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算命学余話マガジン #G51~G60

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中国古代占星術、算命学を学ぶ人のための一考察として執筆中の短編読本です。算命学の基礎は学習済みだけれどもその先を知りたい、という中級者・上級者を対象に綴っています。技術的な話が半…
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#算命学

算命学余話 #G58 「体と用の思想」/バックナンバー

 「四苦八苦」という四字熟語は仏教が語源で、「人間の苦労の種類」を数え上げたら八種類になるという意味だそうです。内訳はこうです。まず生老病死が前半の「四苦」に当たり、これは他者を介在しない本人だけの苦しみで、誰しも等しく経験するもの、避けて通れないものです。残りの四つは、「求めても得られない苦しみ」「愛する者と死別する苦しみ」「嫌な奴と会わねばならない苦しみ」「人間を構成している要素に由来する種々の苦しみ」で、最初の四苦に比べると複雑で、他者や環境との関係性が前提となる苦しみ

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算命学余話 #G53 「天貴星中殺を考える」/バックナンバー

 前回の余話#G52では、「自分がこうだと思っていても、他者は全然そう思っていないという事態はよくある」と述べました。勿論、他者もまた同意見であるという事態もよくあります。つまり相反する二通りの事態が同程度に起こり得ることは、人間をやっていれば日々の体験からごく自然に知れることです。それが判らないのはその人が幼稚だからであり、この簡単な道理が判る程度の経験を積んでいないからです。算命学の陰陽論はこのように考えております。手厳しいです。  例を挙げましょう。無人島の西之島は2

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算命学余話 #G51 「陰陽、例外、非日常」/バックナンバー

 最近、作家の坂口恭平が自らの躁鬱病体験を元に『躁鬱大学~気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません』という本を出しました。  私は十年程前に「モバイルハウス」という構想を提言した建築家として坂口氏の存在を知りましたが、その時の肩書きは「建築家・哲学者」であって作家ではなく、そんじょそこらのお笑い芸人より余程笑えるユニークな人物として心に留めました。その主張は、「現代人は自分の(一軒)家を手に入れるために、土地を買い、そこにベタ基礎を打って動かなくし、その上に画一的な

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