算命学余話 #R87「己亥を考える」/バックナンバー
平成最後の年が間もなく明けます。新年のスタートは2月4日の立春です。干支暦に基く新年は立春が起点になりますが、毎年2月4日とは限りません。たまに前後1日ほどずれる年もあります。なぜなら、立春とは昼の長さが一番短い日である冬至と、昼夜の長さが等しい春分とのちょうど中間のことであり、地球の運行に起因する一年の長さの伸縮が立春の位置を前後させるからです。
一年が常に365日でないことは閏年が証明していますし、我々が日々使っている時計でさえ、数秒ずれたから全世界で一斉に調整しますというニュースが流れることでその不正確を曝しています。こうした数秒の時計調整や閏日の存在によって、我々の住む世界は人間の都合のいいように割り切れないこと、そしてそのずれを合わせるのは常に人間の側であって、宇宙の側から人間に合わせることはないのだということは、揺るがぬ法則として、算命学を学ぶ者なら熟知しておく必要があります。
よく「自分中心に宇宙が回っている」と人を評することがありますが、そこに皮肉や侮蔑が込められるのは、その人物が宇宙の法則に反して生きていることに対する否定的感慨の表れなのです。
では新年を前に、一年を占う2019年大予想に移りましょう。この大予想は毎年やっているので、時間のある方は前年の大予想を読み返して、実際にどの程度的中したのか見比べてみて下さい。こう言うのは、自信があるからではありません。予測が当たったか外れたかは私にとっては重要ではなく、考察から生まれた予測がどの程度現実と重なり得るのか、その事後分析の方が今後の実践の役に立つからです。
今年は己亥年です。土と水の組合せで、土剋水の関係です。天干が地支を剋しているので、天災が予想されます。具体的には土砂災害、洪水、地盤沈下などが挙げられます。つまり近年の異常気象によって頻発している自然災害は、今年も続くという予測です。
日常生活に視点を下げてみましょう。政府や報道がいかに経済の好調を伝えようとも、この年の経済は総じて冷える見込みです。少しでも懐を温かくしたいのなら、自ら動くのが有効です。世界全体が冷えているからといって、個人生活までじっとしている必要はありません。大いに活動し、動き回って、体温を上げましょう。
また、部分的には経済が好調な分野もあることが予測されますが、その好調は、人間の知性の減退を促して成長するものです。最近、業績を急激に伸ばしている企業やその経営者が、人としての品性に欠けると酷評されるようなパフォーマンスが取り沙汰されていますが、そういう種類の好況はあり得るでしょう。
年干支の暗さに抵抗して、派手な格好をしてみるのも悪くはありません。普段やらないような奇抜な発言やパフォーマンスも、周囲の反感を買わない種類のものであれば歓迎されるでしょう。またそのようなトレンドが持て囃されることが予測されます。
折しも日本は天皇の退位・新天皇の即位の年に当たり、慰労と祝賀のイベントが続きます。年号も変わることで、あらゆる方面での変化や活性化も予見されます。それは必ずしも経済の冷え込みを覆すものではないかもしれませんが、暗くなりがちな一年を彩る華やかな光輝となるでしょう。
また亥は十二支の終末を司り、次の十二支の一旬を迎えるための準備の期間でもあります。この一年の間に、今までうやむやにしてきたことや未完成の仕事を仕上げると、翌年の十二支の開始がスムーズになります。ここで怠けて周囲を散らかしたままにしておくと、次の12年間もその澱んだ気を引きずるので、この機会に後片付けを進めておくと良いでしょう。
また何か新しいことを始めたいのであれば、この機会にじっくり材料を集めて熟考すると、翌年からの十二支の新気に乗って事が順調に発展していくことが期待できます。その場の気分で始めるのではなく、予め計画を練ってから実行に移すという実直な態度が幸運を呼びます。
逆に、この雌伏の時期に何もしないでぼんやり過ごすと、せっかくの新しい十二支の一旬を澄んだ気分で迎えられません。そういう意味でも大いなる可能性を秘めている年なので、自ら可能性を潰すような生活態度は控えるのが賢明です。
ではこの先は、己亥という干支の組合せについて、やや専門的な分析をしてみます。
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