを常に念頭に置きたいと思います。
(24卒 来住)
学生時代は印刷物にあまり関わってこなかったのですが、今回の見学を通して紙ものの奥深さや歴史を知ることができました。プリンティングディレクターの業務内容も初めて知り、紙一枚にこんなにもこだわりを持って作られているのかと感銘を受けました。何のインターフェースも必要としない、生で見て触れることのできる印刷物だからこそ、見え方や質感に繊細にこだわられているのだろうなと感じました。普段の業務ではデジタルばかり触っているので、私も紙もののデザインに挑戦してみたくなりました!
(24卒 阿部)
見学を通して、これまでの入稿業務に対する意識が大きく変わりました。今までは、印刷する前の工程に必死になりがちで、印刷まで進むとデザインデータを作っていた頃のこだわりが薄くなってしまっていました。しかし、今回の見学で印刷次第でデザインの見え方が良くも悪くも大きく変わることを目の当たりにし、「印刷までが制作なのか」と改めてその重要性を痛感しました。現在携わらせていただいている業務でも、今後色校正を行う機会があるため、わずかな違いに敏感になり、最大限のアウトプットを生み出していきたいと思います。このタイミングで見学に伺うことができて良かったです。今後は目的や媒体に応じた印刷表現の知識をさらに深め、より質の高いデザインを追求していきたいです。
(24卒 若林)
最後に
実は昨年も同じように新卒メンバーを中心にご招待いただき、印刷講義からGRAPHIC TRIALまでご案内いただきました。当社のデザイナーの前職からのご縁により実現したこの機会を大変ありがたく感じています。
当日の様子や感想を見て、新卒メンバーの良い刺激になったことを嬉しく思いますし、私にとっても最新の印刷技術に触れる良い経験となりました。この日のインプットは部門の業務やJuiceでの制作アイデアに活かし、新しいことにもどんどん挑戦していきたいと思います。
それでは、また。
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