はじめての、お仕事をいただく。

わたしは平凡なカレー屋で、教える仕事が好きで、それを生業にして生きている訳なのですが。

カレー屋になってはじめて、カレー屋ではない方と一緒にお仕事をする機会をいただくことができました。まだ内緒なんですけどね。

そうやって、誰かとお仕事をする時に一番最初に強く思うのは、この方の役に立ちたい、立てるだろうか、自分の知識と経験から何を差し上げられるだろうか、という緊張感と、大丈夫自分ならできる、という根拠の無い自信。

その瞬間から自分との戦いが始まります。どうしたら喜んでいただける美味しいものを差し出せるのか。その方が望んでいるものって一体なんだろう。その方とその仕事のことばかりを考えます。もはや恋です(笑)。 でも、それくらい自分を追い詰めないと、追い込んで追い込んでギリギリのところで生み出させるものでないと、きっとその方の期待にはお応えできない。そう思って自分を追い込んでいます。

ちょっとしたメッセージのやり取りの中からその方の趣味趣向を探り、どんなものが好きで、どんな味が好ましくて、どんな風に考えているのか。やっぱりこれは恋ですね(笑)。そこまでして追い込まなくてもできるものをポイって出しちゃえばいいんでしょうけど、それは出来ない。追い込んで追い込んでやっと完成させたそれが、相手の方とこれから築いていく信頼関係の最初の一歩なのだと思うので。

そうやって、命削りながら作り上げた信頼関係が、これからもずっと続きますように。