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21世紀に必要なのは "ビジネス" よりも "アカデミック" 英語

【主要なアップデート】
(2020.08.14)人工知能の発展を追加
(2019.04.06)目次のフォーマットを変更

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こんにちは、Choimirai School のサンミンです。

アメリカの小中高で英語を教える時重要視しているのは、Academic English です。一方で、日本で重要視しているのは、ビジネス英語。

Choimirai Schoolでは「Roam Research+Newsela Pro」、を通してアカデミック英語を鍛えることが出来ます。

1.  世界時価総額ランキング上位50社のうち日本企業は1社のみ

日本の企業が世界時価総額ランキング上位50社のうち32社もあった、1990年代には、Business English が重要だったのも納得です。TOEIC が人気を得た最大の理由が日本の高度成長にあったと思います。しかし、平成30年に上位50社のうち日本企業は1社のみと!

そして、他の指標でも日本の凋落は顕著に現れています!

2.  東大の世界大学ランキング

そして東大の世界大学ランキングは、2004年の12位から、2015年には43位まで下落。

ノーベル賞受賞者の天野教授は日本の大学が他の国に遅れてる理由としてネット時代に乗り遅れたことを指摘しています。

3.  英語で検索すれば、検索の範囲が16倍以上

そして、ネット時代に乗り遅れた最大の理由は日本の英語力にあるのではないかと思っています。検索すればすぐ出てくるのだから情報格差がないという発想は危険!

今のネットは知識の豊かな人をより情報強者にし、知識の乏しい人には質の悪い情報しか与えません。そして、英語がわかれば検索できる範囲が日本語より16倍以上(54% vs. 3.4%)も広がります!

英語がわかれば検索できる範囲が日本語より16倍以上も広がる

英語と日本語の影響力を比較しますと、その差はなんと、約7倍!

4.  部屋から一歩も出ず、MITなどの授業が受けられる

ネットと技術の発達で英語が出来れば可能性は無限と広がります。英語で学べば部屋から一歩も出ずMITなどの授業が受けられ、大学院にも進学が出来る時代です。この恩恵を一番受けているのは、インドと中国。

5.  英語で学ぶには、米国中3レベルの英語力が必要

しかし、英語で学ぶことは簡単ではありません。TOEIC満点がアメリカの小学校5・6年生の英語力。下記の図で例えると、50%にしか達してない状態です。

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実際、UKで実施した研究では、IELTS 6.5〜7.5の留学生でも英語話者の学生と比べると、英語力は非常に低いと指摘しています。
①語彙力は半分
②読む・処理するスピードも半分
③理解力も低く
④読んだ内容をまとめて書く能力も低い

英語で専門的な知識を学ぶためにはアメリカの中3レベルの英語力は必要だと考えています。

英語で専門的な知識を学ぶためにはアメリカの中3レベルの英語力は必要

6.  arXiv の月間論文掲載数は1万件以上

AIや数学、物理などの論文を掲載する arXiv(アーカイブ)。投稿される論文数は月1万件を軽く超えています。DeepMind の AlphaGo に関する論文も学術誌に掲載する前に arXiv で真っ先に公開。英語による情報公開はいつよりもスピードアップしています。21世紀にこれらの情報を活用する英語力は選択より必須です。

21世紀にこれらの情報を活用する英語力は選択より "必須"

これほど膨大な資料を活用するためには、文献を自分で調べ、収集した情報を統合し、結論が出せる能力も重要です。アカデミック英語を勧めるもう一つの理由です。

7.  英語で学ぶと英語力も複利で上達

言語をプロセスする時には、Bottom-up(BU)と Top-down(TD)での相互作用が必要です。TD は既知の背景知識から内容を補完・理解しようとするプロセスです。一方で、BU は個々の単語から文章の意味を紐解くプロセス。初級者ほど、BU に頼って、言語に慣れますと、BU は自動化され理解度は TDによって多く左右されます。

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①英語で学ぶ
②英語での背景知識が増える
③学びやすい→①に戻る

この循環が常時回っていると英語力は複利で上達します。英語を学ぶより、英語で学ぶを勧めている理由も英語の上達が早いからです。

英語を学ぶより、英語で学ぶを勧めている理由も英語の上達が早いから

8.  英語圏主導で進められている人工知能の研究

【追記:2020.08.14】2020年5月30日にOpenAIが発表したGPT-3。プログラミングが分からなくても自然言語で様々な作業を自動化できる能力を持っているモデルです。

既にOpenAIの社内では、GPT-3を活用した自動化が進んでいるようです。こちらのモデルが一般に公開されるのは2020年の後半。

いつか日本語版のGPT-3も出てくると思います。が、その頃には英語で利用できるモデルとの差は何倍も大きくなっているはず。

ビジネスレベルの英語力は既に人工知能で十分です。GPT-3のような最新のAIモデルを活用する為にも、アカデミック英語を鍛えて欲しいです。

9.  まとめ:Doing The Right Thing

ネットと技術の発達で、教育システムに依存しなくても学びが生まれる時代です。そして、英語が出来れば選択肢は更に広がる。

The righter we do the wrong thing, the wronger we become. When we make a mistake doing the wrong thing and correct it, we become wronger. - Russ Ackoff

《①doing the right thing》と《②doing things right》は全く違うものです。日本の英語力が低い理由の一つは、②にばかり集中しているからだと思っています。間違ったことはいくら方法を変えても正しいことにはなりません。

時代に合わせて必要とされる英語は変わります。日本が技術革新をリードした時は英会話やビジネス英語が重要でした。が、英語圏主導でテクノロジーの発達が進んでいる今は英語で情報を収集し活用できる、ググれる英語力と英語で学べる力が必要な時代です。

ググれる英語力と英語で学べる力が必要

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