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私にとってのエヴァQ

0:はじめに

2012年に公開された、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ』(以降『ヱヴァシリーズ』)の3作品目である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(以降『Q』)。シリーズ最高の興行収入を叩き出した本作だが、世間の評価は批判的なものが多かった。しかし、私にとっては素晴らしい作品だった。ここでは、なぜ私が『Q』にそれほどの魅力を感じたのかを徹底的に突き詰めていき、本作の良さを皆さんに発信していきたい。尚、これは極めて主観的な内容になるので、所謂『評論』と呼ばれるものとはやや異なる。そのため、「こんな考えもあるのか~」程度の生暖かい目で見てくれればこれ幸いである。ちなみにオタク全開で語るので、キモいと感じたら帰ってどうぞ(笑)

目次 (〔〕の中は読む難易度)

1:初めてちゃんと見たエヴァ作品〔普通〕

2:自分の経験と重なるシンジの苦悩〔難しい〕

3:アスカ〔簡単〕

4:最後に

1:初めてちゃんと見たエヴァ作品

先の発言から、「自分は周りとは違うぜイェイ!」みたいなイタいオーラを醸し出している人のように思われたかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります。

私は、『Q』が『全エヴァシリーズ』(以降『エヴァ』)の中で一番最初に見た作品でした。白髪のイケメンが映り、綺麗な女性コーラスが流れるTVCMを見て、興味が沸いたのを今でも覚えています。

TV CM映像

https://youtu.be/D8MH0XMjiBQ

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「何やこのイケメン!?気になる…」

とは言えその後、「どうやらこれは、あの名前だけ聞いたことあるエヴァというヤツのシリーズ最新作らしい」という情報を手に入れた為、多少エヴァについて調べてから見に行ってはいます。

これらの事は、『Q』を知ってる方からすれば「こいつマジ?」となる事でしょう。ええ、大マジです。しかしそんなドン引きせず落ち着いて考えてみてください。『Q』からエヴァを見た場合どうなるのかを…。実は、案外すんなり飲み込めるんです。『Q』の批判意見の原因の一つに、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(以降『破』)から14年後の世界というぶっ飛び設定が挙げられます。これは公開までほとんど明かされなかった情報で、尚且つ原作とも言えるTVシリーズ+旧劇場版の『新世紀エヴァンゲリオン』(以降『エヴァシリーズ』)にも存在しない設定だった為、既存のファンが困惑するのも無理はないです。しかしこれが最初であった私にとっては、何ら問題ありませんでした。理解できない事が当たり前に感じられたからです。さらにはこのおかげで、前作である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(以降『序』)と『破』、そして『エヴァシリーズ』がとてつもなく面白く見えるという現象が発生しました(笑)おそらく、既存ファンよりも倍以上楽しめていた事でしょう。

要するに何が言いたいかというと、シリーズの3作品目という情報に縛られず、1つの作品として『Q』を見る事が出来たという事です。(タイミング良かっただけですが)そしてそうやって見た時、『Q』は皆様の想像よりも遥かに面白い作品となるのです。

なので、一回頭を空っぽにして『Q』を見る事を是非オススメさしていただきたい!

きっと私も、今までのエヴァを見てきた後に『Q』を見たなら、間違いなく批判的な立場をとっていると思います。前作の『破』、めちゃくちゃ面白いですもんね(笑)なので私は、先述したようにイタい人ではないという事を、ここでまず理解して下さいお願いします。m(_ _)m

2:自分の経験と重なるシンジの苦悩

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さて、ここが一番肝心なポイントとなります。『エヴァ』はよく、感情移入が発生しやすいストーリーだと言われます。それはあらゆる世代、あらゆる性格の人々の中に存在する悩みを、それぞれのキャラクターが担っているからです。しかしこの事が、どうやら『Q』ではあまり注目されていないような気がします。実を言うと、構造上は『エヴァシリーズ』とほとんど変化がない為、十分感情移入しやすいはずなのですが、如何せん『1』で述べた新たな設定により、この点が不透明になってしまっているのです。しかし私にはその弊害が全く無かったため、感情移入が容易でした。今回はこの観点から、私が『Q』をより愛するようになった理由を紐解いて行きます。

さて、ここからは『エヴァ』全てを見終わった後の話なのですが、私が一番感情移入できたのは、『惣流・アスカ・ラングレー(以降『惣流』)』でした。

※余談ですが、下の画像の『惣流』の顔が一番好きです。

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「このプライドの高さ…俺やん!」

即ち、『エヴァシリーズ』のアスカです(『ヱヴァシリーズ』のアスカである、『式波・アスカ・ラングレー(以降『式波』)』としっかり区別しないと後々大変なので、ここで強調させていただきます。尚、『惣流』・『式波』双方の意味合いを含む場合は『アスカ』と表記します)。とは言っても、やはり世間的に皆が共感できるのは、主人公である『碇シンジ(以降『シンジ』)』です。事実、私も共感できる所が何点かありました。しかし私は、『序』・『破』におけるシンジに対して、あまり共感できませんでした。むしろカッコいいヒーローのように見えて、遠い存在のように感じられたのです。しかし、『Q』のシンジはとても共感が持てました。この理由に関しては、主に二点挙げられます。一点目は、共感度ナンバーワンである『アスカ』が持つキャラクター性の変化です。こちらは、後に詳しく説明するので、ここでは説明を省きます。二点目は、『シンジ』のストーリー上の立場弱体化です。これにより、『エヴァシリーズ』と同等の共感性を私にもたらしました。以下が、その共感した内容です。

①カヲル君の存在

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そもそもエヴァという物語において、『渚カヲル(以降『カヲル』)』という男はどういう役割を担っているのか…。おそらく彼は、同性愛のシンボルとしての役目が与えられていると考えられます。これは、ほとんどの人に納得していただける事だと思われます。そして私は、これらを理解した上での『シンジ』と『カヲル』の関係性に、共感するものを発見したのです。と言うのも『Q』劇場公開時、私は中学1年生でした。俗に言う思春期というヤツで、バチバチに恋愛したくてたまらない年頃です。しかし私は、恋愛に恵まれる事はありませんでした。好きになる人は全員彼氏持ちで、幾度となく失恋して参りました。そんな時、同じクラスだったS君ととても仲良くなりました。彼とは小学生の時から仲は良かったのですが、中学に入り部活も違ったため、少し交流が減っていたのですが、ここにきて交流が復活します。そして何を隠そう、彼こそが私に『エヴァ』を教えてくれた張本人なのです!私は『Q』を見た後、真っ先に『カヲル』をS君と重ねていました。『シンジ』の傷ついた心を『カヲル』が癒してくれたように、私の傷ついた心をS君が癒してくれたのですから。補足ですけど、S君本当に『カヲル』みたいにイケメンなんですよ(笑)

ここで私は気づいたのです。

『男は失恋を重ね、女を信用できなくなると、最後に友人の元に向かい、そこでほんの少しだけ、同性愛に似た感覚を覚える』

という事を。事実、私とS君の仲の良さは、本当に同性愛に見えていたらしいです(女性クラスメイトの証言有り)。そしてこの構造こそが、『Q』のストーリーの基礎となっている事にも気づけました。この事が、私を『Q』に熱中させる大きな決め手の一つになりました。とは言え、『1』と同じくタイミングが良かった故の共感なだけなのですが、時によって感想が左右されるのも映画の魅力の1つなので、大目に見て下さい。

②今まで親密だった人との絶縁

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こちらは当時ではなく、今現在になってから感じられるもので、やや①とも関連のある内容なのですが、今まで仲が良かった人との絶縁が、私にはよく起こります。これは友人に関してもそうなのですが、とりわけ恋愛関係で多いのです。

つい先日までとても仲が良かった女性が、翌日になったら急に冷たいという事が、私にはよく起こります。(これ私だけなんですかね?男性陣の皆さん)

これはおそらく、私の行動力の無さが原因だと思われ、これにより成就出来なかった恋愛も数多あります。そしてこれと同じような現象が、『Q』において発生しています。『シンジ』が目覚めると、今まで仲が良かった人たち(『葛城ミサト』や『赤木リツコ』など)が皆、冷ややかな目で彼を見るという場面です(知らない人たちからも向けられますが)。一応物語の設定上は14年経っているので、急に冷たくなったわけではありませんが、その設定がまだあまり明確化されていない段階でこの場面が存在するため、私には急に冷たくなっているように見えましたし、そう見せようと演出しているようにも感じられました。さらにその後、『シンジ』の好きな子である『綾波レイ(以降『レイ』)』が実はクローン人間で、今存在している彼女は別人の『アヤナミレイ(仮称)』であり、シンジが好いていた『レイ』はもう存在しないという追い討ちも相まって、この絶望はより一層強調されます。この『シンジ』の絶望状態が、私にとっては『あるある』だったので、この場面を見るといつも、何だか少し救われた気分になります。

これらの事への共感により、私は『Q』の世界観により一層、のめり込んでいくようになったのです。

3:アスカ

はい、ここから急にバカになります。私は『アスカ』が大好きです。『エヴァ』だけにとどまらず、全てのキャラクターの中で一番好きです。これはその容姿だけにとどまらず、『2』で述べた『惣流』に対する感情移入も原因の一つです。あと一つ理由があるのですが、これは重要なので後回しにします。

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何この生物…可愛すぎませんか?

しかしこんな完璧な『アスカ』に、さらなる良属性が『Q』で付与されます。それが『カッコ良さ』です。

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はぁー…かっけぇー…

眼帯を付けるという外見の変化だけでなく、性格までもが、姉御肌の女性として変化し、とてもカッコ良くなりました。この要素が追加されたことにより『式波』は、『エヴァシリーズ』の『惣流』とは全く異なる人物像を獲得します。そしてこの人物像こそが、私の最も好きな女性のタイプである、『男性をリードする女性』というものとピッタリ一致したのです。これが、先ほど後回しにした『アスカ』を好きな最後の理由です。

そしてこれらの要素により、『Q』は今までの『エヴァ』とは反対の、主人公が『アスカ』で、ヒロインが『シンジ』という新しい構造を生み出します。

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これが、恋愛に受動的な私にとってどれほど憧れた物語であったか!

そしてここからが重要です。先に『惣流』と『式波』を明確に分けた理由なんですが、私にとって一番共感できたヒロイン『惣流』が、今度は一番憧れの女性像を持った主人公『式波』となって現れたのです。こんな最高な事あります?!普通、憧れと共感は入り交じる事はありません(『BLEACH』の『藍染惣右介』が似たような事を仰っています)。

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もうトータルで言ったら、私の中では『アスカ』無双状態ですよ!これが起きたからこそ『Q』は素晴らしい作品なんです!個人的意見ですが、『アスカ』ファンは『Q』を愛していなければならないとすら感じてしまっています。(これはちょっと病気かもです)


4:最後に

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如何だったでしょうか…。これを見て『Q』に、そしてさらには『エヴァ』に興味を持ってくれたら幸いですし、既に知っている方や興味のある方は、より一層の興味を持ってくれたら幸いです。

『Q』の事を、私はよく「恨んでいるただ一人を、ひっそりと殺そうとするような物語」と表現します。これは、「無差別にたくさんの人を殺しまくるような物語」と表現出来る、今までの『エヴァ』とはニュアンスが全く異なります。そのことによる違和感から苦手意識を持つ人も多いですし、これから初めて見るという人の中にも、そういう感情を持つ人は当然出てくると思います。しかしただ嫌悪するばかりでなく、一定の理解を示そうとは試みていただきたい。その時もしかしたら、何か新たに感じとれるものがあるかもしれませんっ…。

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さらに『Q』には、『L結界密度』という単語が出ます。これは『Q』で新たに追加された要素であり、おそらく元は、東日本大震災により注目されるようになった『放射能』がベースですが、自粛要請中にふと『Q』を見た時、私はこれに『コロナウイルス』を連想しました。(まったく関連性はなく、あくまで直感的にです)そしてそこから想像が膨らみ、『Q』の中に一連のコロナ騒動とマッチするような何かを見たのです。(まだこれを言葉で表現できるほど理解出来てはいませんが…)実はこれが原因で、本記事を書くに至ったという経緯があったりします(笑)なので今が、『Q』の旬な気もするので、皆さん…しつこいかもですけど…見るなら今ですよ!

『ヱヴァシリーズ』は今現在、YouTubeで全て無料視聴が可能です。(期間限定らしいので、お早めの視聴をオススメします!)

ヱヴァ序 動画

https://youtu.be/z0AeU-0_bHs

ヱヴァ破 動画

https://youtu.be/OfqFiHjR7ac

ヱヴァQ 動画

https://youtu.be/M099_uFGzEs

また「そんなに長く見るのは面倒~」という方は、短くまとめられた公式の動画もあるのでそちらを見ると良いかと思います。

ヱヴァ序 まとめ動画

https://youtu.be/uuFwvzLRF-o

ヱヴァ破 まとめ動画

https://youtu.be/WLHNOS80_W8

ヱヴァQ まとめ動画

https://youtu.be/IRQMZADWoPI

ヱヴァシリーズ まとめ動画

https://youtu.be/oJoBLIYZo54

続編であり完結編でもある、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:ⅠⅠ(以降『シン・エヴァ』)』も公開延期が決まり、またしばらく待つ事にはなりますが、その分楽しみは増えますし、どんな形であったとしても、しっかり『エヴァ』の最後を見届けたいと思います。最後まで見て下さり、ありがとうございました。『シン・エヴァ』の予告も貼っておくので、まだ見ていない方は是非。

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シン・エヴァ 予告動画

https://youtu.be/EmABVp4ri5k

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