見出し画像

#104 相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)は容認したのか?

 相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)のメンバーがアンケートを取りながら戸別訪問をしている。その際、次のような質問があったそうだ。
 「相模国分寺跡の景観を守る会は、明和地所の14階建てマンションの建設に反対しないんですか?」
 明和地所により進められている、相模国分寺跡隣接地高層マンション建設計画については、反対運動はせずに(あるいは容認して)、第2第3の明和地所が出てこないよう建築物の高さ制限をする条例を作ることを目指している会ではないかという受け止め方らしい。

 相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)の会則には書いてある。
第3条 本会は、相模国分寺跡の周囲の建物の高さ制限を設けるなどの都市計画上の方策を考え、それを市に提案し実現、運用することで、相模国分寺跡の広々とした景観を保持することを会の目的とする。

 確かに、いま進められている明和地所の建設計画に反対するとは書いていない。発足の会でも「建設に反対をする会ではない」と事務局長は発言した。しかし、「建設に反対する会ではない」は「建設に反対しない会である」とイコールではない。ましてや「建設を容認している会」では決してない。
 建設反対は前提条件であって、そこから次のステップへと一段上ったのが相模国分寺跡の景観を守る会(SKK)である
と私は理解している。

 相模国分寺跡の景観を守る会は新たな条例を作ることを目指す会である。新たな条例を作る運動は海老名市では前例がなく、大変なエネルギーを使う。その運動に集中するための判断であろうと私は思っている。
 相模国分寺跡の景観を守る会のメンバーは、明和地所による高層マンション建設に反対である。反対であるからこそ、新たな条例を作ろうとしている。建設を容認する立場で、高さ制限を盛り込んだ新たな条例を作る運動をすることは、矛盾を抱えることになるので不可能なことだ。

 建設反対運動。そして、高さ制限を盛り込んだ条例作りの運動。この2つの運動は、車軸に付いた2つの車輪だ。2つの運動が成功するとき、はじめて相模国分寺跡の景観は将来的に守られることになる。

 明和地所による高層マンション建設に反対する市民の会は複数存在している。それぞれ目的やアプローチは異なるかもしれないが、市民運動に立ち上がった大人たちが、お互いに励まし合いながら運動を展開している姿を次世代の人たちに見せてあげられたら、それは大きな遺産となることだろう

(23.8.28)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?