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旅のスケッチ

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かつて旅で描いたスケッチを綴る「旅のスケッチ」ほか、旅に関する投稿をまとめました。
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#私の作品紹介

旅のスケッチ ダバオへ

青年海外協力隊に応募しようと思ったのは、海外で働いてみたいという気持ちからだった。勤めていた会社が倒産して同じような職種につくのもなんだかな、と思っていたときに、半ばモラトリアムのような不純な気持ちで選んだものだ。誰かを助けたいというような高尚な気持ちはあまりなくて、今までの専門分野を生かしつつ、今までと違う環境に身を置くことができる協力隊に魅力を感じていた。 協力隊は、イメージでは汗水流して発展途上国で井戸を掘ったり、畑を耕したりするのだと思っていたけれど、実際には教師な

キャンプは帰ってからも楽しい

キャンプへ行く前は、行く予定の場所の地図を見て、どんなところか想像する。 現場では、そこがどんな場所なのかをただ観察し、体で感じる。 瀬と淵で温度の違う水、谷を渡る風、湧き上がる雲、月明かりとそれを反射するクモの目玉。アブとの戦い、ヒル地獄、沢ガニ、小さな魚、時には走り去る鹿や猿。そういうものに出会いたくて、感じたくてキャンプに行くのだけれど、もちろんそれだけで十分楽しいのだけれど、 帰ったら、そこの地形や歩いた場所、見つけたもの、面白かったことを一枚の絵地図にする。 こ