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コンビニで安い缶チューハイを買って公園のブランコと揺れる貴方の横顔を見て運命論を説きたい。


完全に醒めた夜の中で、言葉を紡ぐ。
ついにここには、美しさなどないと、貴方は知る。
放課後の葛藤を未だに大切に抱えているあの子は、セロテープで壁に貼っていつでも思いだせるようにしている。
すべり台の上に記憶を捨ててしまったあの子は、静かに永遠を錯覚し続けている。
孤独と暮らしている、私はそれを、大変気に入っている。

私は貴方に書いた手紙を、引き出しの奥に隠し続けている。
小説に栞を挟んでいたことを、私はすっかり忘れてしまっている。失くしたものばかりを愛おしく思う癖に、昨日見た太陽の名前も思い出せないでいる。
この感情に慣れてしまうまでに私は、どれほど夜に取り残されたのでしょう。向日葵はすでに眠ってしまっていて、枯れた事にすら気づいていない。

目が醒めたらどこへ行こう。
私は夜の街を彷徨って、貴方と一緒に夜の闇に溶け合いたい。
憂鬱感も停滞感も全て葬りさって当てもなく彷徨って、路地裏の猫に挨拶したりして、高いビルを見上げた先に映る星を見ながら私と貴方だけの星座を作って現実か夢か分からない程の夢を見たい。コンビニで安い缶チューハイを買って公園のブランコと揺れる貴方の横顔を見て運命論を説きたい。
アルコールがよく回りフリーズ、お月様はモードB、貴方の瞳術で私の首を攫ってほしい。

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