私が第三劇場に入った理由~66期生・永澤萌絵~

感染症が流行する数ヶ月前。大学で演劇をすると決めていた私は、ピンクのチラシを片手に、とある舞台を観に行った。2019年度第三劇場新人公演『半裂き』。これこそが私が第三劇場に入った理由。

会場に到着し、大学遠いなとか、椅子が後ろに倒れてしまわないかとか色々考えているうちに開演時間。前説がはじまり、照明が落ちる。

次の瞬間、私はあっという間に引き込まれた。冒頭から90分間ずっと『半裂き』の世界が私に押し寄せてきて、圧倒された。人の心の深い部分を抉り取られ、暴きだされたような感覚がした。私に『半裂き』のことを話させたら、きっと何時間も語れる。それぐらい、役者も脚本も演出も音響も照明も、とにかく全てが衝撃的だった。帰り道には、いや、開演5分後ぐらいには、すでに入団を心に决めていた。

それから今、演劇が楽しくて仕方がない。役を演じることで、自分自身に向き合える、知らなかった自分に出会えるような気がする。全員で一つの作品に取り組むことで、日常生活では考えられないほど、他者と深い関わり合いができる。演劇をすることで、人生観が変わった、世界の見方が広がったと本気で思っている。

また、第三劇場の一番の特徴は、やはり「創作脚本」を上演することである。団員が一から戯曲に向き合い、各々の表現したい世界を作り上げていく。一から自分で考えているからこそ、作品に対して演劇に対して、熱量高く深く向き合っている。そのような団員が大勢いるから、様々な作風の作品に挑戦することができる。第三劇場に興味を持ってくださった方、一緒にサンゲキで演劇創作しましょう。

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