散歩日和

「そこにある日常は、常にドラマチックだ。」をテーマに散歩の記録を綴っています

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最近の記事

コワイ、コワイの 先に見える景色

車で山道をズンズンと登った先は、 窓から入ってくる風がスッと冷たくて、 一足先に季節を進めているようだった。 噴煙を上げる中岳を眺望できる草千里は、 厳しい冬へ向け体づくりを始める馬たちの姿が。 昔ここで、父が私にかけてくれた言葉を今でも大切に覚えている。 「お馬さんに乗る時、 コワイ、コワイって言ってたでしょう? でも勇気を出して乗ってみたらどうだった? こわい、こわいの先に見える景色があるんだよ」と。 いまだに初めてのことに挑戦する時は勇気が出なくて、 最初の一歩が

    • こぼれ星

      荒れ狂った海を朧げな月が照らす夜。 やっとの思いで旅館へ辿り着くと、案内されたのは大きな窓から海の見える古いお部屋。 「今日は大変でしたね。こんな天気の次の日には、そこの浜辺にたくさんのこぼれ星が落ちていますよ」と女将さんが教えてくれた。 こぼれ星・・・? 星が落ちているなんて、そんなことがあるのかな。 明日の夜明け前、こっそり探しに行ってみよう。 もし落ちていたら、まだ星が輝いているうちに、 そっと拾い集めてあげよう。 こぼれ落ちても、空から見つけてもらえるように。

      • vol.5 初めて、世界で独りぼっちだと思った。 - 福岡県 糸島より - 

        瑞々しい自然が生きるまち、糸島。 芥屋の大門(けやのおおと)という海蝕洞を見に、このまちへやって来た。 今日は風が強くゴーゴーと海が鳴いている。 駐車場から徒歩3分、海の近くに建てられた鳥居を横目に、地図に記されている船着場まで急ぐ。 山を越え、 島の反対側へ周り、 生き物といえばトンビとハエと私しかいない、 荒々しい海岸沿いを走る、走る、走る、走る、走る。

        • 夢の国の向こう側、 青い世界。

          チケットを渡しエスカレーターを降りると、そこには水の中で息をする者だけの世界が広がっていた。 水中で息苦しくなってしまう私たちは、水と光と気泡だけが存在するシンプルな世界に包まれて、群れを成して泳ぐ者、大きな体で1人泳ぐ者、泳がない者、それぞれの泳ぎ方をガラスの向こう側から傍観している。 まるで、自分がどう泳げばいいのか、切望しているみたいに。 葛西臨海水族園より

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          7本

        記事

          お気に入りクレープと休日の終わり

          日曜日の午後5時、二子玉川駅の改札を過ぎ旧玉川高校のある方へ。バス通りを進んでいくと見えてくるのは、この街で20年以上も愛されているクレープ屋さん。暑さでへばった体にカスタードの甘さが染み渡る。二子玉川公園の階段で夕陽を眺めながらクレープを食べるのが休日を締めくくるお決まりのコースだ。 デート中のカップルもピクニック中のファミリーも犬のお散歩をする外国人も元気に走り回る子供たちも、皆んなこの階段に集まって同じ方向を向いて座っている。オレンジ色の空の下、そこには少し気怠いよう

          お気に入りクレープと休日の終わり

          桜と、 缶ビールと、 四川麻婆豆腐と、

          桜と、 缶ビールと、 四川麻婆豆腐と、

          海の見える駅を巡る旅 vol.1 - 心地よい「青」を探して - 熊本県 海浦

          春の訪れを感じるようになってきた今日この頃。 生温い風と共に降り立ったのは、周りを山と家に囲まれた駅「海浦駅」。 改札も何もない無人駅で、すぐ隣には民家や畑がある。 列車を降りてまず初めに目に飛び込んでくるのは、太陽の光がキラキラと白く反射した美しい青、八代海だ。 海を見ながら、ボーッとすること10分。 駅の近くを散策することに。 この路線は、1時間に2本ほどの列車があり、ホームには自転車マークが。 *この列車を利用している学生たちは、夜部活が終わるとカップラーメンを

          海の見える駅を巡る旅 vol.1 - 心地よい「青」を探して - 熊本県 海浦