2023年度(2024年1月末)労コン口述本番の様子@東京

実際の本番の様子以降は現在有料になっていますが、合格発表終わったら無料公開の予定です(発表前に公に公開していいか謎だったので)。間違えて買わないでください。
→公開しました。

会場・本番前の様子

2024年1月末日東京会場の国際フォーラムで保健衛生を受けてきました。
試験はまさかの夕方16時台。昼には会場の下見にきて、いったん近くのマクドナルドへ退避。試験1時間前に会場入り・受付をして、控室で待っていました。
受付の際、受付の人が受験番号と受験者一覧の紙にチェックしているのですが、自分は最後のほうということもあり分かったのですが、欠席者は数えれる程度で9割5分くらい出席です。
試験会場は写真の通りですが、保健衛生で4~5部屋くらい。控室は衛生コンサルタントと安全コンサルタントで分かれており、保健衛生と衛生工学の人は同じ控え室でした。
控室の年齢層は40-60代くらいと比較的高めの印象。男性8:女性2くらい。みなさん当然スーツでした。
とりあえず控室で勉強。試験の10~15分前くらいになると(おそらく前の受験生が本番会場の中に案内されると)が案内係が「保健衛生○○番の方~」と控え室に呼びに来て、口述会場のドアの前まで案内してくれます。
ドアの前の椅子に座ると、案内係が
「前の受験生が試験をしています。おそらく時間通りに終わると思いますので〇分ごろになると思います。携帯電話の電源を切ってください。入るときは扉を開けるのと閉めるのは私(案内係)がします。中に入ったら右手に荷物置きの机がありますのでそこでに荷物を置いてください。荷物をおいたら、受験票をもってそのまま正面に長テーブルと椅子がありますのでそこに座ってください。試験官から受験者の確認があり試験が始まると思います。試験が終了したら荷物をもって退室してください。退室するときはご自身でドアを開けてください。ドアが重たいですのでしっかり押してください。」と案内されます。

あと10分くらいあるし勉強道具のスマホも切ったし暇なんで椅子に座らず、その場でストレッチとか体操しながら気合入れる(レース前の精神統一的な)。

で、前の受験生が扉から出てきて、しばらくしたら、いざ入場。

保健衛生 こんなに部屋使ってるんや。控室除くと6部屋。全部使ってるかは謎。試験官の休憩室もあるやろ。


保健衛生以外はそれぞれ一室のよう。
国際フォーラムG棟の5階 右手奥の並びが実際の口述会場4-5部屋?。一番奥が控室。


受付の看板。奥にちょっとだけ椅子が写ってますが本番前はあの椅子に座って待ちます。


口述会場の中の配置

いざ本番!

実際の試験の様子については合格発表後にさせていただきます。
発表前に公に実際のやりとりを公開していいか謎だったんで(試験協会の案内には特に公開の規定書いてないですし、⁠限定公開なら問題ないんでしょうけど。最高額の5万にしましたが間違えて買わないでください。合格発表後無料にします。某会員限定掲示板にはすでにアップしてあります)。


真ん中 70代?高齢ベテラン やさしいゆっくりな口調、なんにでも頷いてくれて、個人的には本番中の癒しだった。
・「まずは受験の動機を教えてください」
 →「〇年×月から専属産業医として活動していますが、それまでは臨床に従事しており臨床や健康管理の知識は持ち合わせていますが、労働衛生について体系的に学ぶ機会が少なかったのが正直なところです。労働衛生の知識を研鑽したかったのと、今後の安全衛生活動に活かしたかったからです。」

・「産業医の活動歴を教えてください。」
→「〇年×月からですので約△です。」
(さっき言うたけど)

左 40~50代くらい 行政官? 明らかに意識してゆっくり丁寧な口調
・「では私から質問させてください。法改正でいわゆる化学物質の自律的な管理というのが始まっていますが、それが始まった経緯と概要を簡単に教えてください」◎
→「化学物質は多数ありますが、労働災害は約8割が法令の規制となっていない物質でした。国が法令規制をしていっても追いつかないし、逆に法令順守のみしていけば大丈夫という間違った捉え方をされる可能性があります。そのため事業者自らがリスクアセスメントを行い、曝露防止のための措置を実施し、化学物質に曝露される程度を国の定める基準をこえず、かつ最小限ととする制度を定めました。これが自律的管理の概要となります。」

・「化学物質の自律的な管理でこの4月から行われることになる施策、2つ教えてください」△~〇
→「んー、SDSに基づくリスクアセスメントの実施、曝露濃度基準値以下とする義務、がんの把握の強化、化学物質管理責任者の選任、保護具管理責任者の選任などです」 
どれがこの4月から始まるかか正確に把握しておらず適当に羅列。とりあえず頷かれて終了。後で皮膚に対しての保護具の着用義務とかについて言えばよかったと思いだし少し後悔。

・「この4月からリスクアセスメント対象物質健康診断というのは始まるのですが、リスクアセスメント対象物質健康診断についてこれまでの特殊健診との違いを教えてください」×
→「申し訳ありません。リスクアセスメント対象健診についての知識を持ち合わせていません。また勉強させていただきます。」
あー、あったけど詳しい内容まで見てないわ!と思い、潔く諦め。

・「検診で生活習慣病を扱うようになりましたがそれの理由を教えてください?」△~〇?
→「労働環境によって高血圧などの生活習慣病が悪化するからです。」
簡単に答えすぎたか。頷きつつもちょっと間が空いたが特につっこみなく終了。

右 50代、多分実務家、至ってやり取りは普通だし全く圧迫気味ではないけど、淡々としているのと質問の内容も相まって、いまいち質問の意図が読みづらかった。
・「熱中症対策は重点対策の一つになっており、暑熱環境でWBGTという指標があると思うのですが、会社からWBGTって何ですか?と聞かれたらなんて答えますか?簡単に教えてください。」△~〇
→「暑熱環境で測定する熱ストレスの指標です。」
 一瞬それだけ?的な間がありつつ
 「簡単にと言われたらこう答えます。」とつけ加えたら、次の問題へ

・「WBGTを使いたいんですけどって会社から聞かれたらコンサルとしてどうやって答えますか?」×~△ 問題の意図が読み取れず
→(WBGTを使いたいってどういうこと?測定方法とか測定の場所を聞いてるの?)ここで自分の頭の中でWBGTを使いたい≒湿球黒球計を使いたいに若干脳内変換されている。
 「WBGTは暑熱環境下での実際の作業現場で測定します。」
 試験官がびみょーな表情。
「ある会社からWBGTを使いたいという相談をされたら、コンサルトとして測定しますと答えるのですか?」
→(ん?何言うてるんや?WBGT使いたいって測定する以外になにがあるの?WBGTを使いたいっていう相談だから、全く0からの相談ということ?測定器の購入から説明しろってこと?)
 「まずはJIS規格に準じた湿球黒球計を購入します。作業現場によって条件が違いますので、色んな複数の実際の暑熱現場で測ります。」
 「いや、そういうことではなくて、会社がWBGTをどうやって使うのですか?と聞いてきたら、コンサルととしてどう答えますか?」
→(だからどうやって使うってどういうこと!?使用上の注意を言えばいいんか?)
「湿球黒球計の通気口を塞がなかったり、黒球をもたなかったり、測定に10分以上安定させてから測定します。使い方というかその注意事項になりますが…。」
「質問をかえますね」
(えー、どういうこと?あかんかったかー)

・「WBGT測定したらそれをどう活かしますか?ある数値になったら職場で何かしたりするのですか?」◯
→「WBGTの数値と、作業強度を照らし合わせます。基準値以上であれば、WBGTの低減措置、具体的には冷房、除湿器、扇風機などつけたり、また作業強度を下げたり、作業時間を短くしたりします」
頷いて終了。
⁠聞かれたときは気付かず、これを書いてるときに気づいたけど、最初からこれを聞きたかったよう。同じ質問されたと考えたら、どういう採点されたかは謎。

・「ある会社でメンタルヘルス不調で休職してた人が復職したいとなった。主治医は復職オッケー、産業医は復職ダメと言って、意見が正反対でした。会社からどうしたらいいか相談があった。コンサルトとしてどうアドバイスしますか?」×~△
→(普段から扱ってるぶん『コンサルトとして』に引っ掛かり逆に考え込み、焦り出す)
 「まずは復職できない理由を主治医に確認します。」
「主治医にですか?」
 「ごめんなさい間違えました。産業医にです。」
「誰が確認するのですか?」
 「人事です。」
「人事が確認するのですか?」
 「はい、人事です。」(え?!人事じゃないの?)
「コンサルトとして他にどうアドバイスしますか?法に触れてないのかとか、揉めないようにしたいとか会社は考えているようですが」
 「んー、コンサルトとしてですよね…」
(ここで「産業医や医師としてではなくてですよね?普段から扱ってるのですが」とか「手続き的理性を尽くします」とか言おうか悩んでしばらく考えこむだけに)
 「・・・労働契約ですので、契約に基づいて通常勤務ができるのか、確認したりしますが・・・」
こんなに流暢に言えてないですし、しどろもどろになって、自分の伝えたかったことが上手く伝わってないと思う。復職条件のこととか聞いていたのか?それとも配置転換や支援的なことを言ってほしかったのか?よくわからず。
真ん中の先生はちょっと頷いてたけど、中途半端な終わり方で、次の質問へ。

・「c測定とd測定について教えてください」〇?
→「個人サンプリングによる作業環境測定です。」
頷く。
 「a測定、b測定は決められた定点での測定ですが、c測定d測定は個人サンプリングでの測定となります。」
 測定方法まで言うの面倒くさいと思って終わらせるつもりが、まだちょっと無言だったので、測定方法も一応言おうとまた喋りだす。
 「c測定は実際の作業時間中に5人以上で測定しますが…」
ここで喋っている途中で
・「c測定、d測定はどういうとき測りますか?」(多分合いの手というか聞きたい質問へ誘導)〇?
「作業場の環境濃度が一定でないときですね。例えば有機溶剤を取り扱うとき塗料を持って移動したりすると、濃度が一定でないですので、c測定d測定のほうがより適切な評価ができます」
 みんな一応うなずく。低濃度管理物質とかも本当は言ったほうが良かったか?

・「今勤めてるところは工場ですか?開発などもされるのですか?」
 「はい工場もありますし研究開発業務もあります」
「それでは有害業務をあげてください。羅列で大丈夫です」◎
有機溶剤、特定化学物質具体的にはインジウム、電離放射線、機械による騒音、稀にですが重量物取り扱いもあります、交替勤務での深夜業務、過重労働、あと開発ですので情報機器作業も取り扱います。
頷いて終了。開発のことも確認した=それの有害業務もあげる必要ありと判断。

戻って真ん中のベテラン先生
・「作業関連疾患という言葉があると思うのですが作業関連疾患とはなんですか?」◎
→「一般の人がだれでもかかる日常的な病気のうち、特に、職場の環境や労働によって進行や発症の危険性が高くなる病気です」

・「具体的にはどんな病気があります?一つ教えてください。」◎
→「一つですか?高血圧症も作業関連疾患になると思います。」

・「それでは溶接業務の有害因子おしえてください。羅列で大丈夫です。」◎
→「紫外線、騒音、高温暑熱での熱中症、スパッタでの火傷、ヒュームでの粉じん、マンガン、炭酸アークであれば一酸化炭素も、あとオゾン、作業様態での腰痛もあると思います」

・「それではトンネル工事の有害因子を教えてください」◯?
→「粉じん、振動、騒音、あと・・・場所によっては酸欠などです。」
想定していなかった質問だったのでその場で考えながら羅列しました。
特にツッコミもなく、酸欠まで言ったら頷いてくれて、時間になったのか、そのまま試験終了。

リスクアセスメント対象健診は全く答えられなかったし、WBGTと復職のやつのやり取りがめちゃくちゃもやもやしたけど、振り返ってみると試験官からのツッコミや指摘・指導は一度もなく終了。

本番だと緊張したり、変なこと言わんようにしようと考えたりするので、こちらから逆質問という発想になかなかならないけど、意図や背景の分からない質問は落ち着いて、こちらから聞き直したほうが多分いいのかなと後になって思いました。
あと変に「コンサルトとして」とか「簡単に答えて」を真に受けて、その場で考えて答えるより、普通に勉強したこと喋ったほうが緊張しないので、そっちのほうがいいと思います。あまりにも長々喋るのはよくないとおもいますが。
「簡単に答えて」を真に受けて本当に一文程度で簡単に答えると、結局試験官の聞きたい内容に触れない可能性があり勉強した成果を披露できないですし、変な空気になります。

勉強はもちろんですが、勉強成果を出すために、口述にむけてちゃんと場数を踏むというか、面接練習こなすのが大事と感じました。

お疲れ様でした。

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