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《近くにいる子が可愛いと病む》という話で盛り上がっていた女の子たち。私の中に野暮な疑問がうまれる。


これは私が電車に乗っていたある日のこと。
高校生くらいの女の子がふたり
近くに乗り合わせていた。

私は窓の外を眺めていたが、
ふたりの会話が自然と耳に入ってくる。



そのうちにひとりが
「可愛い子を見たら病む」というようなことを言いだした。
もう1人も共感している。


そこから、
・推しはどれだけ可愛くても病まない
・6組の小野さん(仮名:実際の名前は覚えていない)
 は可愛いので、彼女と話した後は病む

…など、
あーでもない、こうでもないと言い始めた。

私は内心ヒヤヒヤしていた。
だって、裏を返せば
お互いに今病んでいないというこの状況…
なんか、まずくないだろうか?

考えすぎ?もしくは、私の性格が歪んでいる?
なんて疑問も次々に。


ふたりの会話はクライマックスへと突入し
ひとりが
「…てことは、隣にいる子が可愛かったら病むんだ!」
と言った。

世紀の大発見!みたいな口ぶりで
パンドラの箱を開けてしまった。
そして一瞬、時が止まったような沈黙。

ここにきて
彼女たちも気づいてしまったらしい。


やっぱ推しは最強だよね〜なんて
雑に話を終わらせる。
踏み込むこともなく、言い訳をするでもなく
うやむやにするのがこの場合の最適解なのだ。

この感じ、息苦しい。

…なんて酸欠状態の私をよそに
ふたりはすぐにデパコスの話で盛り上がり始めた。


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