救済のひとつの道――グッゲンビュール‐クレイグ『結婚の深層』を読む
A.グッゲンビュール-クレイグはユング派分析家のひとりで、この本は、深層心理学的な観点から結婚について書いてあります。
子どもをもつことや結婚・離婚は、誰にとっても大きなテーマで、多くの方が悩まれていることでもあります。
社会学的には、結婚することは「自立」として周囲から承認される機能をもつとか言われたりもしてきました。一方で、フェミニズムからは、結婚しなければならないという強制からの解放が謳われたりしてきました。
様々な考え方がありますが、グッゲンビュールークレイグによれば、結婚は幸福の制度ではなくなり、現代の結婚は「救済の通路」であって、そのため、ますます「天職」となってきていると言います。
この本には、結婚は愛と拒絶をもって相手にぶつかり、自分自身と、世界、善悪、高みと深さを学ぶ場だとか、相手との対話的対決を避けることができないとも書かれています。
「幸福イメージ」をもたれている方にはもしかしたら刺激が強いかもしれませんが、そうした「幸福イメージ」の中で悩まれている方にとっても、多くのヒントが書かれているかもしれません。
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