虫歯~ズ
SNSの普及で、多くの青年たちは動画制作にのりだした。そんな多くの青年たちの中にうだつの上がらない3人組、虫歯ーズも結成された。彼らは最初様々な苦労を重ねながらも、少しづつ知名度があがってきた。しかし彼らの光が見え始めた矢先、日本は戦争に巻き込まれる。日常は一変し、彼らは動画制作どころではなくなり、生きるために奔走することに。戦争が終わり、再び、いままでのような平和な日常が戻ってくると信じ。
郊外の工場地帯、いつもはトラックや地域住民の車が行きかう国道、その横にマンションやアパートなどが立ち並んでいる
マンション 2ⅮKリビング
リビングにはテレビ、ダイニングテーブル、ソファーが置かれている、部屋の中は足の踏み場もないぐらい散らかり、大量に置かれている段ボールには衣服や2024年と書かれたポスター、家電などが無造作に放りこまれている、ダイニングテーブルの椅子に座り和也がテレビを見ている、近くに置かれているソファーには、兄の仁が体を前後に揺らし、タブレットを見ている
玄関の扉が開く音がする
母「ただいま~」
ヘルメットをかぶったままリビングに入ってくる母
和也「体育館どうやった?」
母は荷物をテーブルに置きながら
母「もうほとんどの人が避難して数人しか残ってなかったよ」
和也はソファーでタブレットを見ている兄を見て
和也「そっか~、僕らもそろそろ出ていかんとあかんね」
というと、椅子から立ち上がりソファーの兄の元へ行く、体を前後にゆする兄(仁)、二人の様子を見ている母
母「ごめんねー」
兄の横に座る和也
和也「謝らんでもいいよ、やっと一緒におれるようになったのに」
和也は兄の横に座りタブレットをのぞき込む
和也「あっ、兄ちゃん虫歯ーズ気に入って、くれてるんやね~」
タブレットの画面に2人の青年が映っている、下のタイトルには虫歯ーズ結成記念、風俗編と書かれている
仁が画面をタッチする、タブレットの画面がアップされる
タブレット内
画面に映る二人の青年
二人「年がら年中朝から晩まで楽しもう、イェイ!」
バラバラで嚙み合わない二人
亀「はい、皆さんこんにちは、バイク事故で歯が欠けてから虫歯になってしまった、虫歯~ズ1号こと亀で~す」
和也「こ、こ、こんばんは2号の和也です」
カメラが二人に近寄り、二人のアップになる。二人はマスクを外し
亀「二人合わせて、せーのー」
二人「虫歯~ズ歯~ズ」
かみ合わないふたりの息、見せた歯は二人とも虫歯に侵されていた
画面の外からカメラマンの声
やっちん「今晩は~、アシスタントのやっちんで~す」
やっちん「バイクで事故したんじゃなく、酸蝕歯(さんしょくし)で歯がボロボロになった、1号亀と優しいオタク2号和也とアシスタントのやっちん、三人で虫バーズを結成し、1号、2号が甘い世界を体験し、侵されていく模様を皆様に、お送りしていきたいと思っています」
亀が一歩前に出て
亀「やりちんなので、あだ名がやっちんになった、やりちんアシスタントで~す」
やっちん「ちがうわ!」
ニコッと笑う亀、歯が虫歯で侵されている
やっちん「と、いうことで3人でやっていきたいと思うんですけども、今日はですね、記念すべき虫歯―ず、第一回ということで、二人にはプレゼントとしまして、な、な、なんと~・・・、なんと~・・和君、夜の街と言えば~?」
和也「えっえっ?」
やっちん「夜の街、和君と言えば~・・・せーのー」
モジモジする和也
和也「言うの?」
隣で笑う亀
やっちん「あなたが好きな事、言うだけですやん」
ニッタっと笑う和也、見える前歯はかけている
やっちん「ご褒美~プレゼント~和也君~」
やっちん「嬉しそうですね~、和君に言ってほしかったんですが、もう言いますね~」
亀「風俗です!」
ニタニタ笑う和也とガッツポーズをする亀
やっちん「そう風俗をプレゼントしたいとおもいま~す」
和也に握手を求める亀
やっちん「それでですね、二人にはどの風俗がいいのか、選んでもらおうと思ってるんですよね、・・・そこで用意しました」
パネルが亀に渡される
やっちん「そのパネルオープンしていただいて1番から順番に発表していただきたいと思います。・・・それではせーの」
文字の書かれた四つ切りパネルが映し出される、パネルには文字が書かれている。
パネルをのぞき込む亀と和也
亀 「え~なにこれ?」
やっちん「一番から順番に亀さん、発表お願いしま~す」
にやにや笑う亀
亀 「では、1番手コキだけって言ったじゃん・・・」
眉をひそめる亀
亀「2番立たされたままの変態紳士」
ニコニコ笑う和也、首をかしげる亀
亀「どういう事?」
やっちん「ま~ま~次々読んでいってください」
亀「3番シコシコふんじゃった!」
声を出して笑う和也
亀「4番学園天国」
やっちん「さ~二人には早速、直感で選んでもらいましょ~!」
亀「待って待ってちょっとマッチョ、早すぎる」
筋肉を出す亀
やっちん「・・・1番手コキだけって言ったじゃん。2番立たされたままの変態紳士、3番シコシコふんじゃった、4番学園天国、・・・さ~それでは二人同時に指差してください」
亀は腕を組み悩んでいる、素のままの和也
亀「ん~1番と3番は露骨に出してますよね和君?」
笑顔でうなずく和也
亀「今から僕も出すんで~・・・」
やっちん「上手くないんで早く言ってください」
目を丸くする亀
亀「あら?早く行ってください?行ってくださいって、いいました?」
やっちん「もういい~、もういい~、かぶせんでも、亀ほんまにながなる~」
横で和也は笑っている
亀「またあ~、やっちん嫌い!かぶせんでも亀が長くなる~ゆうて、本物がそれとも下が?はずかし」
照れたふりをして顔を隠す亀、和也がカメラと亀の間に入ってくる
和也「早く行き・・いや・次にいきましょ」
と言い元の場所に戻る
亀「それでは気を取り直して和也君行きますよ~、せ~の~で!」
食い気味に3番を指さす和也、亀は2番を指さす
やっちん「和君早!」
二人は顔を見合わせてから、笑顔でカメラに向く、二人とも歯はかけているやっちん「和君3番シコシコ踏んじゃって、即決でしたね?僕は和君の為に、四番の学園天国選んだんですけどね、シコがどっすこいの四股ですけど・・」
和也「はい、どすこいでお願いします」
自身たっぷりな顔の和也、それを見て笑う亀
やっちん「そうですかー以外に和君そっち系ですか」
笑顔の和也
やっちん「対して亀が2番・・」
髪をかき上げながら
亀「いや~、1番と2番ですごく悩みもーした、1番ね~、手コキだけって言ったじゃんでしょ、・・・だけって言ったじゃんていう事は、それ以上あるよって事だしょう、それだけでいいのよ~それだけで~手手だけで・・なんじゃったら手手もちょっとでいいのよ~、後は自分でしなさいって」
やっちん「はい、そういう事でド変態は置いときまして」
呆然とした顔をする亀
亀「まって」
やっちん「ただね、はい行ってきました、帰ってきましたじゃ何も面白くないんで」
すねた素振りをする亀、構わず続けるやっちん
やっちん「二人にはミッションをやってもらいたいと思います」
亀 「やっぱりか~、怖い」
やっちん「ミッションって言っても簡単です、二人にはボイスレコーダーを持って行ってもらいまして、入っていってマスクを外したタイミングでニコッと笑って、僕たちの合言葉*虫歯―ズ、とまず1回やっていただいて、そのあとはボイスレコーダーを回しながらプレイを楽しんでもらい、ここが最大のポイントなんですけども、フィニッシュの時にもう一度、虫歯―ズ、って言ってもらう、ただそれだけの企画です、初回なんでお二人の最高の虫歯―ズの音声が欲しい、ってだけの企画です」
亀はマスクを外して
亀「最初に虫歯―ズ、やった後はマスクは付け直しますか」
やっちん「え?つけたままプレイって事ですか?」
マスクをつける亀
亀「はい、そうでごじゃる」
やっちん「それじゃあ、虫歯―ズ、の意味全くないんで、もちろんとってもらって結構です、逆におもっきりとって、おもっきりの笑顔で楽しんでください」
考え込んだ顔をする和也
亀はカメラにむかって両手を指さし
亀「逆に~」
やっちん「はい、それじゃあ行ってみましょう、和君、亀準備OK?」
うなずく二人
やっちん「じゃあ亀、合図お願いします」
マスクに手をやる二人
亀「和君いくよ~、せーの」
ふたりはスクを外し歯をみせ
二人「虫歯―ズ」
虫歯―ズの音声とテロップが画面に流れる
ピンクのネオンが光る街並み
+先行は亀+という音声とテロップが画面に流れる
やっちん「それでは虫歯―ズ風俗亀編、テロップと音声でお楽しみくださいどうぞ」
虫歯―ズの音声とテロップが画面に流れる。
画面には{変態紳士}と書かれた看板があるビルが映っている
店員の声(いらっしゃいませ~、本日のコースはお決まりでしょうか?)
亀の声(レギュラーコースのレギュラー満タンでー)
やっちんの笑い声
やっちんの声(くそーちょと面白かったやん、久しぶりな雰囲気だしてからの・・・)
店員の声(・・・あーはい!満タンでー)
やっちんの声(店員のるんかい!)
店員の声(本日の指名は、いかがいたしましょ?)
亀の声(パネルみせてもらえますか?)
店員の声(ありがとう、ございます、こちらがパネルになります)
やっちん(亀は指名するよなー)
亀の声(彩さんで!)
やっちん(早)
店員(彩さん、ありがとうございます)
店員(レギュラーコース満タン、彩嬢指名でありがとうございます、それではこちらの問診票にご記入お願いします)
虫歯―ズのテロップと音声が画面に流れる
彩嬢(いつまでまたせんだよ!早く来いよ!)
亀 (え?あ~あ~はい!)
彩嬢(のろま!)
亀 (のろまの亀なんです)
彩嬢(は?うっぜ!)
やっちんの笑い声
亀(あ~そうや、そうや、彩様、虫歯―ズ!)
虫歯―ズのテロップ
やっちん(お~でました~)
彩嬢(はあ~?意味わかんね~し!マジキモ・・早くついてきな!ご褒美やんねーよ)
亀(すいません!)
扉の開く音
彩嬢(この部屋だから・・・早く入れよ!のろま!)
亀(ありがとうございます、僕はのろまの亀です!)
彩嬢(さっきからマジ意味わかんねーんだけど?)
亀(僕名前が亀山って言うんです、それで彩様がのろまの亀、のろまの亀って言ってくれるんでドキドキして!)
亀(今わらいました?笑いましたよね?)
彩嬢(チェ!うるさい!・・・私が喋ってよしって言うまで勝手にしゃべるな!・・・)
彩嬢(歯無し返事は?)
亀(え?喋っていいんですか?)
彩嬢(お前わかってねーなー、返事は別だよ、返事は・・返事だけしとけばいいんだよ!わかった?)
亀(はい!)
やっちんの笑い声
彩嬢(とりあえず、見といてやるから、服脱いで体洗って来いよ!)
亀(見といていただけるんですか?)
彩嬢(誰が喋っていいって言った?)
亀(はい)
やっちん(こういう世界なんやね~)
彩嬢(何モジモジしてんだよ!早くパンツ脱げよ!)
亀(はい!)
彩嬢(汚ったねーなー・・何膨らませてんだよ!・・早く洗って来いよ!)
亀(はい)
彩嬢(歯も洗えよ、汚いんだから!)
扉の閉まる音
虫歯―ズのテロップと音声
扉の開く音
彩嬢(こっち来いよ)
亀(はい)
彩嬢(ちゃんと洗えたか見るから・・手、後ろで組めよ)
亀(はい)
彩嬢(お前ずっと膨らんでるじゃねーかよ、小っさいくせに大きくさせやがって)
亀(あ~あ~)
彩嬢(ちょっと触ったぐらいで声だしてんじゃねーよ!)
亀(さっきの小っさいのに、おっきくも下りから、全てが上手です。あ~あ~)
彩嬢(何歯見せてんだよ!見たくね~から、後ろ向いて壁に手つけよ)
亀(はい)
彩嬢(きったねーなー)
亀(あ~あ~凄い、指の使い方が、あ~)
虫歯―ズのテロップと音声
画面に{聞くのが堪えられないのでカット}の文字
彩嬢(足と手どっちがいいんだよ?)
亀(手でお願いします)
亀(あ~あ~あ~~)
彩嬢(まだ早い!)
亀(はい・・)
亀(あっでも、あ、あ、あああ・・あ)
やっちん(あれ?フィニッシュちゃう)
亀(あ~は~ふ~)
ティッシュをとる音が聞こえる
亀(あーすーごい!)
やっちん(イヤイヤイヤイヤ、ちゃうちゃう、は~ふ~ちゃう、虫歯―ズ!・・虫歯―ズ言わないと!何してるん!)
亀(変態紳士サイコ~)
やっちん(店の名前言うてどうすんねん!・・亀やったなこれ)
虫歯―ずのテロップと音声
車の扉が開き亀が笑顔で車に乗りこもうとする
やっちん「乗らんとって!」
亀「え?」
扉の前で止まる亀
やっちん「え?じゃねーわ!・・やったな亀」
亀「え?何が」
やっちん「何がじゃねーし、フィニッシュの時じゃなくても、最後に虫歯―ズ言えとったよな」
ニタっと笑う亀
やっちん「歯見せるな!外で立っとけ!」
驚いたふりをする亀
亀「やっちん、こわーい、もう僕、たてんす」
やっちん「うるさい!立っとって」
虫歯―ズのテロップと音声
画面には雑居ビルが映っている
やっちん「さ~気を取り直して行きましょう、続きまして後攻の和君です」
店員(いらっしゃませ、満員御礼ありがとうございます)
やっちん(満員御礼?以外に人気なんか!ちゃんこ)
店員(お客様は初場所でございますか)
和也(え、初場所?)
店員(あ、初めてご来店でございますね?)
和也(は、はい)
店(では少しだけルールの説明させていただきます。コースの方が九州場所が40分コース、大阪場所が60分コース、名古屋場所90分、東京場所120分になっています、対戦相手は、横綱が指名料3000円、次いで大関2000円、関脇1000円、小結以下は無料となっております。・・こちらが本日出勤、対戦相手となります、いかがいたしましょう?)
和也(あー名古屋場所で・・・大関の幸子関でお願いします)
やっちん「はげちゃぴん和也のくせに豪勢に行くやん」
店員(はい、ありがとうございます、名古屋場所、幸子関、お会計が16000円でございます、すぐの対戦となりますのでご準備お願いします)
和也(あっはい)
店員(それでははっきょーい残ったー)
やっちんの笑い声
やっちん「めっちゃ凝ってるやん、女の子ふんどしまいてたらうけるけど」店員(東―幸―子―幸―子)
幸子(どうもー初めましてー幸子でーす)
やっちん「そこ普通なんかい!ごっちゃんですわー」
幸子(今日はお一人で来られたんですか?)
和也(一人、イヤ三人というか・・三人みたいな感じです)
幸子(はー・・こちらになりますー、シャワー空いてるか見てくるんでくつろいどいてねー)
カーテンの開く音がする
やっちん「さー部屋に案内されましたねー」
カーテンの閉まる音がし、扉が開く音がする
幸子(シャワーあいてたんでいきましょ)
和也(はい)
幸子(脱がしますんで、はーい手上げてー・・あらあらもーこんなに膨らんでー、スケベ・・でもすごーいおっきいねー)
やっちん「大きいんかい!ちょっと嫌いになったわ!」
幸子(バスタオル巻きまーす、あーマスクも外して下さいね!)
和也(ム、ム、虫歯―)
幸子(えー虫歯?・・虫歯あるって事?・・)
和也(いやー)
幸子(気にしなくても大丈夫よ)
やっちん「微妙やけどでました、虫歯ーズ」
虫歯―ズのテロップと音声
部屋の扉が閉まる音
幸子(寝転んでー、乳首は感じる方?)
和也(はい)
チュパチュパとやらしい音がする
幸子(すっごーい、おっきくてカチカチ)
やっちん「はよ終われ!」
幸子(じゃーピーつけるね)
やっちん「えっ番有り?」
幸子(おっきいからはいるかなー・・あ~すごーい)
和也(あ~)
幸子(すごい、おっきいから奥まで・・)
やっちん「なんか二つの意味で気分悪いので絶対カットします」
虫バーズの音声とテロップ
幸子の喘ぎ声とベットの激しくきしむ音が聞こえる
和也(あーあーうーあー、ム、ム、ムム、ムー虫歯―ズ)
やっちん「でました虫歯―ズ、やっと出ました、長かった~、でも誰かさんとちがって、ちゃんと虫歯ーズいってくれてよかったです」
虫歯―ズのテロップと音声
画面には繁華街をバックに亀と和也が並んでいる
やっちん「はいそういう事で二人とも終わったんですが、どうでしたか和君」
モジモジしながら
和也「す、すごいよかった」
やっちん「女の人はどんな感じやったんですか?」
ニコニコ笑いながら
和也「す、すごい可愛かったです」
やっちん「へー、おっきいの?」
和也「う、うん、すごい大きい」
やっちん「あー大関は可愛くておっきいんですね、横綱気になりますね」
やっちん「はい、そういう事で第一回虫歯―ズ、撮影終了しました」
亀が前にでてきて
亀「ちょとちょとー、亀たんの感想はー?」
やっちん「虫歯―ズ、このメンバーでこれからやって行こうと思ってます、コメント、いいね、チャンネル登録していただいたら、励みになります、それでは二人決めポーズ行きましょー、せーのー」
二人「虫歯―ズ」
ニコッと笑い虫歯でかけた歯をみせる二人
虫歯―ズのテロップと音声
2DKリビング
タブレットの画面に亀と和也が前歯の虫歯を見せ、それを見ている仁と和也 仁は体を前後に小刻みに揺らしながら
仁「和、和」
和也はタブレットを指さし
和也「これ、僕、和也」
仁がタブレットの画面を指でスクロールする
画面には虫歯―ズの二人が映っている、下に{コンビニスイーツ全部食べるまで「歯」磨けません}と書かれている
画面がスクロールされる
{虫歯―ズが映るダイエット企画スタート}と書かれている
画面がスクロールされる、{ドッキリ10連チャン、和也VS亀、リアクションいいのはどっち対決}と書かれている
画面がスクロールされる
{関西最恐風俗嬢VS虫バーズ}と書かれている
和也が画面を指さし
和也「これが再生回数1番多い」
画面がスクロールされる、
{プチ整形でどれだけ人は変わるのか亀編}と書かれている
仁「和、和」
和也「そう、そう、整形は怖かったから植毛にしたんよね、すごい髪の毛増えたやろ」
と言い髪の毛を触り仁に見せる、タブレットを見たままの仁、和也はタブレットに目を戻す
画面がスクロールされる
{プチ整形でどれだけ人は変わるのか番外編やっちん}と書かれている
画面がスクロールされる
夜の繁華街に虫歯―ズの二人が映っている、画面の下には虫歯―ズ{ナンパ編―花園は棘だらけ}と書かれている
仁が画面をタッチする、タブレットの画面がアップされる
画面内
ズズジャン、ズズジャン、ズズジャンと音楽がなる
画面に亀と和也がうつる
二人「年がら年中朝から晩まで楽しもうイェイ」
と軽快なリズムで言っている
画面の外から声がする
やっちん「はい、そういう事で今日は事前に二人におしゃれをして来て下さいと伝えてます」
手を広げてカッコをつける亀、棒立ちの和也
やっちん「二人共、個性的ですねー、和君の方は今風といえば今風のオタク的ファッションで、やっぱりTシャツのワンポイントが大事的なファッションしてますね」
上着を広げTシャツを見せる和也
やっちん「亀はもう個性ですよね、ハットといい、懐かしの映像で見たことのある、沢田・・ジェリーかジュリーかなんかそんな感じの有名な人ポイですね」
ハットに手を当てポーズを決める亀
やっちん「一緒には歩きたくないですねー」
怒った顔をする亀
やっちん「イヤイヤ、オーラが凄すぎて一緒にはって意味ですよ」
決め顔でなげキッスをする亀
亀「センキュー、やっちん分かってんねー」
二人が映る画面
やっちん「そういう事でオシャレして来ていただいて、前の企画で和君は髪の毛フサフサになりましたし」
和也のアップ
やっちん「亀は一重から二重にプチ整形しましたし」
亀のアップ
やっちん「二人共かなり変身しましたね!」
亀「槍珍、やっちんは整形企画で下が一皮むけたしねー」
カメラを指さす亀
やっちん「うるさい!でも人間も一皮むけたら自身がつきますねー」
笑顔の和也、首をかしげる亀
亀「全然うまくない!」
カメラの横からやっちんの笑い声がする
やっちん「まー、その話は、前回までの動画をご視聴下さい、二人の事をご存じない方はぜひご覧ください」
亀と和也は画面の下を指さす
やっちん「でも、和君はホンマに変わりましたね!髪の毛増やして大正解ですよ!」
嬉しそうな顔の和也
亀「やっちん、やっちん!」
決め顔をしている亀
やっちん「そういう事で、今回、」
一歩前に出る亀
亀「やっちん!」
やっちん「わかってるって、後から亀ちゃんの変身もちゃんといじりますって!」
カメラに向かい、ハットをさわりながらかっこをつける亀
やっちん「さて!今回2人には変身したという事で、自信と勇気をつけて貰うために、ナンパをしてもらおうと思っています、題して~・・虫歯―ズ、虫歯があっても変身したらナンパできちゃうかもね~」
ノリノリで踊る亀
亀「イェイ、イェイ、イェイ~」
亀はカメラに指さし
亀「得意分野~!」
目を閉じ顔を上げる和也
やっちん「そうですよね、和君にはキツイ企画かもしれませんね~、でも和君、自信もって、今の和君は髪の毛増えたし、ダイエット企画で瘦せてるし、元々作りは悪くないから、勇気だしたら絶対大丈夫やから、勇気のない視聴者さんに勇気をあたえて欲しい」
しばらく沈黙した後、ガッツポーズをとり
和也「頑張ってみます」
隣で拍手をする亀
亀「いいね~和君、でもそんなに心配せんでも大丈夫、和君、となり見て」
横を向く和也、隣でおたけびをあげるポーズをとる亀
亀「和君、変身した亀は何になる?」
首をかしげる和也
亀「ゴジラ~!」
和也に指を差し
亀「今の俺はゴジラ~!」
激しくおたけびをあげるポーズをとる亀
やっちん「かなりいじったってわかる目元してるんですが・・」
亀はカメラの方を向き
亀「なんて?今失礼なこと言った?」
やっちん「イヤイヤ」
亀「破壊しちゃうよ!わかる?」
ニコニコしながらカメラの近くに寄ってくる和也
小声で
和也「ガメラの事?」
やっちん「ホンマや和君!全然気づかんかった!」
もとの位置までもどる和也
亀「なんか文句言ったんじゃない!和君!ゴジラが繁華街破壊する前にあやまっときや!」
やっちん「和君、ほっとこ!相変わらずポジティブで素敵ですねー」
亀「ありがと」
隣でニコニコしている和也
やっちん「じゃ~そろそろ街を破壊される前に行っときますか!それでは行きましょ~、二人で、せーの」
二人「虫歯ーズ」
虫歯ーズの音声とテロップ
繁華街
多くの人が行きかう様子が映されているカメラには前を歩く和也と亀が映っている
やっちん「はい、そういう事で、今回もポジティブマンとの絡みが長かったので、かなり編集してるとおもいますが、2人にはワイヤレスボイスレコーダーとカメラを持ってもらって、早速ナンパをしてもらってます」
カメラに二人の後ろ姿が映る、二人の横を通り過ぎる1人の女性に亀が話しかける
亀(ヒュー、君―キャワイネー)
無視され通り過ぎる
亀(60点のくせに)
亀を見る和也
二人の横を通り過ぎる3人組の女性、亀は通り過ぎる女性を目で追い
亀(ん~、70,60、65)
二人の後ろ姿が映る、通り過ぎる1人の女性に近づく亀
亀(すいませーん、キャワイーすぎて、すっごいタイプなんですけどー)
無言で歩いていく女性
亀(90点に見えたけど、55点やから気にしない)
二人の後ろ姿が映る、何かを触っている亀
和也(亀ちゃん、さっきから何さわってるの?)
亀(お守り)
首をかしげる和也
和也(ラッキーアイテムみたいなやつ?)
和也に何かを見せる亀
和也(え?)
亀(絶対大丈夫)
二人の後ろ姿が映る、通り過ぎる女性の集団
亀(無理、無理、無理、無理、無理、無理、オール65)
やっちん「点数高!」
女性2人に近寄る亀
亀(2人共、キャワイネー)
首をかしげて過ぎ去る2人の女性を追いかける亀
亀(今から飲み放題しよー)
女性(結構です)
カメラの方に近づいてくる女性二人、横を通りすぎる女性
女性1「さっきの人、絶対いじってるよな!」
女性2「やっぱり、そうやんな!私も思った~」
前を歩く亀は和也に近づき
亀(今のは惜しかった~!)
と言い和也の肩を抱く亀
カメラがどんどんと2人に近づく
やっちん「タイムタイムタイム」
立ち止まり振り返る二人、カメラには2人がうつる
やっちん「ごめん、やっぱりナンパは難しかもわからんね?」
亀「いやいやいやいや、これからでしょ!」
やっちん「亀ナンパ成功したことあんの?」
亀「失礼な、何回もあるけど」
和也「えー」
和也の方を見る亀
やっちん「夢の中で?」
亀「え?この世界で!現実の花園で愛を叫んでるけど!なんかとげがある」
やっちん「あんな感じで?」
亀「んーだいたいあんな感じでやけど、今日は全然本気出してないかな」
やっちん「やろうね」
爆笑する和也、握り締めた手を胸に当てる亀
亀「だって今日は先勝の日じゃなくて先負の日やから、愛を叫ぶのは、まだ早い!」
カメラは亀を映す
やっちん「亀さっきから、ずっと何にぎり締めてるん?」
驚いた顔をする亀
亀「お守り」
やっちん「あーなんかさっき言ってたラッキーアイテム?」
亀は手を開き、恋愛成就と書かれたお守りを見せる
やっちん「こわ!ホンマのお守りやん!神頼み?」
びっくりした顔をする亀
亀「うん!お守りやで」
カメラは和也と亀を映している、わらっている和也
和也「ゴジラじゃなく亀は亀のままやね」
亀「まだね!今日は先負の日やから!でもそろそろ変身しちゃうよ~!」
やっちん「いやいや、そういう意味じゃなくて!小心者というか真面目というか・・」
カメラに近づく亀
亀「カメラの前で真面目はやめて!バチ当たるで!真剣なだけやから!特に愛に関しては!今からが勝負!今日は先負の日」
和也の方を向く亀
亀「和君、そろそろ本気ック出すから、まかせなさい!」
やっちん「まだやるってゆう事?」
亀「当たり前―」
やっちん「じゃーもうちょっとだけやる?大丈夫和君?」
うなずく和也
やっちん「じゃーあともう少しだけがんばってみましょう!」
二人からカメラが離れていく、亀はカメラに向かって叫ぶ
亀「僕は成功するまで、帰らない!」
前を歩く2人
和也(亀ちゃん、初めから午後やから先負おわってるよ)
画面には繁華街の映像がうつり、2時間後のテロップと虫歯―ズの音声が流れる
繁華街の脇道、携帯を見つめる、茶髪の一人の女性に近づく2人
亀(すいませーん)
2人の方を向く女性
亀(今日一番きれいです)
女性A(え?)
亀(いや・・いや・・・)
しばらく沈黙が続く
亀(99%無理)
と言い立ち去ろうとする亀、女性に近づく和也
和也(あのー、、、ふ、2人で~食事しようと・・思ってたんですけど、ふ、2人じや寂しいなーと思いまして、もしよかったら・・・ご一緒にどうですか?)
女性A(・・お二人ですか?)
亀(あっはい、はい)
カメラの外からやっちんの声が入る
やっちん「亀、勢いなくなってるし」
女性A(もー友達がお店入ってて~)
亀(ですよねー)
女性から離れようとする2人
女性A(あっ、でも~私たちも女の子だけで、寂しいなって話しててー、もしよかったら一緒にきます?)
女性に近づく亀
亀(いきます)
笑顔の笑い声
女性A(じゃあちょっと友達に電話かけて確認取りますね~)
亀(は、はい)
二人から離れて電話をかける女性
亀(お願い、お願い)
和也(無理やろね~)
女性を見守る2人
女性は電話を切り二人に近づいてくる
女性A(オッケーでーす)
顔を見合わせる亀と和也
亀は後ろを向きガッツポーズをとる
和也(い、いいんですか?)
女性A(全然いいんですけどー、私たちあんまりお金もってないんでー、二人増えたら)
亀(出します、出します、出したいんです、色んな意味で)
笑う女性
亀(和君出したいよな?出すよな!)
うなずく和也
やっちん(亀、調子乗ってきましたね~、暴走モードに入らなかったらいいんですが、以外にあっさりいけるもんなんですね~、タイミングって大事~)
亀(和君、あれ、例のポーズ)
と言いマスクに手を当てる
亀(せーの!虫歯―ズ!)
マスクを外し女性の方に顔を向ける亀、遅れて同じ動作をする和也
女性A(えっ何?)
女性はしかめ面になる
女性A(流行ってんの?)
沈黙が現場を支配する
女性A(とりあえず、お店近くなんでいきましょか)
と言い三人は歩き出す
亀は右手を上げカメラにアーピールする
やっちん「えー歯見せても行けるん・・奇跡が目の前で起きてます!しかもめっちゃ可愛い子やしスタイルもいいし、奇跡」
三人は繁華街の脇道を奥へと進み歩く
女性の声が聞こえてくる
女性(このビルの上で~す)
和也の腕を胸に押し当てるように取りビルの中に入っていく
雑居ビルの映像(音声が聞こえてくる)
亀(和君だけ腕組んでもらっていいなー)
女性A(和君っていうんや、へー和君と?)
亀(亀造です、自家はすっぽを養殖してます、次男ですがお金に困ったことありません、亀と呼ばれてます)
チーン(エレベーターの扉がひらく音)
女性A(和君に亀ちゃん、チカでーす、よろしくー)
亀(チカちゃんかー)
チカ(ここでーす)
音楽が聞こえてくる
画面には店内のイラストと音声に合わせ会話のテロップが映る
男性(いらっしゃいませー)
チカ(あそこ、あそこ)
チカ(おまたせー)
マコ(お帰りなり)
ミキ(この人達?はじめましてーミキでーす)
亀(はじめまして、亀といいます)
チカ(この人が亀ちゃんで、こっちの人が和君でーす)
マコ(2人ともかわいいなりー)
ミキ(待ってたよ、早く乾杯しよー)
チカ(ごめん、乾杯しよー)
チカ(亀ちゃん何飲む)
亀(君の瞳にレッドアイで)
チカ(え?レッドアイね)
マコ(和君は?)
和也(カルアミルクで)
マコ(了解なり)
ミキ(マコ、私はいつもので)
チカ(私も)
マコ(了解なり、すいませーん)
店員(はい)
マコ(ウーロンハイ3とレッドアイとカルアでお願いしま~す)
チカ(みんなー聞いて、なんと今日は2人がおごってくれるらしいでーす)マコ(えーサイコーなりー)
ミキ(かっこいいー)
チカ(2人ともいい男やろー)
マコ(うん、2人ともサイコー、いけてるなり)
ミキ(今日は2人のおかげで楽しくなりそー)
マコ(2人はお仕事何されてるんですか?)
亀(一応、今は会社員で、実家のあと次ぐために組織の勉強してるところかな)
ミキ(すごーい、かっこいいー)
チカ(すごーい、色々な事考えて生きてるんやね、私なんてなんも考えんと生きてるわ!)
ミキ(そうそう、私もー、とりあえず楽しく今を生きるみたいな・・・)
亀(イヤイヤ、亀チンもそんなに考えていきてないよ~、ちみと同じで今を生きるタイプ)
ミキ(うれしー、亀チンとすごい合うかも~、今日はたのしも~)
マコ(みんなー飲み物来たなりー)
チカ(じゃーみんなグラスもって乾杯しよー・・・ここは男性代表でお願いします)
亀(それでは、代表いたしまして、今日と言う日の、この出会い、このひと時を思いっきり楽しみ、愛の花を咲かしましょう!ではカンパーイ)
全員(カンパーイ)
亀(イエーイ)
音楽が流れている
チカ(あー喉乾いてたから美味しー、マスターお代わり)
マコ(私もー)
ミキ(じゃー私も)
チカ(亀チンも同じのお代わり?)
亀(えっ、じゃー同じので)
マコ(和君は?)
和也(まだあるんで、まだいいです)
マコ(和君はあんまり強くないの?)
和也(すぐ顔が赤くなるから)
マコ(かわいいー、和君が顔赤くなるの見てみたいなり)
マコ(今日ね、マコちょっとお仕事だからクラロリみたくなってるけど、いつもは甘ロリが好きなりよ)
和也(・・・似合ってます)
ミキ(マコちゃん、洋服は置いといて、和也君みたいな人がタイプじゃないの?)
マコ(あ!うん、タイプ系~)
ミキ(あっ!みんなお代わりきたよ!)
亀(早!)
チカ(じゃー今度は女性陣代表としましてー、今日はお客さんいないので、貸し切りで楽しまくりましょ~、今日の出会いにカンパーイ)
全員(カンパーイ)
音楽がながれる
ミキ(亀チンすごーい、お酒強いの?)
亀(亀チンはなんでも強いでーす、特にー)
ミキ(じゃーのもー)
ミキ(同じの3とレッドアイで)
チカ(亀チン飲んでばっかりやったら酔っぱらってしまうからなんか食べたい~)
亀(酔っぱらっちゃっていいんだよー)
チカ(もー亀チンなんかやらしー)
亀(亀ちんちん乗ってきたよー)
マコ(イエーイ、カンパーイなりー)
亀(カンパーイ、ちみも一気にのみほしちゃうかもよー)
チカ(適当に頼んどくね)
ミキ(カルアミルクも1で)
チカ(了解)
亀(こんなノリのいい子たち初めてで、すっごい楽しい)
チカ(だって亀ちゃん、お酒強いし、面白いし、タイプかも、イエーイ)
亀(イエーイ、イエーイ、イエーイ)
チカ(亀チン、さっきやってたやつみんなにやってあげてよー)
亀(さっきやってたやつって?)
チカ(ニッタって笑ってたやつ)
亀(あー虫歯―ズね)
マコ(何それー)
亀(いくなりー、シャキーン、虫歯―ズ)
音楽だけが流れる
マコ(あんまり歯がないっよって事なり?)
音楽だけがきこえる
ミキ(和君って何歳なんですか?)
和也(もうすぐ27歳です)
ミキ(へー)
チカ(お酒きたから男性陣さっきの虫歯―の責任一気―)
マコ・ミキ(イエーイ)
音楽だけが流れる
チカ(すごーい、2人ともかっこいいー)
ミキ(お代わり)
マコ(食べ物きたなり)
亀(あれー元気なはずやのになんか眠たくなってきたー、イヤイヤ気合だ!気合いだ!)
チカ(亀チンおいで肩つかっていいよ)
音楽が流れている
やっちん「あれ、亀どうしたんでしょうか、亀にしては2,3杯で酔っ払うのは珍しいですね、もしかしたらめっちゃ緊張してたんかもしれませんね!」
虫歯―ズのテロップと音声 10分後の文字
やっちん「亀の声が聞こえなくなって、寝てしまってるかもわからないんで、そろそろ二人に連絡を入れたいと思います」
マコ(ケーキ3個くださーい)
ミキ(和君どこ行くの)
和也(電話かかってきてるんで)
ミキ(駄目、和君ここおって、さっきみたいにミキの肩で寝てて)
和也(いや、でも、ちょっとなんか僕も今日はすごく疲れてるみたいで、めまいが)
ミキ(和君と一緒におりたいの、ちょっとだけでいいから)
やっちん(和君―電話出てよ)
音楽が流れている
画面にやっちんがうつる
やっちん「はい、そう言うわけで、今日は二人共、かなり疲れているみたいなので、今から僕も合流して、女の子たちに企画などを説明し、連絡先などを聞いて、愛の花園を広げていきたいと思います!それでは、レッツゴー」
―とここまでは思っていたのだがーのテロップ
音楽が流れている・・
音楽だけが聞こえる・・
音楽が聞こえなくなる・・
画面には店内のイラストと音声に合わせ会話のテロップが映る
チカ(亀君、和也君)
マコ(おーい、大丈夫)
チカ(お~い・・マジキモコンビー)
ミキ(大丈夫みたいやね)
チカ(吉田さん、OKみたい)
ミキ(あーマジキモ、なにあの虫歯なんたらってきもち悪)
マコ(ホンマにきもい、バカすぎ)
チカ(あーきもかったから、押しに癒してもらおー)
マコ(賛成ー)
やっちん「えっちょっとまって、どういう事」
画面にエレベータがうつる、音声が聞こえている
やっちん「えっ?どういう事」
チカ(吉田さん、後お願いしまーす)
吉田(OKお疲れ様、そっちの肌荒れ、調子のっとたからしっかり貰っとくわ)
マコ(お願いしまーす)
ミキ(マコちゃん、いきなり、語尾に、なりとかつけだすから笑いそうになったやんかー)
チカ(一瞬仕事やからとかって言いだすしビックリするわ!)
三人の笑い声が聞こえる
チカ(じゃー今日は私、帰りまーす)
吉田(ハイハイ、ごくろーさん)
ミキ(今日はこの虫ばい菌ヤローのおかげで一番おいしい日やったな)
チカ(自分らからくるパターンね)
店内のイラスト画面から、ビルのエレベーターが映る画面に変わる、階数表示が上の階に移動している
やっちんの声「え?気持ち悪いって言ってた?」
エレベーターの表示が5でとまる
やっちんの声「何これ、女の子がお願いしますとか上がるって、女の子と店が知り合いって事?え?ちょっと待って・・・」
エレベーターの表示が下に動き1で止まる、扉が開き3人の女性がカメラの横を通り過ぎる、顔にはボカシがかかっているが2人はカメラの方を見ている、3人の姿は繁華街に消えていく、ブレた画面から声が流れる
男の声(吉田さん、なんぼぐらいにしときます?)
男の声(片手ですか、2人ですもんね、了解です)
ビルのエレベータが画面に映る
やっちん「もしもし、友達がボッタくりされそうなんですけど、はい、はい、・・いや、まだされてはないんですけど・・・いやでも確実におかしいんですよ・・はい、はい、いやされてからじゃ意味ないでしょ!・・ハイ・・じゃどうしたらいいんですか?・・・被害届出すって・・・今、目の前で起こってるんですよ、・・・いや、まーそーですけど・・はい、もうわかりました、はい、はいわかりました、もういいです、はい、はい・・・」やっちん「やられてからやったら遅いやろ!」
エレベーターの扉が開き中に入る、扉が閉まる、音声が聞こえる
男の声(おい、いつまで寝てんのー!上客さん!)
和也(あー頭痛い)
男の声(おーい起きて~)
亀(あー眠たい、眠たーい、胸でもっと寝るー)
男の声(閉店なんで起きてもらえまっか)
男の声(まーえーわ、おい、こいつ起こしとって)
男の声(お客さんお会計よろしいですか?)
和也(あーお会計、・・お願いします)
和也(女の人達は・・)
男の声(先に帰られましたよ)
画面はエレベーターの扉が開いている
男の声(こちらお会計になります)
和也(5万5千円・・あー結構、ハー)
画面には通路が映り扉が2つ映っている
男の声(お客さん違いますよー、ちゃんと見てもらえますか)
和也(5万、一十百千万、え、十万・・一十百千万十万、50万、えっ50万円ですか?)
男の声(いや、55万ですね)
画面に廊下が映り扉が映っている、
やっちん「・・・もしもし、和君」
和也(やっちん、来てほしい)
やっちん「もう近くにおる」
男の声(電話する前にお会計がさきやから電話切ってもらえまっか)
やっちん「和君、5階のどこ?」
和也(上にあがって左の・・・)
男性(もう電話貸してもらえますか)
和也(やめてください)
画面は 廊下の左側の扉に近づく
扉が開くと店内に男性5人がうつる
男性「今ちょっと貸し切り中ですわ」
和也「やっちん!」
画面は男達に近づく、ソファアにもたれてうつむいている亀
男性「なんや知り合いか」
やっちん「亀!」
画面に近づいてくる男性
男性「何しに来てん」
やっちん「2人迎えに来たんですけど」
男性「はー」
やっちん「和君帰ろ」
男性「ちょっとお金払ってもらわないと困るんですけど」
やっちん「いくらですか?」
和也の方を見る男性たち
和也「55万円」
やっちん「はー・・ボッタくりやないですか」
男性「イヤイヤ、失礼な事言うな、一軒の店貸し切って女の子とこんだけ、どんちゃん騒ぎしたら、当たり前の値段でしょ!」
やっちん「いや、高すぎですよ、店入って二時間もたってないでしょ、しかもこんな短時間で2人も酔いつぶれて寝てもうて、女の子はフツーに帰ってるってし、おかしいでしょ!」
男性「何を意味わからん事、ばっかり言い出してんねん!あのね時間は関係ないのよ、女の子から、今日は貸し切りって聞いてましたし、しっかり聞こえましたけど、今日は男性のおごりって言ってましたよ、そこで寝てる子もノリノリでおごりますって言ってましたしね」
やっちん「いや、絶対おかしいわ・・・2人が40、50分ぐらいで寝てまうなんて・・・・なんか入ってるんちゃいますか、睡眠薬とかなんか」
男性「何を意味わからん事ゆってんねん」
奥に映っている男性がテーブルを片付けだす
男性「もうええ加減にしとけよ!金払いたくないからっていちゃもんつけてくんな」
やっちん「ちょっと片付けるのんやめてください、警察呼びますから」
カメラがテーブルに近づく
やっちん「ちょっと片付けんの止めてくださいって」
男性「イタイ、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ」
男性「オイ、何暴力振るってんねん」
やっちん「片付けるのん止めただけですやん」
男性「おい、お前さっきから、ええ加減にせーよコラ!」
カメラからの景色が体で見えなくなる
男性「警察でもなんで呼べや!こっちから呼んだるわ!無銭飲食と傷害やぞ!」
やっちん「苦しい、離して・・」
男性「おいコラ!さっきからなめんなよ!」
和也「ちょっともーやめてあげてください、もーお金払いますから!」
男性 「当たり前じゃ!そんだけじゃすまんぞコラ!」
やっちん「和君・・」
和也「やっちん、もーお金払って帰ろ」
男性「だからお金払うの当たり前やろ」
和也「お金、おろしてきたいんですけど、40万ぐらいたりないんでおろせる所ってありますか」
男性「カードで払えますよ」
やっちん「和君、カードもってないやろ、現金で払おう」
和也「う、うん、現金で払います」
男性「近くのセブンやったらいけるわ、おい、ついて行ってこい」
やっちん「和君、全員の責任やから、後から3人で割ろ」
男性「最初から言いがかりつけんとちゃんとお金さえ払ってくれてたら、それでよかったんよ、君らね、街で一軒店貸し切って女の前でカッコつけて、豪遊したらそれくらいかかるんよ」
画面が亀に近づく、寝ている亀を揺する
やっちん「亀―しっかりして!」
亀「もうちょっとだけちみの胸で寝かして」
やっちん「亀かえるで」
といい机の上のおしぼりに氷水たらし、亀の顔に押し付ける
亀「冷たい、冷たい、あー」
ソファーから立ち上がる亀
やっちん「しっかりせーや」
亀「えーやっちん?」
周りを見渡す亀
亀「あれ、女の子は?・・頭いったー」
周りを見渡す亀
亀「そーゆうーことかー・・ごめんやっちん、和君一人にしてもうたかー・・・俺がおらんかったら無理に決まってるよなー」
虫歯―ズの音声とテロップ
警察署の前で画面に映る亀と和也
やっちん「そうゆうわけで、先ほどのやり取りの音声を警察署で警察に聞いてもらったんですが、お店を貸し切ってる、お金を出すといってますし、怪しいところはありますが、女の子は金銭的な事は何も言ってないんで、被害届とかも難しいという事で・・・とりあえずお店の情報だけはいただいときますが、怪しいだけでは警察は動けないとのことでした・・」
両手を合わせ謝る亀
亀「みなさん本当に御免なさい、僕が疲れていてねてもうたばっかりに、みなさんにめっちゃ、きゃわいい彼女を見せる事ができなくなりました、本当にすいません」
口を開けて亀を見ている和也
やっちん「イヤイヤ55万!」
亀「結構高級な店にはいっちゃたね~」
やっちん「だから、俺ずっと聞いてたから、絶対店と女の子グルやから、絶対ボッタくりバーやったから」
首をかしげる亀、それを見て笑う和也
やっちん「和君もー怒ってよ、55万やで」
笑っている和也
和也「今日は勉強になったとおもっとこ、みんなケガもしてないし」
やっちん「あーまたこのパターンか、どんだけポジやねん・・まーもー二人並んでこっち向いて」
2人並んでカメラを向く
やっちん「そうゆうわけで、この動画を見ていただいて皆さんがどう思われるか様々ですが、虫歯―ズから皆さんに言える事は、よくしらない女の子の知ってる店には絶対に行かないでください、今回はこれだけで済んだ事を幸せなぐらいだと思って視聴してください、それでは亀よろしく」
亀「和君せーの」
2人「年がら年中朝から晩まで楽しもうイエイ!虫歯―ズ」
画面は顔に近づき虫歯のアップ
虫歯―ズのテロップと音声
画面が引きタブレットが映る
部屋の中、和也と仁が並びタブレットを見ている
和也「これホンマに怖かったんよ、いい経験になったけど」
和也は台所のほうを向き
和也「母さん、ナンパの奴みた?」
母「えーあー、一回見たよ」
和也「実はやっちんこの後、悔し過ぎて号泣してたんよ!」
台所で料理をしている母
母「そうなんやー、やっちんさんらしいねー」
料理をテーブルに置く母
母「やっちんさん大丈夫かな」
和也「連絡取られへんから心配やけどね」
母「自衛団なんて危ないのに」
和也「やっちんらしいけどね、自ら自衛団に行くところが」
母「和君、卵焼きとカップラーメンやけどカップラーメンのお湯入れて大丈夫」
ソファーから立ち上がりテーブルに行く和也
和也「うん自分で入れるわ」
テーブルに向かい床にある段ボールからカップラーメンを一つ選ぶ和也
和也「やっちんのおかげで、今の僕があるからね」
といいカップラーメンを開けポットからおゆを入れる和也
母「そうやね、和君にもやけど、やっちんさんにはほんま感謝しかないわ」 椅子にかかっているタオルで手を拭きソファーに向かい歩く母
母「仁君、好きな卵焼きできたよー」
光が部屋に差し込むと、地響きと同時にドーンという爆音がする
母「キャー」
といい仁をかばうように抱きしめる母
仁「あーあーあー」
母は仁の背中をさすり
母「大丈夫、大丈夫、落ち着いて、落ち着いて」
和也「すごい近くまできてもうてるわ」
台所に行き窓のカーテンをめくる和君
母「荷物もって避難した方がえーねー」
和也「そうやね、結構やばいと思う」
母「仁君、ちょっとお外に遊びに行こうか」
首を振り体をゆすりながら
仁「いいーいや、イヤ、イヤ」
母「外に行って、仁の好きなケーキ食べにいこー」
体を大きく振り
仁「あー、いい、いい」
母の腕をたたく仁
母「ハイハイ、わかった、わかった、落ち着いて、落ち着いて」
と言い仁の背中をさする母、タブレットを見る仁
タブレットの中には和也一人が映っている、下のタイトルは和也母親と再会編と書かれている
母「これ又見るんやねー、ルーティーンの一つになってもうたね」
仁「和、ママ」
母は和也の方を向き首を振る、和也はうなずき
和也「ちょっと落ち着くまでやね」
母「ごめんね」
和也「大丈夫、大丈夫、避難する準備しとくから」
ドンという音がし、カーテン越しに光が差し込む、明かりに照らされた仁の指がタブレットをクリックする 画面がアップされる
画面内
和也が一人映る画面の外から亀の声がする
亀「はい、年がら年中朝から晩まで楽しもう、イエーイ亀でーす」
亀の顔が端から出てくる
やっちん「邪魔、今日はあなたは主役じゃない、和君の企画」
亀「じぇじぇ」
やっちん「古、もー亀やめてまた長くなる」
亀は口元でバッテンを作る
やっちん「というわけで和君には内緒にしていたんですけど、今日の企画はですね前々から和君が言っていた事なんですけど・・・何となくわかります」
首をひねりながら
和也「えー」
やっちん「ヒント、もしかしたら僕のただのおせっかいになるかもわからない」
和也は上を見て
和也「えーなんやろー、おせっかい・・」
やっちん「おせっかい、再開」
和也「おせっかい、再開」
亀「おせっかい、再開、再開、再開」
和也は両手で口をふさぎ
和也「えー、えー」
亀の笑い声が聞こえる
やっちん「もー亀―、わかったみたいですね」
和也「えーホンマに、えー」
やっちん「わかったみたいなのでー、そう本日は」
亀「和君、母親と再会編―イエーイ」
やっちん「もー亀ゆーなや、ここ俺が言う大事な所やん」
カメラの横をボーとみる和也
亀「じゃーもう一回俺で全部やり直しますか」
やっちん「違う、違う、俺でじゃない、俺」
亀「違う違う俺じゃ俺じゃなーい」
やっちん「脇役黙れ!ほらー和君全然笑ってくれてないし、微妙な感じになってる」
和也はカメラの方を向き
和也「えー嘘?ドッキリ的なやつ?」
やっちん「イヤイヤ、ホンマです、本日は和君母親と再会編を撮りたいとおもってます」
和也「えーホンマに」
やっちん「でも、すごくプライベートな事になりますし、実際連絡はとれてるんですが、今日来てくれるかは現場に行かないとわからない感じなんですよ、それでも和君が会いにいくって言うなら行ってみようと思ってるんですけど、どうします?」
モジモジする和也
亀「和君、行くっきゃナイチンゲーでしょ」
カメラの横に視線を向けうなずく和也
和也「頑張ってみる」
やっちん「おー以外に亀のかるい感じが活躍した」
亀はカメラから顔を出しVサインをだす
やっちん「了解しました、じゃ決定という事で」
やっちん「では、いつものでスタートしましょう、和君母親と再会編、せーの」
画面の横から亀の顔がでてくる
和也「虫歯―ズ」
亀「虫歯―ズ」
口元のアップ(虫歯―ズのテロップと音声)
繁華街夕方
お店をバックに和也と亀が映っている
亀「そういうわけで到着しました、和君遠かったですねー」
和也「うん」
やっちん「でた、運転もせんとイビキかいてずーと寝とったくせに」
亀「やっちゃんごめーんね」
やっちん「やっぱむかつく」
ちょけた顔をする亀
亀「おこな顔もかわいい、やっちんは置いといて、和君、この後ろの個室フレンチでお母さんと待ち合わせをしてるんですが、今のお気持ちは」
和也「・・・」
亀「ですよね、これがほんとの言葉にならないってやつですね、うまい俺」 一点を見つめる和也
亀「ちなみに20年以上は会ってないんですよね」
一点を見つめている和也
和也「・・・」
亀「和りん、おーい和君」
和也「えっ」
亀「えーとお母さんといつぶりですか」
考える和也
和也「いつぶり・・ホンマにちっちゃいころやったから・・顔は何となくしか覚えてない・・憶えてるのは座って僕の事・・抱きしめて、ごめんやったか~、なんかそんな感じの事、言ってたような思いでかな」
和也の方を見ている亀
亀「・・・」
和也「・・・」
しばらく沈黙
やっちん「おーい亀」
涙目で和也の方を見ている亀
やっちん「亀ー進めてよー」
画面の方を向く亀
亀「・・・」
やっちん「とりあえず、今の所お母さんから返信の連絡がないんで、どうなるかはわかりませんが、撮影許可とってる予約席がありますんで、そこで和君に待っといてもらうっていうやり方で進めていきたいと思います」 深呼吸する和也
やっちん「ではスタート」
一人お店に入っていく和也
虫歯―ズの音声とテロップ
店内に設置されたカメラに和也が座っている姿がうつる、落ち着きがない和也
画面は車内の映像に切り替わり亀とやっちんが映る
やっちん「僕たち二人は車内から見ていきます」
亀「和君のマミー来てくれるかねー」
30分後のテロップ
店内
店員「いらしゃいませー」
店員に連れられ1人の女性がやってくる
店員「こちらのお席になります」
女性をちらっと見て下を向きソワソワする和也
車内の二人
やっちん「来た来た来た来た来た、きてくれた!」
亀「奇跡の女神」
店内映像
女性は軽くお辞儀をして和也の前に座る
・・・沈黙が続く
店員がやってくる
店員「失礼します、本日はご来店ありがとございます、ただいまよりコースの方スタートさせていただきますがお飲み物はお決まりでしょうか」
女性「生で」
和也「ぼ、僕も生で」
店員「生ビールおふたつで」
店員はその場を離れる
チラチラと女性の方をみる和也、一点を見つめる女性
沈黙が続く
店員「お待たせしました生ビール二つとコースの前菜になります」
女性は置かれたビールをとり一気に飲み干す
女性「同じので」
店員「は、はい」
店員は立ち去る
和也は置かれたビールを一口飲む
二人はお互いにチラチラと相手を見る
沈黙が続く
女性は下唇を噛み締めている
店員が近づいてくる
店員「追加の生ビールです」
女性はグラスを持ち半分ほど飲む
チラチラと女性を見る和也、女性はため息を吐き
女性「何?何もないなら帰るよ」
和也はチラッと女性の方を見て
和也「いや・・あのー・・」
和也はキョロキョロとテーブルをみる
女性はグラスを持ちビールを飲みほすと、テーブルの呼び出しを押す、そして腕を組み背もたれにもたれ、ため息を吐く
女性「どうしてほしいのかな?誤ってほしいの?何かしゃべってくれないとキツイけど」
和也はソワソワしながら
和也「いや、あの、会いたいなと・・」
店員がくる
女性「ビール一つとワインの赤で」
店員「ワインの種類なんですけども」
テーブルのメニューを指さし
女性「これでいいです」
店員「ビールお一つと赤のデカンタお一つで」
お辞儀をして店員が去っていく
二人とも目を合わそうとせず、二人の沈黙は続く
画面は車内の映像に切り替わり亀とやっちんが映る
やっちん「店員のくるタイミング悪かったすねー」
亀「ホンマに空気読まれへん子ばっかりよなー」
ビックリした顔で亀の方を見るやっちん
亀「何か?」
亀「あー亀みたいに空気を飲み込むぐらいにならないといけないって言いたいんですね」
やっちん「やっぱ亀すごいな、てか行った方がええかな?
首をかしげる亀
亀「僕チン行ってこようか」
やっちん「イヤ、行くんやったら確実に俺が行く」
店内の映像
女性はお箸で前菜を食べる、その姿を見る和也
女性は前菜を食べ終わると和也をみて
女性「で?」
和也は下を向きビールを一口飲む
和也「会ってみたかった・・・」
女性の顔を見る和也、目をそらし女性は下唇を噛み背もたれにもたれる
沈黙する二人
女性はうでを組み
女性「で?何」
店員がやってくる
店員「お飲み物とコースの料理になります」
社内映像
やっちん「タイミング、頑張ってるところ」
亀「またまたお待たせさせやがって、キャワイねー」
店内映像
店員がテーブルに置いていく、それを見ている二人店員が離れていく、女性は置かれたグラスを持ちビールを飲む、食事を食べ、ワインをグラスにつぐ女性
沈黙が続く二人
女性はグラスのワインを飲み干し、ため息をついて
女性「どうしたらいいのか考えてるけど、私もわからないの、捨てたほうやから」
女性を見る和也
沈黙する二人
女性「で、さっきから何、モジモジモジモジ、黙ったままで」
和也を見る女性
女性「モジモジモジモジあんたのお父さんにそっくりやね、自分の意見も言われへん」
女性はグラスにワインをつぎ飲む
女性「私が悪かったです、私が全部悪いんやね、ごめんね、ごめんなさい、・・これでいいのかな、これで納得しましたか」
和也「いや、そんなんじゃ・・」
女性「会いたかったって?私は会いたくなかったよ、私の気持ちわかる?わからんでしょ 」
うつむく和也
女性「そうやって下向いてカメラでとって面白おかしく、悪い母親っていう事、それでお金を稼ぐって事」
和也「違います、そんなんじゃないです」
女性「別にいいけどね、私も会いたくなかったけど、たくさんお金もらえるって聞いたから来ただけやから、顔もモザイクかけてくれてお金さえもらえればそれでいいんで」
和也は涙目で女性を見て
和也「そんなんじゃないですただ・・」
車内
やっちんは立ち上がり
やっちん「あかんもう行ってくるわ」
店内
女性「私の気持ちなんてわからなくてもいいけど、自分、自分、自分、自分が会いたいからあいても会ってくれるとでも思ってるんですか?お兄さんも会いたいと思ってると思ってるんですか?」
和也「お兄さん?」
女性は少し戸惑った表情をする
車内
立ち上がったやっちんの腕をとめる亀
店内
女性「そんなんも知らんかったんでしょ、お兄さんもお金さえくれたら会うかもね、私もお金くれるって言われたから仕方なく、きただけですから、今更あなたに会いたいとかそんな気持ち、昔に捨ててありませんから」
うつむき一点を見つめる和也
女性「もー終わりで良いかな?」
カメラに視線をやる女性
女性「もーしんどいし、きついんで約束のお金欲しいんですけど」
和也は涙目で立ち上がり、ポケットから財布を出し札束を机に置く
和也「これもどうぞ、ごめんなさい・・ただ会いたかっただけでした」
といいテーブルから離れていく
車内の映像
亀「あーあー和君出ていった」
やっちん「ウワーホンマに申し訳ない事したー」
亀は慌てて車から降りる
やっちん「亀、和君お願い」
亀「了解」
店内映像
女性は置かれた札束を見つめている
虫歯―ズの音声とテロップ
車内の映像
誰も映っていない映像から音声が聞こえる
亀(和君、和君まって・・)
和也「・・どうしたらいいか、もうわからん」
亀(確かにすごいアッパーキャットやったからね・・)
かすかに鼻をすする音が聞こえる
亀(和君、アッパーくらったんやから空見てみて、ほら)
亀(なーんも和君の気持ち考えんと、ただただ輝いてる星がいっぱい、俺らにしてみれば一瞬の出来事みたいに)
亀(・・・和君なんでにらむん?めっちゃファンタジーな事言ったのに!和君ごめりん!言いたかったのはあいつら一人やけど俺らは三人やでって事)和也のため息が聞こえる
和也(・・・あんまり、言ってる事わからんけど、亀っぽいなー)
亀(もー和くーん、亀のファンタジーについてきてよ!こういう時は飲みまくるぞ!おー・・ほら和君、おー)
店内映像
一点を見つめる女性の前にやっちんがくる
やっちん「あーお金ですよね、ちゃんと用意してますから安心してください」
ポーチから封筒を取り出し無造作に女の前に置く
やっちん「ちゃんと入ってるか見てくださいよ、お金好きみたいやし」
女性は一点を見つめている
やっちん「あー和君が置いていったお金もどうぞ」
散らばったお金をまとめ封筒の上に置く
やっちんはカメラに近づき配線を触りだす
女性「何がわかるんよ・・」
やっちんはチラッと女性の方を見る、一点を見つめている女性
女性「お金が好きみたい、何がわかるの、子供も育てたことないあんたに、私の何がわかるの」
やっちんはカメラを触りながらじょせいの方をちらっと見る、少し揺れる画面にうつるやっちんと一点を見つめる女性
女性「お金は暮らしていけるだけあったらいい・・暮らしていかれないからずっと必要なんよ、お金がすべてじゃない、そんな平和ボケしてた頃に戻りたい」
女性の方を見るやっちん、女性はワインをグラスにつぎ飲む、その姿を見るやっちん
女性「好きでもない男に抱かれながら、子供を育てるために・・お金稼いで、後ろめたいきもちで道あるいてるのに」
女性はうつむき
女性「おなか痛めて産んだ子供に白い目で見られて・・・私だって笑顔で抱きしめてあげたっかた・・・」
声をだしなみだする女性
やっちんは黙ったまま女性を見つめている
やっちん「・・・」
ハンカチで涙を拭く女性、店員がチラッととやっちんを見ながら近づいてくる
やっちん「あ、置いて行ってください」
女性を見ながら料理を置いていく店員、空になったデカンタのグラスを店員に渡す女性
女性「同じの」
女性はワインをグラスにつぎ飲む、その姿を見るやっちん
やっちんはポケットから携帯を取り出し電話を掛ける
やっちん「あ、亀、そっちはどない?うん、うん、あそうなんや、ちょっとこっちも今、お母さんと話してるから、先どっか入っててくれる、・・また電話する・・はいはい」
電話を切り女性の方を見るやっちん
やっちん「すいません」
やっちんは和也が残していったビールを飲む
やっちん「なんかさっきから聞いてたら、すごい複雑な感じがするんですけど・・」
お酒を口にし、やっちんを見る女性
女性「幸せな家庭・・私も当たり前に思ってた、結婚して、可愛い子供ができて、歳とって旦那さんとてをつないで歩いてる・・・」
鼻で笑う女性
女性「現実は全然違う、あんたもドラマであるような、数パーセントの幸せな結婚生活おくれたらいいけど、ほとんどの人が我慢してくらしてるからね」
やっちんから目を離し又一点を見つめる女性
女性「子供もあたり前に元気で生まれてくる事もないし、五体満足で生まれてきてくれても仁みたいに中身のほんの一部だけが完成できてなかったり・・」
食い入るように女性をみるやっちん
やっちん「どういう事ですか?」
女性「そこまでは調べてなかったんやね」
ため息をつく女性
女性「あの子に父親が違うけど、自閉症のお兄ちゃんがおってね・・」
やっちんは目を閉じ下を向く
やっちん「そういう事か・・お金、好きでもない人、現実はちがう・・・そういう事かー」
とつぶやくように言う
目をあけ一点を見つめる女性を見るやっちん
やっちん「そういう事かー、あ~なんか、すいません・・こっちの気持ちばっかりしか考えてなかった~、そんなことがあるんやな~」やっちんは女性に頭をさげる
やっちん「なんかホンマにすいません」
ワイングラスを見つめる女性、グラスをもちワインを飲む
女性「どうしようもないよ、現実やから、私もどうしたらいいかわからんかったから・・・小学校のころかな~・・和君がボロボロの服きて下向いて一人でかえってたの・・それを見ても何もやってあげれない自分のみじめさ・・辛くて、情けなくて・・最低なのはわかってたけど、その場から逃げてしまった、だって何もしてあげれないから・・それ以降は会うのはやめようって思ってね」
ため息を吐きグラスのワインを飲む女性
女性「この話もらった時も絶対断ろうとしてたけど、一度考えてしまうと、和也君の事が頭に浮かんでね・・どんな感じに成長したのか、彼女はできたのかとか、図々しいとわかってるんやけども、いろんな事が頭から離れなくてね、何も考えんときてしまったらこんな感じになってしまって」
女性は涙が止まらなくなる、その姿を見るやっちん、机の上においていた携帯がなる
やっちん「もしもし、うん、うん、ちょっと和君に代わってくれへん」ハンカチで涙を拭く女性
やっちん「和君ごめん、全部俺のせいやは、なんも調査せんと頭でっかちになって会わしたいだけで動いてしまって、お母さんもすごい大変な人生歩んでこられてんのに、ごめん和君、ちゃんと説明するから、もうちょっとだけまっといて、うん、うん、また電話します」
携帯を切るやっちん
やっちん「すいません」
やっちん「今回こんな形になってしまったのは全部ぼくのせいで、二人共なにも悪くなく、僕がかってにボタン掛け違えさせてしまってほんとに申し訳ないきもちでいっぱいなんですけど、もし良かった、今頃なんですけど、ちゃんと和君に事情を説明してもう少しだけ和君と話してほしいなって思うんですけど・・」
ハンカチで涙を拭く女性
女性「何話せばいいかわからないから・・」
やっちん「僕から和君にもう一度ちゃんと説明しますんで、そのあと話しにくかったら僕らもまじって四人で話すことってできないですかね、もう久しぶりのご対面は終わってるんで、みんなで飲みます的な感じで」
女性は首をふる
やっちん「俺から言うのもなんなんですが、和君、お母さんの事、憎んだり、恨んだり、一切してないって言ってました、お母さんも最初はひどい人なんかなって思いましたけど、お兄ちゃんの件とかわけがあって、どうしたらいいかわからずあんな感じになってしまったってわかったし、ちゃんと調べてなかった僕のせいでもあるし・・僕としてはどうしても、ちょっとだけでもいいから、もう一回あってほしいんですけど?」
考える女性
やっちん「お願いします、ちょっとだけでもいいんで、もう一回だけお願いします」
頭をさげるやっちん、それを見る女性、やっちんは頭を上げ女性を見る、軽くうなずく女性
やっちん「ありがとございます」
虫歯ーズのテロップと音声
居酒屋
テーブル席にやっちん、女性、前に和君と亀が座っている、やっちんがカメラに向かって
やっちん「はい、そういうわけで、先ほどのお母さんと僕とのやり取りを和君にも説明しまして、お母さんの本音、和君の思いをお互いに今伝えれて、わだかまりがとれたところなんで、今から、少しづつ近づいて行くために、4人でたのしく飲みましょうという事になったんで、カメラをまわしました」
亀「最初っからこの形にしとけばよかったのに」
うつむくやっちん
やっちん「ごめん」
母親「いや、やっちんさんから何回も連絡貰ってたけど、私がずっと拒否してたから」
亀「お母さんは全く気にしないでよ!」
亀は両手で拳銃を作り
亀「今がやりのようなチ〇コのやっちんをやっつける絶好のチャンスなんだから」
やっちんはうつむきながら
やっちん「それはこの前の整形企画でなおしたし」
笑う亀と和也、その様子を見ている女性
亀「それでは乾杯したいと思いますので皆さんはグラスをもって・・・」 三人はグラスをもつ
亀は嬉しそうに笑い、ジョッキを持ち顔にこすりつける、それを見たやっちんと和君は首をかしげる
やっちん「和君、始まったで、早く言ったって」
和也「えー、またー、・・亀、どうしたん?」
亀はジョッキを顔にこすりつけながら
亀「かいーの、かいーの」
やっちんはあきれた顔で
やっちん「もしかして寛平さんですか」
亀「違います、私は乾杯さんです」
クスっと笑う母親
亀「本日は乾杯兄さんを呼んでいただき誠にありがとうございます、それではみなさん、カンパーイ」
グラスを上げる3人、それをみて遅れてグラスを上げる女性
三人「カンパイ」
グラスを合わせ、全員お酒を飲む
やっちん「亀、それホンマに辞めよう、くそおもんないし、くそ恥ずかしい」
くすっと笑う女性、嬉しそうな亀
亀は女性の方を向き
亀「さっきの話の続きでさー、お兄ちゃんがおるって言ってたけど、今は大丈びなん」
女性「今日は夜までみてもらえるように手続きしてるから、もうちょっと大丈夫です」
母親の顔をみてにこやかに笑う和也
亀「お母さんはなんで出ていったん」
テーブルの空気がかたまる
やっちん「亀―」
少し酔い顔が赤くなっている女性
女性「・・・和君のお父さんと知り合った時仁君がまだ小さかって、あっ、仁君は和君のお兄ちゃんの名前なんやけど・・和君が生まれて、仁君が大きくなってきてね・・お父さんの実家でくらしてたから、色々あったんやけど・・やっぱり血のつながってない子供で癖がある子やったから、少しずつ歯車がずれだしてね・・お父さんともうまくいかなくなって・・」
女性の話をうなずきながら聞く三人
亀「お母さんはなんで和君連れていかんかったん?」
やっちん「亀、飲みすぎちゃうか」
虚ろな目の亀
亀「結構酔っ払ってるけど、この際やから」
女性「ごめんね、ほんまにごめん・・私も一緒に居たかったけど、仁君を見ながら和君も幸せにできるかって聞かれたら・・」
うつむく女性
女性「卑怯やね」
女性を見つめる和也
和也「ううん、僕も働いてるから、ちょっとだけかもわからないけど、わかる気がする、働くだけで大変やのに、炊事、洗濯とか、子供の世話まで、お母さんんがつぶれてしまうと思う、お母さんがつぶれてしまったらもっとひどい生活になってたと思う、今こうやってあえてる事だけでホンマに僕うれしいよ」
和也を涙目でみる母親
女性「ありがとう・・こんな母親に優しい事いってくれて・・」
二人の会話を聞きながら泣いている亀
二人を見つめるやっちん
やっちん「和君、今までお母さん、ホンマに苦労してきたみたいやね」
和也は母親を見つめながら
和也「しわ見たらすぐわかるかも」
虫バーズのテロップと音声
テーブルに空いたグラスが並ぶ、机で寝ている亀
やっちん「今日は本当にありがとうございます、色々話せてよかったです、ね、和君」
笑顔で女性を見ている和也
和也「うん、ほんとよかった」
やっちん「それで今後どうしましょうか?」
二人を見るやっちん
和也「お兄ちゃんに会いたい、病気の事も分かったし、今まで離れてた時間取り戻すぐらい、一緒の時間を作っていきたい」
女性は笑顔で
女性「ありがとう、和君」
虫バーズのテロップと音声
晴天の中、海をバックに二人が映る
亀「ハイ、昨日は飲み過ぎて途中から憶えてませけど、僕の活躍もあり、和君はお母さんと仲直りできましたー」
ピースをする亀
やっちん「泣いて、寝てただけやけど」
ピースをする亀、ニコニコしている和也
やっちん「今回の和君再会編、色々ありましたが、今日の晴天のように気持ちよく終われたんじゃないかなーと思います、それでは亀、和君締お願いします」
亀は和也の肩を抱き
亀「せーの」
二人「年がら年中、朝から晩まで楽しもうイエイ」
亀 「こう評価チャンネル登録お願いしまーす」
画面が二人に近づき顔のアップ、そして口元に近づいていき虫歯のアップ 虫歯―ズのテロップと音声
タブレットの中に映る二人のアップ、タブレットを見ている仁、横の母親もタブレットをみている、ゆっくりと仁の方を向く母
母 「仁君、じゃあちょっとお外に行きましょかー」
テーブルの横でリュックに荷物を詰め込む和也
和也「お母さんの準備はあの黒いリュックでよかったかな」
母 「うん、その黒いやつでいいよ」
といい、仁の背中をさすりながら、タブレット用のコンセントを抜く
母 「仁君の荷物は玄関に置いてるから」
和也「了解、とりあえず後はまた取りに来たらいいから逃げよう」
母親と仁は立ち上がり、玄関に歩き出す、テーブルに置かれていたヘルメットを仁にかぶせる母
たくさんの荷物を担いだ和也は先に玄関の方に歩きだす、その後ろを母と仁は続いて歩く
を開けようとしたとき、仁がとまる
母 「仁君行くよ」
仁「 ゲーム、ゲーム、ゲーム」
といいリビングに戻ろうとする
母 「あータブレット忘れたんやね、取ってくる、取ってくる、取ってくるから和君と先行ってて」
といいリビングに向かう母親、その後ろを付いていく仁
母 「仁君先行っててくれたらいいのに」
といい二人はリビングに戻る、リビングのカーテン越しにピカピカと光が舞うソファーの上に置いていたタブレットを取り仁に渡す、仁はタブレットの画面をタップする、画面には虫バーズ最終回と書いている
母 「仁君行くよ」
といい仁の腕を引っ張る母、仁は引っ張られた手を払い、テーブルに置いている卵焼きに近づき
仁 「た、卵焼き」
と言いテーブルに座り卵焼きを食べ始める
母 「仁君早く行かないと、仁君」
母はため息をつき、玄関をのぞき込み
母 「ごめん和君、先行ってもらえる」
和也「どうしたん」
母 「仁君が・・・」
和也「いや、待っとくからできるだけはやくして」
母 「ごめんね、早くするから」
和也は仕方なくうなずく
仁はにっこり笑い卵焼きを食べながら、三人が映るタブレットをタップする、三人が映る画面の下には虫バーズ最終回と書かれている
タブレット内 最終回
テーブルに三人が並んでいる
やっちん「それではせーの」
三人「年がら年中朝から晩まで楽しもうイエーイ、僕たち虫歯ーズ」
虫歯ーズのテロップと音声
和也「この度、この日本が戦争に巻き込まれる事態になりました」
亀 「僕たちがキュウチューブを始めた数年前はニュースだけの世界で、心のどっかで自分達には関係のない世界だと思ってました」
やっちん「この状況の中、三人で話し合った結果、本日をもって一旦虫バーズを終了する事になりました」
やっちんは二人に視線を送り
やっちん「それじゃあひとりずつご挨拶お願いします」
亀がアップされる
亀 「年がら年中朝から晩まで楽しもうイエーイ!亀チャンでーす。小さい頃からどこに行っても汚い物を見るような目で見られて、当然いじられつくして、殻に閉じこもり、どうせ死ぬんやったら、ネガティブを押し付けてくる世界に究極ポジティブマンで戦いを挑み続けてまーす」
ピースをする亀
亀 「てか戦争って何・・ゲーム中毒のぼくでもわかる事があるんですけど・・現実の世界やったら簡単に撃たれて死んでる奴が亀やん!わかるやん亀チャンやん、味方にも撃たれそうやけど・・・全然楽しくないのに・・・なのでー僕逃げます、誰に何を言われようが逃げま~す、自分が終われば世界が終わるんで、リセットすらできず電源オフされるので、まず逃げます、皆さんも、もっともっと自分を大切にしてください、みんな自分に厳しすぎると思います、亀チャンを見て、逃げまくってるし、自分の事許しまくってます、まずは自分ゲームの中の主人公をもっともっと大切にしてあげてください、どうせエンディングがあるゲームなんで・・・恥ずかしがらずに逃げましょう、逃げる事も大事です・・」
その時、亀の映る画面がまぶしい光とともに見えなくなり爆発音がこだまする
母「キャー」
部屋内
どどどどどどと天井と壁が崩れ落ちる、しばらくたち静寂が世界を包み込む和也「かーさーん大丈夫―」
埃で辺りがみえなくなる和也
和也「仁にー、かーさーん・・返事してー」
和也「ゴホゴホ」
和也「かーさーん」
少し埃が収まり、うっすらと周囲が見えてくる
ドーンと言う音と共にあたりが照らされる、屋根、壁は崩れ、床も崩れ落ちている、和也は呆然としている、つぶやくように
和也「かーさん」
和也はゆっくりとリビングの方に進み崩れた床を見下ろすと、何かが光っているのが見える
和也「仁兄、母さん」
といいつ、リビングから玄関に向かう、つぶれたドアを押し開け外に出る、
チカチカと点滅する外灯をたよりに階段を下りていく
うっすらと光る光に近づく和也、ひび割れたタブレットの中には和也のアップが映っている、その光で仁の指が少し動いているのが見える
和也「仁兄、仁兄」
といい、瓦礫をどかし始める、
静まりかえった世界の中、和也が瓦礫をよける音とタブレットの音声だけが響く
和也の声「虫バーズを始める前の僕は見た目も中身も不細工で自分に自信もなく、唯一の楽しみはフィギュアを集めるだけで、その他は毎日毎日同じ動画を流してるだけのような平凡な人生でした、そんな人生から最初は虫歯があるというだけでイヤイヤ参加した虫バーズがこんなにも自分自身を変えてくれるとはおもいませんでした」
瓦礫を必死によける和也、仁の顔が少し見えてくる、スピードを上げる和也
和也の声「二十歳の時におばあちゃんがなくなりずっと押し殺していた、母親に会ってみたいという夢も叶い、お兄ちゃんが要ることもしり、少しずつ家族や命の繋がり、必要とされる喜びを知ることも出来ました。
泣きながら瓦礫をよける和也少しずつ仁の上半身が見えてくるが仁の指が動かなくなり白くなっている
和也の声「色々な企画で自分自身が変わり始めていき、見えてくる世界が変わっていくのが実感でき生きているのが幸せに感じてきました」
仁にかぶさるようにして血まみれの母親がみえてくるスピードを上げ瓦礫をよける和也
和也の声「そんな中戦争・・僕はまだ信じられません、日本が・・この日本が戦争になるなんて・・止める事は出来ないんでしょうか・・攻めてくるのをやめてもらう事は出来ないんでしょうか・・僕は怖いです、本当に怖いです、殺すのも殺されるのも嫌です・・死にたくないし、死んでる人を見るのも嫌です」
画面内で涙を流す和也
和也の声「卑怯者かもわかりませんが僕は安全な場所で隠れてたいです」
仁と母親の上半身が見えるが二人の下半身は見えず血の海が広がっていく
和也の声「皆さんも本当に命だけは大事にしてください、そしてまた虫バーズが再開されてお会いできることを楽しみに待ってます・・」
二人の体をゆする和也、仁の指が画面の上で動き停止される動画
和也「いやや、いやや、二人共目開けて、お母さん、仁兄、お願い、お願い、目開けて・・いややー、いややー」
空を見上げ泣き叫ぶ和也
当たりが薄っすらと明るくなり始めている、1点を見つめ呆然とする和也、そこには動かなくなった仁と母親の姿がある
轟音と共に戦闘機が和也の上空を通過する
和也の目が少し動くとタブレットが瞳に映る
和也「亀、やっちん・・・亀、やっちん、助けて」
と言いタブレットの画面を押す
最終回の続きが流れる
タブレット内
和也「絶対又お会いして、色々な厳しい意見を言ってください、長い間本当にありがとうございました」
頭を下げる和也
やっちんがアップされる
やっちん「残念ながら終わることのない弱肉強食の世界の中、ずっと傍観者で暮らせていた時間が終わり又いつもの殺し合いに戻ってしまいます・・大金持ちはもう海外でディナーを楽しんでいて、残った金持ちも渡航規制がかかっているのに、雲の隙間から日本に手を振ってる現在、結局下民の僕たちが肉になり、肉にならないように団結して戦い、ボロボロになり、傷ついた傷を舐め合わなければ行けなくなりました・・平和ボケしていて忘れてましたが、直しても直しても、少しずつ気づかないうちに、蝕まれていき、ボロボロになってまた、最新の技術で前よりもきれいな世界になっても、最終的に人類の原型がなくなるまで、同じ事を繰り返す地球のばい菌、人間ってことを・・・今となればあの頃は本当に幸せな時間だったんだなと思います、もっともっと大事に時間を過ごして行ってたらよかたなと思ってます、亀ではありませんが、どうせなら甘い甘い平和をいっぱい味わって虫歯になるまで3人で満喫しとけばよかったと思ってます」
三人が映る
やっちん「三人それぞれ考え方はありますが、亀と和君と出会えて虫バーズで過ごせた時間が、本当に幸せな時間でした」
涙ぐむ三人
やっちん「じゃ最後みんなで、せーの」
三人「年がら年中朝から晩までたのしみたい!皆さん長い間ありがとうございました」
やっちん「せーの」
三人「虫歯ーズ」
歯を見せる3人のアップ
画面にありがとうございましたのテロップ
虫バーズの音声とテロップが流れる
タブレットを見ている和也
和也「助けて、やっちん、いやや、いやや・・・」
動画が動かなくなる
動かない動画を見つめる和也
やがて画面が暗くなる
暗くなった画面を見続ける和也
やがて何も映っていないタブレットの横に数人の人影が映る
外国人「・・・・・手、上げろ」
タブレットを見続けている和也
外国人「・・・撃つ、手、上げろ」
外国人兵士はゆっくり近づき、和也の後頭部に銃口をつける
涙をながしながら和也はゆっくり空を見上げる
和也「様々な神様、もしいらっしゃるなら、この愚かな争いをあなたの力で終わらしてください」
そう言うとゆっくり振り返り
和也「心がむしばまれる前に殺してください」
といい銃口を口の中に入れ、立ち上がり兵士を見つめる和也
銃口を握られた兵士は戸惑い首を横に振る、それを見た隣の兵士が笑いながら和也のこめかみに銃口を押し付ける
バーン
銃声がこだまする
青い空が映る
青い空→廃墟の街→数人の兵士(一人は笑っている)→頭から血を流す和也(周りには母と仁の死体)→死体から和也の虫歯のアップ、その歯の上で戦争をしている人間→暗闇
虫バーズのテロップと音声
エンド
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