旅のスケッチ 一度は印度へ
スナフキンが好きだ。持ち物を最低限しか持たず、音楽を奏で、自由に好きなことをして暮らす。誰しも一度はそういう、旅暮らしに憧れるのじゃあないか。若かりし頃の私ももれなくそうで。
ちゃんと勤める会社があり、住むにも食うにも困らない、何不自由ない暮らしだからこそ、そういう自由に憧れていたんだろう。
そんなある日、勤めていた会社が倒産した。給料の未払いもあったけれども、失業保険は出るし、帰れる実家はあったし、あまり心配はしていなかった。そもそもその会社に一生勤めたいと思っていたわ