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「日記」小指の爪

生もつを貰った。
生もつって言葉だけでグロくてエロい。
臓物の上に生だからね。


大根も貰ってあったので(さすがにまだ消化しきれていない)もつ煮を作ろうと思った。
もつを下茹でする時の存在感を主張するあの臭いには一生慣れそうにない。
いや、慣れたくない。
あの臭いのコロンがあったら、私は制作者に殺意を抱くだろう。

もつを下茹でしている間に
たまねぎ、にんじん、大根、コンニャク…
下準備に次々と切っていく。

硬いゴボウを切ってたら、スパーンと小指の爪が勢いよくぶっ飛んだ。
勘違いしないで、指ではない(笑)
私は反社会的勢力、任侠道に生きる人ではないので
つめ、ツメ、爪

鮮血がまな板中に飛び散った。
オーマイガー!
小指の先もちょっとヤッちゃったらしい。
指が変形する程ではない、皮と数ミリの肉片……

ポタ、ポタ、ポタ

台所の床に滴り落ちていく私の赤い水。
大きな水玉もようが出来上がっていく。
それを「綺麗」って、ぼーっと見ている自分に気付いて少し慌てた。

「痛っ」
感じる方が遅かった。

身体の先端って何故こんなに痛いんだろう?
椅子に足の小指ぶつけた時も物凄ーーーーっく痛いよね?(泣)

トク、トク、トク…

小さな小さな心臓が小指の先についた感じ。
慌ててティッシュペーパーで押さえた。
ドク、どく、毒…
白いティッシュを更に赤く染めていく私の血。


でも

にやりと私は微笑む。

これで味が決まる。
これで皆の仲間に入れるかも……

ブラックな物を書きたかった。
人の心は一色じゃない。
白くも赤くも黄色も青も緑もピンクも……
全部混ぜたら黒になる。
虹になるってCMがあったけど、あれは嘘だ。
混ぜるんだから、ごちゃ混ぜにグジャグジャに、かき回せ!

左手の小指を舐めたら
鉄の匂いがした。

今夜は私のDNA入りのお通しだ(にやり)
信じるか信じないかは貴方次第……





「アイタタ」
一人暮らしだとバンドエイドを貼ってくれる男が居ない。
変なコト考えてないで、早くもつ煮を作っちゃわなきゃ(苦笑)
おまけに床掃除もしなきゃ(苦笑)
現実はグレーかな?

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