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「エッセイ」腐れ縁even if#青ブラ文学部

もう、ずっとずっと昔の話。

クラゲは関係ない(笑)ただ好き♡



平井堅のこの歌が流行った頃、私のことを好きだと言ってくれた人が居た。
もう、その時は既に私はダーちゃんと結婚していたから、断ると言うより無視を決め込むしかなかったんだけど…
彼が、何かの宴会の最中に電話を掛けてきて
「ねぇ、本当にこれが最後だから、一曲だけ聴いて」
とカラオケで私に歌ってくれた曲。
携帯の向こうから流れてくる歌声に
「ありがとう、じゃあね」
と言って、私はそのまま携帯を切った。

切なかったけど、それは愛ではなくて「同情」だったから。

幼い頃から何故か女友達よりも男友達の方が多い。多分それは、性格が男っぽいからじゃないかと思う。

ダーちゃんが倒れてから、私は腐れ縁の男友達二人に
「『even if』が歌えるようになったら、飲みに行ってあげる」
って、上から目線で言った。
随分と嫌な女だと自分でも思う。

今、思えば落ち込んでいる私を慰めようとしてくれていたのだと分かるが、当時の私は、それどころではなかった。
暫くして二人共、この歌を覚えて歌ってくれたけど、最初に聴いた切ない「even if」には程遠かった。

今、彼はどうして居るだろう。
もちろん、腐れ縁には、ならなかった最初の「even if」の男だ。


現在の私は色んな「腐れ縁」の中で暮らしている。
結婚と同時に会わなくなって、「縁」が切れたはずだったのに、また舞い戻ってきてくれた男達、「愛情」でもなく「同情」でもなく「友情」に育ったこの関係。
あぁ、あの「コロナ禍」って言うのを経験したからかもしれない。
人は一人で生まれてきて、一人で死んでいくが、その間の「生きる」は、決して一人じゃない。
今では、奴らの奥様や彼女とも仲良くなった。

「腐れ縁」のはずだったのに、ちっとも腐っちゃいない。

それなのに「腐れ縁」と聞いた時に「even if」を思い出したのは、何故なのだろう。
少しは私、好きだったのかな?彼のこと(苦笑)
いつも会社の材料を運んで来た材料屋さんだった彼。今は名前さえ忘れた昔の話。


#なんのはなしですか



山根あきらさん、いつも素敵なお題をありがとうございます♡
また参加させてくださいね。
よろしくお願いします。


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