アクティヴィストのよって立つ姿勢には、このような立場からである必要がある、といえるでしょう。それは今おかれている現状への「反動」となって現れてくるものでなくてはなりません。
よくありがちな左翼の弊害について述べられています。具体性の伴わない理想論をふりまく、というものです。〈天国を、地上で進路を見定める一つの考え方ではなく到着しなければならない目的地であると誤解〉(176頁)しているのです。
右の側だって(反動としての)アクティヴィズムだともいえるでしょう。右も左も疎外や疑念、恐怖を現状に感じるところまでは同じなのですが、その反動のあり方が異なるだけです。天国をノスタルジアの、ユートピアの対象にしているかの違いでしかない、のでしょう。
だから、右とか左の標識を取り去らなければアクティヴィストになることはできないのです。
レベッカ・ソルニット『暗闇のなかの希望』ちくま文庫 2023