野望の王国 を主観的に語る

〜 マジョリティを徹底的に見下すことで、周りの目や抑圧に縛られずに結果を出しに行く、日本国の権力構造の前提を疑ったヤクザが主人公の漫画 〜

野望のためならなんでもするヤクザ漫画ですが、当時によく出したなと思えるほど、原作者の方の思想がストレートに描写されている漫画です。 


「愚かな大衆ども」と、マジョリティを徹底的にコケにした描写をストレートに「主人公たちの意見として」書いているので、一般的な読者に迎合されるわけがない表現が多々出てきます笑


「カイジ」の場合は、あくまでも敵役がそれをいう立場にいますが、「野望の王国」の場合は主人公が包み隠さずに「そういうこと」を言います。 そのストレートな感情を達成させる為に、兄弟は殺すは、街爆破するわなんでもする恐ろしさがありますが、 主人公たちは一貫して野望を追い続けます。 この「野望の王国」には多くの名言があります。
なにかと、「大衆」をボロクソに言います。笑


漫画の構造上、「警察、自衛隊などの国家権力を最も敵視し、暴力機構や恐怖が全てを支配するこの世の中に気づかない愚かなマジョリティ」という構図を常に読者に突きつけた中で進む、手段を選ばないヤクザ主人公と手段を選ばない警察の戦いというメインストリームを崩さない(日本最大の暴力機構かと思えたヤクザと実際の日本最大の暴力機構である警察が戦う)ところが秀一だと思います。 


80年代漫画にありがちなツッコミポイントや絵が苦手な人もいるかもしれませんが、「お上を疑う」まさに自明性を疑う社会学の基本原理のような視点で楽しめる漫画ではないかと思います。


よく、経営者必読漫画!と言われますが、物事の見方が雇用者側とは異なる経営者が好きなのも納得な視点を持った漫画かと思います。

オススメですー!


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