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【R郷】オナガ、ツミ、コチドリ

5月5日(金) 晴れ・昼前から強風 26/16度

4:30に目が覚める。
天気予報では曇りだったが、空に雲はない。
東の空が徐々に明るくなってくる。

昨日干潟で帰りがけにウォッチャーさんから聞いた、
「ツミ 」のことが気になった。
けれど、連休中に行きたいと思っていた、M池公園や、野鳥公園も気になる。😅迷ったけど、ツミを観に行くことにした。

堤防からはうっすら富士山が見えた。
東京からは、手前の山々で隠れて裾の方は見えないので、まだかなり雪があるイメージだったけど、先日観たテレビに映っていた富士山は、ちょこんと白い帽子をかぶっているような感じだったので驚いた。もう初夏なのだ。

川を眺めながら、自転車をゆるゆる漕いでいると、草の間からアオサギの頭が見えた。
自転車を止めて、リュックからカメラを出す動作をしても珍しく飛び立たない。
気づいていないことはないと思うけど。
しばらくして、パッと上空を確認したので、何だろうと思って空を見上げたら、カラスが猛禽をモビングしているところだった。

アオサギやサギ類って面白い場所で首が曲がっている

公園に到着。
詳しい場所までは聞いていなかったので、鳥の声がする方へ歩いていく。
まだ公園には誰もいないだろうと思ったけど、結構人がいる。

「ギョエ〜〜〜」「グェ〜」など背の高い木が何本かある場所が騒々しい。
飛び回っているのは、オナガだ。
男性がオナガの巣を教えてくださった。
木の幹と枝の間に、細い枝を組んで、お皿型の巣が作られていた。
下から丸見えである。
最初は留守だったが、親鳥が鳴きながら戻ってきて、巣に入った。
長い尾羽が巣からはみ出しているのが面白かった。
時々、オナガ同士で取っ組み合いの喧嘩(空中で)しているような様子も観察できた。どういう理由だったのかは分からないけど。

帽子をかぶったようなオナガ

一度、「キーキキキ」と鳴き声が聞こえた。
ツミだ!と思って、声を探したけど、見つけられなかった。
それから、「キ、キ、キ、キ、、キ、キ、キ、キ」と小さく鳴く声が聞こえてきた。何だろうと思ったら「餌乞い」といって、メスがオスに餌を要求しているときに鳴く鳴き方だそうだ。メスが卵を温めている間、オスはメスのための餌を狩りに出かけている。ということは、あの小さな「キ、キ、キ、」が聞こえる範囲で狩りをしているのか。
その鳴き声のする方を辿って、木を見上げる。今度は教えてもらわなくても、そこにツミの巣があることが分かった。木の周辺を周り、ツミを観察できる位置はないかと探したけど、残念ながら巣はとても高いところにあったので下半分しか見えなかった。
その後、ベンチに座って、あんドーナツを食べていると、年配の男性が、「ねーちゃん、こっちこっち!」と呼ぶので行ってみると、メスが小鳥を食べているところだった。
いつの間にか、オスが餌を運んできたのだ。餌を渡すところは見られなかった。
小鳥の黄色い足がちらりと見える。両足で獲物を押さえつけ、羽を時折ブルっと震わせて、ちぎっては食べ、ちぎっては食べを繰り返す。小鳥はあっという間に赤いレバーの塊となった。黄色い目とお腹のボーダー模様は、鳩ほどの小さい体でも、鷹の威厳みたいなものがある。

ツミ♀

太極拳をしていた方々が、周囲に集まってきた。
「カラスが卵を狙っているのよ!」「無事に生まれるといいわね」
食後、メスのツミは止まっている木の枝に嘴をこすりつけて綺麗にしていた。

オスのツミ は甲斐甲斐しい。もちろんそれは繁殖の行動として遺伝子にインプットされているからだろうけど。それから、虹彩が赤いからか、メスよりも可愛らしい顔に見える。

一仕事終えたツミ♂

女性が「オスは巣の見える枝に止まって、ちゃんと気にしているのよ」と教えてくださった。バードウォッチングが趣味ではなくても、毎日観察しているからかとても詳しい。「あら、枝をくわえてる。カラスの襲撃に備えて、巣を補強するのね。」

枝を運ぶツミ♂

そしてオスがリフォームしている間、メスは巣の外に出てきて、羽を繕っていた。

羽繕いを終えたツミ♀
巣に戻るとき、メスも木の枝をくわえていた。

あ〜面白かった。朝の1時間ほどでここまでの充実感を味わえる鳥見とは一体・・・テレビやYouTubeで捕食や子育ての様子を観るのと、実際に自分の目で見るのはやはり違う。

帰り際、年配の男性に、「絶対に人に言わないでね」と言われる。
けれど、私は人に聞いて、翌日に公園へ来てしまった。
そしてブログに書いちゃってる。

鳥は巣の下に、人がいっぱい来てストレスだろうか。
上からはカラスの攻撃、下からは人間の話し声やカメラのカシャカシャ音。
でもなぜ、公園に巣を作るのだろう。
すぐ近くの河川敷にも木はいっぱいあるのに。
ツバメが民家に巣を作って天敵を避けるのと同じ理由だろうか。
ツミも人を利用しているのかもしれない。
そうそう、オナガがツミの巣のそばで営巣するのは、ツミがカラスを撃退してくれることがあるからだそうだ。

私たちはどこかで自然とつながっているのではなく、
私たち全部が自然なのだと思う。

マナーに厳しいウォッチャーさんも、餌を与えたり、場所を拡散してしまうウォッチャーさんも、自然が好きなことは同じだ。私はどちらかというと後者かナ😅野鳥が好きだといいながら、毎日のように卵や鶏肉を食べていることを夫に笑われている。

近づき過ぎず、サクッと撮って、サクッと帰るとしよう。

0505NJ

いっぱい写真が撮れて、満たされた気持ちだったけど、
時間もまだ早いので干潟へも寄ってみた。
オオバン、カワウ、ユリカモメ、ダイサギ、チュウシャクシギ、タシギ、
昨日は見ることができなかったコチドリもいた。
ツミの場所を教えてくれた方が、今度は、タヌキやアマサギやヨシゴイの情報を下さった。

連休後半は、強風や雨だったが、良い休日を過ごすことができた。
休日は私にとって、小さな探検。小さなワクワクとドキドキ。
また明日から穏やかな日常がはじまる。

  「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一に、
  どんなこと、かんがえる?」
  「けさのごはんは、なににしよ? ってことだな。」と、
  プーがいいました。
  「コブタ、きみは、どんなこと?」
  「ぼくはね、きょうは、どんなすばらしいことがあるかな、
  ってことだよ。」
  プーは、かんがえぶかげにうなずきました。
  「つまり、おんなじことだね。」と、プーはいいました。

「クマのプーさん」より
ふかふかの緑の絨毯の上を歩くコチドリ




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