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倒産する出版社に就職する方法・青雲編

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出版業界への就職を志した男が、丸2年にわたり、外から覗き込めないかと背伸びしたり、どこか開いてる窓ないか探してみたり、ドアノブガチャガチャやったり、しまいにゃ扉に体当たりしながら…
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2019年7月の記事一覧

美しい風景--倒産する出版社に就職する方法・第67回

新潟県十日町で開催される「藤原ひろのぶ×ほう×EARTHおじさん個展講演会」開催直前、著者のほう氏から不安げなLINEメッセージを受け取った私は、開催2日目、十日町に赴きました。
東京駅から新幹線で越後湯沢まで1時間半、そこから北越急行ほくほく線に乗り換え30分の道のり。十日町駅です。
道も不案内な上、小雨も降っていたため、私は駅前からタクシーに乗車して、個展講演会場「十日町産業文化発信館イコテ」

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imagine--倒産する出版社に就職する方法・第66回

すみません。ちょっとタイムスリップさせていただきます。今から15年前、2004年を描いていた連載第65回から、一気に2019年7月にタイムスリップします。現在に帰るのです。現在に帰って、どうしてもみなさんにお伝えしたいことがあるからです。少々きついGがかかるかと思いますが、鼻つまんで耳から空気抜いてください。気分が悪くなった方はキャビンアテンダントまで。さあ、急降下、不時着します。場所はそのまま変

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それホントやったんか?--倒産する出版社に就職する方法・第65回

その1時間ほどのち、われわれ二人は施設の喫茶スペースにおいて、互いにほんのり上気した顔で向かい合っていました。(温泉施設でいったい何があったか……みなさんのご想像におまかせすることにしましょう)

さて、ここからがいよいよ本題です。
私は温泉に入りに新潟まで来ているのではありません。原稿の修正依頼をして、手直しに入ってもらわなければなりません。
そして改稿をしてもらう上で避けて通ることのできないテ

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秘密の儀式--倒産する出版社に就職する方法・第64回

「おっ、おお。これな。これ、ちょっと事故ってなあ……」

ちょっと事故った。。。

さすがにメガネの破損は精神的ショックにより引き起こされたわけではなく、物理的な接触によるものだったようです。それにしてもメガネがこれほど芸術的に破損する事故とはいったい……?
メガネのヒビの原因はもちろん、亀裂に覆い尽くされ視界がほぼゼロであろう左レンズをそのままにしているのも気になります。

しかし、そんなことに

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モザイクに隠されているもの--倒産する出版社に就職する方法・第63回

タモリの電話からさかのぼること3カ月前、私は越後湯沢の駅に降り立っていました。そこで初めて『人は食べなくても生きられる』の著者・山田鷹夫氏と落ち合うことになっていたのです。
もともとこの企画は三五館への持ち込みでした。当時の三五館では、すべての持ち込み原稿についてH社長直々に真っ先に目を通し、その可否を判断していました。
ですから、私がH社長からこの原稿を読むように命じられたときには、この企画を出

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タモリからの電話--倒産する出版社に就職する方法・第62回

2004年12月15日の午後。いつものように遅めの昼食を、たぶん新宿通り沿いのCOCO壱番屋だか吉野家あたりで済ませていたのだと思います、きっと。あのころの昼飯なんてたいていそんなものだったわけで、要はいつもと変わらぬ昼下がりのことでした。
三五館(当時)の社内でパソコン打っていると、私のデスクのちょうど斜向いに位置する編集部の先輩Nさんが外線電話を取り上げて二言三言話したあと、大きな声で私の名前

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