【6】物流業における感染対策

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020 年 4 月 17 日

経営者・総務人事担当者のみなさま、配送作業を行う従業員の感染対策は万全でしょうか? 緊急事態宣言が出されている感染拡大地域での業務は、従業員の不安も大きいと思われますが、きちんと感染対策を取ることでリスクは低減できます。

1. 課題の背景:

緊急事態宣言下においても物流・輸送サービスは十分に感染拡大防止策を講じつつ、事業の特性を踏まえ、事業の継続を要請されています 1)。配送業務を行う従業員が、感染者や濃厚接触者となってしまった場合、長期間にわたり職場離脱が予想されます。作業者に下記の対策を実施させるとともに、管理者も人員確保含めた作業体制、連絡体制の整備など改めて感染対策を見直し、徹底しましょう。

2.企業でできる対策:

新型コロナウイルスの感染様式はインフルエンザと同じく、飛沫感染、接触感染です。『物流業における新型インフルエンザ対策ガイドライン(緊急対策マニュアル)』が準用可能です。
○物流業における新型インフルエンザ対策ガイドラインおよび副読本のチェックリスト 2,3)職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト 4)を活用し、感染対策を見直す

以下にポイントと補足点を記載します。
1)従業員の健康管理
感染拡大防止のため、体調不良時は仕事をしないよう徹底する
□発熱や風邪症状があるときは、軽症でも業務を行わないことを徹底する
□点呼時及び定時連絡時に、日々の検温、風邪症状の有無を確認する
□改善基準告示を遵守し、長時間労働を避け、睡眠・休息時間を十分確保する
2)点呼時
新型コロナウイルスは、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあります。また、無症候の者からの感染の可能性も指摘されています
□対面でのやりとりはできるだけ短く、可能な限り 2m の距離を取って行う
□アルコールチェッカーは携行型など 1 人 1 人専用の物を用いることが望ましい。据え置き型を共用する場合は、マウスピースは毎回交換し、本体を次亜塩素酸ナトリウムで消毒する 5)(アルコール消毒を用いるとチェッカーが反応してしまうため 6))
3)受け渡し・荷役作業時の対策
新型コロナウイルスは、無症状であっても呼吸量が増える活動時に感染事例が報告されています。荷役作業は作業負荷が高くなりがちであり、負荷を下げる、対人距離を取る対策が必要です。
□荷役のパレット化、省力・アシスト機器の活用により作業負荷を下げる
□作業は 1 人で行う、または、複数名で行う場合は持ち場を分担するなど、できるだけお互いに距離を取って行う
□共用のカートなど荷役機器を使った後は、手洗いを行う(アルコール消毒可)
□手洗いが困難な場合は、荷役作業時に使い捨ての手袋を使用する方法も検討する
□商品の受け渡し方法について、相手先と事前相談し、対面でのやりとりはできるだけ短く、可能な限り 2 メートルの距離を取っておこなう。
4)休憩時の対策:休憩所や飲食店などでの感染リスクを避ける
□可能な限り飲食店ではなく、車内や宿泊する個室で食事を摂る
□飲食店で食事を摂る場合は、他人との距離を取る(混んでいる店は避ける)
□食料品の買い物など必要不可欠な場合を除き、外出は極力避ける
5)共用を避けることと共用器具の消毒
接触感染を防ぐため不特定多数が触るところの消毒を行い、接触感染を防ぐ
□できるかぎり 1 車 1 人制とする
□始業前、終業時にハンドル、チェンジレバー、ドアノブ、端末のボタンなど手で触れる頻度の多いところをアルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる拭き取り消毒を行う
6)全般的な対策
□手洗いの励行(休憩時など手洗いが可能な環境では必ず手洗いを実施する)
□周囲に広げない対策として、対面時にはマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用する

3.関連情報リンク:

1)新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発出を受けた事業の継続に係る要請等について(依頼)
2)『物流業における新型インフルエンザ対策ガイドライン(緊急対策マニュアル)』
3)『新型インフルエンザ対策ガイドライン緊急対策マニュアル副読本』
4)職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト
5) 新型コロナウイルス対策 身の周りを清潔にしましょう。
6)アルコール除菌剤等によるアルコール検知器への影響について

4.資料リンク

本資料のPDF
本資料の動画
・本資料のパワーポイント↓(衛生委員会に編集してご活用ください)

文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。今後も経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信させて頂きます。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。
※本内容に関するご意見・ご要望は、covidー19@ohsupports.com までお寄せください。
※これまでに配信しましたバックナンバーは、こちらもご参照ください。

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