幸福度の社会学

幸福度研究に関する記事をよく読む。
大学時代からどうしたら幸せになれるかは非常に興味があった。
一生懸命勉強していい大学に入っていい企業に入って一生懸命働いて、たくさんお金をもらっても一定以上の収入になると幸福は増えないことが社会学では常識として語られていたので、じゃあどうしたらええねんと思い始めたのがきっかけである。

日々どうすれば幸せになれるかを考えても、結局一番幸せそうなのは、何も考えてないやつなのである。
僕らはそれを「割に合わん」と言っていて、20歳の頃から30歳になった今までゼミの仲間と飲む度に言っている。
なんとかそれを割に合うものにするために、何か作戦を立てたい。

幸福度調査にはさまざまな研究がある。

・猫を飼った人の99%は幸福度が上がった
・自己決定が幸福度の上昇につながる
・生活圏の移動距離の半径が大きいほど幸福度が高い
・人と積極的に関わりたいと思う人の方が幸福度が高い
・消費よりも制作活動に時間を使う人の方が幸福度が高い
・人のためにお金を使う人は自分のためにお金を使う人よりも幸福度が高い
・フィジーが最も幸せな国!
・いやいやブータン!
など様々な文書が乱立している。

幸福度について調べすぎると、フィジーかブータンに移住し猫を飼いながら毎日家を出てウロウロして人のためにお金を使わなければならなくなり、逆に自分の行動が制限されて幸福度が下がりそうになる。


僕は自分の経験から30歳の現時点での最も幸福度が高まる一つの条件を発見している。

それは、「腹がちぎれるぐらい笑う回数を増やすこと」だ。

「あかんあかん、もうやめてくれ、それ以上喋るな、ギャハハハハ!」のやつだ。 
僕の考える幸福度の高さは、「ハハハ」や「ウフフ」ではなく「ギャハハハハ、ヒィ、ヒィ、ギャハハハ!!」の回数。

収入や仕事など色んな環境の違いはあるが、毎日腹がちぎれるぐらい笑えていることに勝ることはないはずなのだ。

どうすれば幸福度が上がるとか色んな理論があるが、腹ちぎれるぐらい笑っている人の前では無力なのである。


具体的には、もちろんお笑いを見てそれぐらい笑うのも良いが、自分がその輪の中にいるのが理想と考える。
お笑いを見て腹ちぎれるぐらい笑うには、空間による一体感、教養とお笑いに対する感度やセンスなど条件が必要で、且つそこで自分に合うお笑いに辿りつく必要がある。

人の幸福度に最も影響を与えるのは、めちゃくちゃチョケる、ひょうきんな気の合う友達の存在なのではないかと考えている。

そういうことも含めて芸人という人生は最高だと改めて思う。お金があろうがなかろうが、面白い人が周りにいるという環境が何よりも幸福に近く、羨ましい環境だと僕は考える。
芸人のルームシェアなんてものは最高だ。

じゃあ芸人になれば幸せかというと、一概には言えない。
結果や人間関係によって辛いことも多いと思う。ただ幸福度が高く生きられる可能性が大きい職業ではあると思う。まじめに働いても給料は上がらずお金があっても幸せになれない現代において「子供の幸せを願う」のならば、親は芸人にさせた方がいいと僕は思う。

中学生、高校生の頃には腹ちぎれるぐらい笑う経験したことあるけど、大人になって腹ちぎれるぐらい笑ってないという人は、久しぶりにそういう友達に会って、当時と同じ遊びをして欲しい。何がそんなにおもろかったんやろう、とかもあると思うが、意識的にめちゃくちゃ笑うように努めると、周りもめちゃくちゃ笑いやすくなるので、きっかけさえあれば、腹をちぎれると思う。

ボケたがりのウザいやつのボケに一回めちゃくちゃ笑ってあげたら、もしかしたら意外と面白くなってくるかもしれない。
もしかしたらめちゃくちゃ疲れるだけかもしれない。

人間は最終的に「晴れてるだけで幸せ」とか、悟りの域に達することができるかもしれないが、どうやら色々と煩悩にまみれている年齢の間はそれは難しい。
僕自身も哲夫さんへの憧れから仏教の教えを一通り勉強したが、やはりまだまだ日々の意識を変えることは難しい。

「面白い人はゲラ」というお笑い界の通説があるが、自分の頭の中で面白さが膨らんでいくからだという。

なかなか常人にそれはできないので、とにかく笑うことに努めることが幸福度を高める入り口になると思う。


ちなみに、お笑いにおいて、腹ちぎれるぐらい笑うというのは、テレビや、作られたものを見るという行為では、なかなかそれを経験するのは難しいと経験上思う。
どういう展開が待っているのかなどを考えるとやはり腹がちぎれるぐらい笑うのは難しい。全く何も考えずに見られるお笑いは貴重である。

オススメはライブを現場で体感する、さらに言えば、現場でひたすらノリをやっているみたいなライブである。非tiktokerみたいなライブである。
そこはもちろんプロの技ではあるが、それを持ち帰ってゲーム的なノリで仲の良い友達とやってみると、すごく面白いかもしれない。

「これハマったら抜け出せへん」みたいなツボを多く持っておくことも重要である。そういうツボは大切にした方がいい。

長時間かけて誰かの腹をちぎり倒すという番組ができればその人を幸せにできるだろうなあと考えている。

「笑う門には福来る」はかなりことわざの中でも芯を食っているが、付け加えるとすると「腹ちぎれるぐらい笑う門には福来るか分からんけど、幸せ、それは福よりも尊い」ということだと思う。

要は
①笑う努力
②面白さの感覚が合うツレ
によって、金持ちも羨むような幸福度で生きていけるのではないかと現時点の僕は考えている。

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