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カレーパン

【2大Twitterキャンペーン①】

ハッシュタグ #ガイアールカイザー をつけて①か②どちらかを自由につぶやこう!
抽選で100名様にプレイマットが当たる!

①ガイアールカイザーの思い出や期待など
②好きなカレーパンについて

#デュエプレ
https://twitter.com/dmps_info/status/1570337878554591233?s=46&t=FP3E0TRu3xIPcO6HI6c9ig


「カレーパンねえ……」
 うつらうつらスマホの画面をスクロールすれば、TLにはスパムの如くハッシュタグ付きの投稿が溢れかえっている。

 どうせカレーパンなんかに思い入れなんてないくせに。誰も彼も、抽選という言葉に目が眩んだか、他人のツイートに便乗しているかだ。餌に群がる鳩と同じようなもので、眺めるだけでも時間と労力の無駄でしかない。

 ハッシュタグをミュート対象に設定して、大きな欠伸とともに首をもたげる。すると、ふと視界の端に見慣れない物体が映る。それは、机の上からどこか不満そうにこちらを見つめる、一個のカレーパンで……


 カレーパンがこちらを見ている?一体どういうことだ?


 やや間を開けて、目を擦ってからもう一度それを凝視してみる。
 するとそれは、既に何の変哲もない未開封のコンビニのカレーパンに変わっている。
 否、最初からそれは何の変哲もない未開封のコンビニのカレーパンだったのだ。

 それなら視線の主は別にいるのかと思い周囲を見渡すが、当然部屋の中には自分ひとりしかいない。窓の外から野良猫が覗いてきているわけでもない。

「……まいっか」
 おそらく疲れか眠気にやられて、頭が回らなくなってきていたのだろう。心なしか先程よりまぶたが重くなっているような気がする。もう寝た方が良さそうだ。
 数刻前に感じた視線を思い出そうとしても、もうごく普通のカレーパンの形しか思い出せない。結局、何も不思議なことなど起きてなどいなかったのだ。これではツイートのネタにすらなりはしない。

 適当にツイートして寝るか……と、再びスマホを手に取った直後、何かに思い当たって手を止める。

(そういえば、さっきなにかツイートしようとしてなかったっけ?)

 頭の隅に引っかかるものを感じ、打ちかけた「おやすみ」の文字を消して、下書き欄を開く。


 その一番上に残されていたのは、地面を背景に手で掴まれた、未開封のコンビニのカレーパンの写真、そして「#ガイアールカイザー」であった。

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