山王ベンチのマスクBOX
【2022年4月】手作りマスク703枚配布(配布総数14471枚目)
訪問看護の仕事は体調や気分がすぐれない方や、身体に障がいを抱えている方と関わることが多いです。
今年の春、施設で一時入所していたオジサンが、住み慣れた自宅に戻り、1人暮らしを再開しました。
この方は、施設入所中にコロナに感染して10kgも痩せてしまい、足の筋力も体力も衰えてしまいました。
施設入所する前は、早朝から散歩して山王訪問看護ステーションに来るのが日課でした。
退所してからも、これまでのように早朝に事務所まで歩いてくるのですが、歩き疲れて道端で座り込んだり、何度もコケてしまうので、事務所に到着する頃には傷だらけのこともありました。
「来なくても良いよ」と伝えても来てしまいます。
苦肉の策で、事務所に到着したときに、ひと休みできるように椅子を置いて帰ることにしました。
だけど、3日目の朝、この椅子は盗まれてしまいました。
歩き疲れてひと休みしたい人は、きっとこのオジサンだけではありません。
みんなが気軽に座れるベンチが、街のあちこちに置かれていると良いのにな。
そんな思いが大きくなり、ベンチ作りに取り組むことにしました。
とはいっても、私は木工作業をほとんどしたことがありません。
ひと花センターのオジサンや、訪問看護で関わっているオジサンたちに声をかけてベンチを作りました。
このまちには大工仕事が得意な人がたくさんいるので、とても頼もしいです。
みんな、大工道具を持つと、いきなり職人さんの顔になります。
作業する手の動きも美しいです。
天気も良く、気持ちいい1日でした。
ペンキが乾くまでの間、ベンチを囲んでちょっと休憩。
一緒に作業に取り組んだり、休憩中に雑談していると、時間がゆったり流れます。
じゃーーん。
素敵なベンチができました!!
歩き疲れても、ちょっと休憩できれば、また気持ちを新たに歩き出せます。
ベンチを作るとき、オジサンたちに「マスクBOXが置けたら良いな」と話すと、ベンチ下に棚を取り付けてくれました。
事務所前は少し傾斜があるのですが、傾斜を解消してくれる工夫もあります。
このベンチには職人たちの工夫が散りばめられています。
「いつでも誰もが安心して清潔なマスクを着用できるように」
皆さんが作ってくれたマスクが、いろんな人に届くように、この山王ベンチにマスクBOXを置いてます。
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