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病態水準を見極める――本来の言葉を語ること

人と人との対話は、共同構築される面があると考えるのは社会学です。

カウンセラーでさえも、ブランクスクリーン(真っ白なスクリーン)であることはできないのです。

「傾聴」という言葉は、人の支援においてよく使われる言葉です。

けれども、ただ傾聴されるだけで真に癒されたという体験を、一体どのくらいの方がされているのでしょうか。

実際、私は、傾聴だけじゃ物足りない、何か違うという話をよく聞きます。もちろん、これは、傾聴の有用性を否定するものではありません。

それよりも人間は、「腑に落ちる」という体験があったとき、苦難や悲しみを受容し、癒されていくものです。

これには、カウンセラーが病態水準の見極めに習熟していることが不可欠です。

ここでいう病態水準とは、いわゆる「治療」のためのものではありません。

もちろん、癒しはもたらされ健康になっていくのですが、それよりも、その方自身の本来の言葉として話すことができるために、カウンセラー自身がそのレスポンスや態度のあり方を柔軟に用いるための道具立てという意味合いがあります。

「支援」という名のもとに、逆に、傷ついた体験をされた方もいます。良質な支援者は、このことに対して、豊かな感性をもっています。

当相談室では、ご来談いただくみなさまが、心から安心してご利用いただけるよう、精一杯、努めてまいります。


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