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【デュエプレ】最高のルール「ヒラメキオリジミラー」

ごきげんよう。


突然ですが皆様はこちらのデッキをご存知でしょうか。

恐らく、全く見覚えのない方も多いでしょう。それどころか、「これは果たしてデッキなのか」とすら思われる方もいるかもしれません。

しかし、このデッキはデュエプレの歴史上に確かに存在していました。

それは、環境デッキとしてではなく。
SPルール「ヒラメキ・デュエル」におけるレンタルデッキとして、です。


このデッキの名は……

光水自然ビートダウン(オリジ』。




・各プレイヤーはレジェンドスキルにより、以下の効果を得た状態でデュエルします。

【レジェンドスキル】
自分のターンの終了時、そのターンにバトルゾーンに出た自分のクリーチャーをすべて、それぞれのコストより1大きい、ランダムな進化でないクリーチャーに変身させる。

デュエプレ公式サイトより引用

ヒラメキ・デュエルは、出したクリーチャーがランダムに変身するということから、ガチャを回すような感覚でクリーチャーを変身させてはその結果に一喜一憂する、愉快な運ゲーであると言える……はずでした。

実際には非情にも「突き詰めると【バルガライゾウ】や【エンペラー・キリコ】など、1ターンで勝負を決められてヒラメキに左右されないデッキが強い」という悲しい現実が横たわっていました。
当時の記録が残っていますので気になる方はご参照ください。


そんなヒラメキ・デュエルにおいて、レンタルデッキとして運営が用意した『光水自然ビートダウン(オリジ』もその摂理には抗えず、変身の不安定性ゆえ強力なデッキでは決してなく、使用率も高くはありませんでした。

やがてSPルールマッチの期間は終了し、この『オリジ』もさして注目されることもないまま、ヒラメキ・デュエルというルールそのものとともに人々の記憶から忘れ去られていきました。


……が、これはヒラメキ・デュエルと『オリジ』が消滅したことを意味していたわけではありませんでした。

引き続きルームマッチでは遊べたものの、余程の物好きか、デュエリストの魂を賭けた仁義なきデュエルに臨む者くらいしか寄りつかない過疎ルールと化していた、ヒラメキ・デュエル。

それ故にさしたる開拓もされていませんでしたが、数ヶ月の時を経て、あるプレイヤーによって"それ"は発掘されてしまったのです。

私だ


このデッキ、"ミラー"が楽しすぎる。




ヒラメキ・デュエルでの『光水自然ビートダウン(オリジ』のミラーマッチ──ここでは「ヒラメキオリジミラー」と呼ぶことにします──は、様々な要素が絡み合い、他のルール、他のデッキでは実現し得ないような応酬が繰り広げられ、まさに奇奇怪怪の様相を呈します。

再掲

その理由は、この『オリジ』の洗練されたリストにあります。
一見すると4×10の淡白なリストでありわかりにくいですが、その実ミラーマッチを面白くする要素がこれでもかと詰め込まれているのです。

ここからはそれらを具体的に紐解いていきましょう。

1.クリーチャーのヒラメキ適性が高い

ヒラメキ・デュエルでは出したクリーチャーが別のクリーチャーに変身してしまうため、場に残って能力を発揮するものよりは、場に出た時に仕事ができるものの方がメリットを享受しやすいです。また、場に残るのがデメリットになるクリーチャーも、変身によって帳消しにできるため相性が良いと言えます。

『オリジ』に採用されているクリーチャーのうち《黙示賢者ソルハバキ》《青銅の鎧》《ツクモ・スパーク》《薔薇の使者》《霊騎コルテオ》はこれに該当します。

さらに、名目コストが大きいが早期に召喚できるクリーチャーもヒラメキ適性が高く、これには《オリジナルネイチャー》や《オリジナル・サイン》からの《コルテオ》が該当します。

このように、ヒラメキのメリットを受けやすいクリーチャーが多く採用されているため、プレイヤーが積極的にヒラメキ・デュエルの本来の醍醐味である変身による運ゲーを楽しむことができるようになっているのです。

尤もこれは運営がユーザーにヒラメキ・デュエルを遊んでもらうために用意するレンタルデッキとしては必要条件であり、これを満たしているのはある意味当然と言えましょう。


2.トリガーが豊富である

『オリジ』には16枚もの防御トリガーが入っている上に、バウンス、マナ送り、タップ、ブロッカーと綺麗にその種類が分かれています。

テキストは近年のサインよりだいぶ強い

デッキ内にトリガーを無効化する手段は一切入っていないため、攻める側からすれば余程ヒラメキの出目が良くなければ全てをケアすることは不可能に近いです。
逆に攻められる側には最後まで逆転のチャンスが残るということでもあります。

トリガーで変身前の《ツクモ・スパーク》を除去されて大型を踏み倒される、という大裏目も存在し、トリガーの踏み方が試合を左右することも多いです。

特殊なルールでありながら、S・トリガーを巡る攻防というデュエマの醍醐味たる運要素を十分に味わうことができるのです。


3.除去手段がある

さも当然の疑問として「《オリジナルネイチャー》がヒラメいて強いクリーチャーになったらゲームが崩壊しない?先攻有利では?」というものが考えられますが、『オリジ』にはこれに対する回答もしっかりと用意されています。

具体的には、大型に変身されても《ツクモ・スパーク》と《アクア・バースター》及び《策略と魅了の花籠》によって除去することが可能になっています。

真のキーカード

一方で、《邪霊神官バーロウ》などハズレのクリーチャーに変身した場合は除去せずスルーすることもできます。
除去は全て使い切りで、《ツクモ・スパーク》以外の除去はヒラメキのアクションを伴わないため、除去ばかりしていては後手に回ることは明らかです。

このことから、どのクリーチャーにどのタイミングでどの除去を切るのかという判断が必要になります。

前二項とは打って変わってプレイングの精度を要求する要素であり、このヒラメキオリジミラーがただの運ゲーに留まらない理由になっています。


4.除去に対するカウンター手段がある

前項で除去手段があると述べましたが、それらはバウンスとマナ送りに限られます。

当然ながら手札に戻しても再び召喚され、さらに大きいクリーチャーに変身されるリスクがあります。
さらに、《花籠》でマナに送ったとしても、まるで対策を意図したかのようにマナ回収ができる《ソルハバキ》が4投されているため、同様に手札に呼び戻すことが可能です。

そして、《青銅の鎧》と《薔薇の使者》のマナ加速があること、トリガーと除去の応酬でターン数が嵩みがちなことも相まって、手札に戻った大型獣の再召喚が現実的に可能であることも重要なポイントです。

このように、ヒラメキオリジミラーは「先に《オリジナルネイチャー》でヒラメいたら勝ち」ではなく、まして「ヒラメいても除去されて終わり」でもありません。
ワンサイドゲームになることは滅多になく、大型獣のやり取りを軸に緊迫した攻防が繰り広げられることが多くなっています。


以上のように、運営はすべてのユーザーがヒラメキ・デュエルというルールを最大限楽しめるように、その入り口となるレンタルデッキにミラーマッチが楽しくなる要素を大量に仕込んでいたのです。まさに達人の所業と言わざるを得ません。

運営のデッキビルド力は私の想像の範疇をはるかに逸脱していました。
そのことに気づかなかった私は愚かにも滔々と運営への罵倒などを垂れ、デッキビルド杯の選考への文句をツイートしていたという有様です。それにも関わらずこれまでビルド杯に入賞したり抽選に当選したりしていたのは、たまたまそれらのツイートが見つかっていないからに過ぎないのでしょう。

己の愚鈍さを恥じるばかりでございます。




さて、ここまで散々『オリジ』とそのミラーマッチの素晴らしさについて褒め称えてきましたが、ここで一つ残念なお知らせがあります。

こちらの画像は現在ヒラメキ・デュエルのルームマッチで選択できるレンタルデッキの画面です。

ご覧の通り、『光水自然ビートダウン(オリジ』がありません

何を隠そう、『オリジ』は2度目のヒラメキ・デュエルのSPルールマッチが開催された際に、残念ながらレンタルデッキから削除されてしまいました。

故に、今からヒラメキオリジミラーで遊ぶためにはデッキ内のカードを自分で生成して揃える必要があるのです。

とはいえ構成カードのレアリティはそう高くなく、誰でも持っているような汎用カードも多いです。ネックになるのはVRの《オリジナル・サイン》とRの《薔薇の使者》くらいでしょう。

その程度であれば、多少ポイントを工面してあげれば生成してやれないことはないはずです。
私も《薔薇の使者》はこのデッキのために3枚生成しましたしね。皆様も生成しましょう。




以上、「ヒラメキオリジミラー」のご紹介でした。

皆様も普段のランクマッチや大会とは違った刺激が欲しくなった際には、ぜひこの『オリジ』を組み、お友達とミラーマッチで遊んでみてはいかがでしょうか。

それでは、ごきげよう。

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