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UTAU連続音音源の収録&原音設定(2/3)

 こんにちは!
 さにのんと申します。UTAU界隈の隅っこでもそもそ活動している生物です。

 このNOTEは連続音の収録~原音設定まで自分でやってみよう! という趣旨のものです。続き物でこれは二つ目なので初めましての方は一個前のNOTEに行ってみてください。

 それでは順を追って説明していきたいと思います。

3、いざ収録

 ここではOREMOを使用した収録方法をご紹介します。連続音を録る上で特筆した理由が無ければOREMOが一番安心だと思います。

 ということでざっくり説明していきます。マイク環境などは人によって違うので、主に設定紹介になります。

 まずOREMOをダウンロードしてきます。最新版で問題ないと思います。

 開発者の耳ロボP様に感謝して解凍します。
 ファイルを開き、oremo.exeを立ち上げてまずは設定をします。

・表示→スペクトル、パワー、F0を表示
 好みです。F0は表示しておいたほうがいいと思いますがスペクトルとパワーは好みなので好きにして下さい。

・オプション→収録方法の設定→自動録音1か2にする
 最初は一個一個確認して録るほうがいいと思います(自動録音1)。慣れてきたら続けて(自動録音2)で録音時間短縮するのがいいかなと。

・オプション→収録方法の設定→BGMファイルの選択
 事前に決めてDLしておいたガイドBGMをここで選択しましょう。

・表示→音叉窓を表示
 収録音階に音叉を合わせておきましょう。

・ファイル→音名リストの読み込み
 事前に決めてDLしておいた録音リストをここで選択しましょう。

 他にもできることは(コメントファイルとか詳細設定とか)ありますが省きます。これさえできればとりあえず収録はできる!

収録の流れ
1、マイクテスト
 
まず音が入るか確認します。ここでは収録方法は自動録音1か手動録音がいいと思います。
2、音合わせ
 F0窓を見ながら自分の出している音とガイドBGMと音叉窓の音を合わせます。
3、収録
 収録方法を変えていた場合戻してから始めるようにします。
 音叉窓で適宜音程を確認し、声が変わっていないかもついでに確認しながら収録します。

 収録する際、声の出し方の指針を一つ決めておくといいと思います。○○を歌う時の声、とか○○のモノマネ、とか。

 ノイズ・読み間違いに気づいた際には速やかに録りなおしましょう。

 また収録した音はきちんと収録後にリネームして上書きしないようにしましょう。再度開いたときに波形が表示されていたら上書きできる状態になっています。その場合同じ名前の空のファイルが次回収録するとき用に必要かもしれないと思うかもしれませんが必要ありません。ファイルが無い場合OREMOは自動でファイルを作成するからです。便利ですね。

4、ノイズの取り方

 ノイズは無いほうがいい。無いのが叶わなくても少ないほうがいい。

 ということでノイズの取り方をご紹介します。二通りご紹介しますが、片方は高価なソフトを使用するのであまり気にされなくてOKです。好きなので紹介するだけで、このノイズ除去ソフトにお金をかけるよりも依頼したほうが安上がりです。

ノイズ除去方法1、iZotope RX を使用する

 高価なソフトのほうです。執筆当時(2021年1月)はRX 8が最新版となっています。Elementsでもかなりいろいろできますが私が使用しているのはStandardで、これで十分だと思います。Advancedが欲しいなと思うこともありますがAdvancedを必要とするレベルの音声は録りなおしたほうがいいです。

 メリットとして、多種多様なノイズが奇麗に取れることがあります。
 デメリットは難しいソフトなので習熟するのに時間がかかる上に何よりソフトが高いことです。

ノイズ除去方法2、Audacityを使用する

 無料のソフトのほうです。
 wavファイルの無音部分を選択した上で エフェクト→ノイズの低減→ノイズプロファイルの取得 。再度同wavファイルを全選択をして エフェクト→ノイズの低減→OK でホワイトノイズが低減できます
 クリックノイズ(プツッという音)も取れます

 メリットとして安価で、ソフトに習熟する必要もなく使うことができます。
 デメリットとして、やはり音の劣化はあります。

 iZotope RX を買うよりも機材にお金をかけたほうが後々幸せになれる確率は上がりますし、そもそもとしてノイズを入れないように収録するのが大前提です。
 ということで基本Audacity、どうにもならなかったらRXを持っている人を探して依頼する、というのが個人的なおすすめです。

5、setParamへ原音を入れる

 事前にスピードワゴンで周波数表を生成しておきます。
 SetParamで合成テストをする際無駄な時間がかかるとストレスの元だからです。

 わかりづらいかもしれませんが↑のリンクから飛んでDLし、あとは説明書を読みながら全wavの周波数表を生成するだけです。

 次に発声タイミングの平均をとっておきます
 数個wavファイルをAudacityに入れ、手動で声が発声されるその瞬間の時間の平均をとります。使用したガイドBGMと個々人の収録環境によって違うので自分で出せるようにしておきましょう。
 厳密に一の位まで出さずとも、大体の暗算でこれぐらいかなで十分です。

 いよいよsetParamに原音を入れます

 OREMOに続きsetParamという偉大なるソフトを開発してくださった耳ロボP様に感謝しながら解凍し、setParam.exeを起動します。

 ファイルを選択→パラメータを自動的に生成する→連続発声データ で出てきた画面をいじります。
 この時、 エイリアスの設定→エイリアスが重複した際に通し番号を付けるか→付ける→通し番号の上限1 にすると重複した音を設定せずに済みます。

 ↑のスライドの17、18を見てくださればわかると思います。

 自動推定の完成を待つ間に原音設定中に飲むお茶でも用意しておきましょう。

6、setParamの設定

 さて、それではいよいよ原音設定! の前に、下準備をしましょう
 あくまで私の設定なので、色々調べてこれの方がいい! と思ったらそちらにするほうがいいと思います。

・表示→横軸の拡大→波形拡大率の数値指定
 一番上の窓に好みの数値を入れて変更で良い感じの拡大率にします。数値は個人の好みなのですが私は800%にしています。

・表示→スペクトル、パワー、F0を表示
 個人の好みですが個人的にはすべて表示しておいたほうが良いと思います。すべて使うからです。

・オプション→マウス、キー操作の設定→マウスで先行発声を動かしたとき、→他パラメータも一緒に動かして相対的な位置を保つ
 連続音の原音設定では必須。他パラメータとの位置関係を維持したまま先行発声を動かす必要があるからです。

・オプション→マウス、キー操作の設定→発声タイミング補正モード
 連続音の原音設定では必須。
先行発声をクリックだけで動かせるようになる。指にかかる負担が断然違います。

・オプション→合成テストの設定→合成エンジンの指定、音の高さ
 エンジンは適当にresamplerとか設定しておいて下さい。好きなエンジンを選ぶのです!
 音の高さは収録したときの音に近い音か同じ音を設定してください。

・オプション→詳細設定→スペクトルの色→color2
 音の強さが色でわかるのでお勧め。赤いほど強いです。

 ↑のスライドの26~28を参考にしていただければと思います。

今回のまとめ

・声の出し方の指針を決めておく
・ノイズ・読み間違いに気づいたら速やかに録りなおす
・ノイズ除去をしよう
・setParamの下準備はしっかりしよう

次回へ続く

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