サンテ、パコ、デ…… なんだっけ?【デュエプレデッキビルド杯】
こんにちは。三賀(さんが)です。
今回は私が14弾の「デュエプレデッキビルド杯」に投稿したデッキの中から、いくつかピックアップしてご紹介いたします。
以下常体
『超次元パコ』
こちらは《伝説のサンテ・ガト・デ・パコ》がテーマのデッキである。
誰?と思われた方も多いのではないだろうか。
……というほど知名度は低くないような気もしてきた。どっちだよ
このクリーチャーの名前を間違えずに言えるか、アンケートをとってみた。
これを多いと見るか、少ないと見るか……
名前は言えないけど知ってはいる、というパターンもあるはず。投票数の少なさもあって、これでは認知度は測りかねる。何の意味があったんだ
パコの問題点、パコ問
閑話休題。
彼は9弾のVRである。
7コストの進化クリーチャーで、ドリームメイト(以下「ドリメ」)とアーク・セラフィム(以下「セラフィム」)のコストを1下げ、それらが出た時に1ドローできる。
両種族には小型が多いので、それらを出してドロー、また出してドロー、という風に立て続けに並べていくデザイン。
と、ここまで聞いてこのクリーチャーの抱える問題が察せられる人もいるだろうか。彼をランクマッチはおろかSPルールでも滅多に見かけることがないのには、当然理由があるのだ。
まず、重い。
《キリコ》や《ドルバロム》のように踏み倒し手段があるならまだしも、場に進化元が必要な7コスト以上の進化クリーチャーとなると、出すだけでも一苦労である。
こうなると《キング・アルカディアス》や《死神明王 XENOM》くらいに単体で活きる決定的な能力を持っていて欲しいものなのだが、こいつといえば出ても1ドローするだけで、能力を活かすには手札に他のクリーチャーの用意が必要である。
まさに「クソデカミストリエス」。
また、セラフィムとドリメにはそれぞれ強力な進化クリーチャーが存在している。ご存じ《聖帝ソルダリオス》、《独裁者ゲンジ・パンダネルラ将軍》である。どちらも能動的にクリーチャーを展開できる能力を持つカードで、コストも《パコ》より低い。種族デッキを組むならこれらを軸にした方が、勝ち筋もわかりやすく強いと言わざるを得ない。
極め付けは、【グレートメカオー】の存在。リソースを確保しながら小型を並べるなどというのは、こんな重い進化クリーチャーを使うまでもなく、7弾の頃から彼らがガチ環境でもこなしている仕事なのである。
進化先となるフェニックスについても、《ヴィーナス》は共通、《マーキュリー》は《ビックバン》よりも分かりやすいフィニッシャーであり、フェニックスを軸に据えるなら差別化には難儀する。
なぜパコなのか
そんなこんなでランクマッチではマイナーカードに甘んじている《パコ》だが、今回の戦場はデッキビルド杯。
"採用理由は愛"で十分なのである。
すなわち今回は、「パコにしかできないこと」を開拓し他デッキとの差別化を図るのはほどほどにして、「パコにできること」を最大限引き出す方向性で行くことにする。
そもそも何故今回のビルド杯で《パコ》なのかと言えば、実は12弾から14弾にかけて相性のいいカードが収録され、デッキとしてかなりの強化を受けているからである。
12弾の《霊騎コルテオ》は言わずと知れた強力トリガー。セラフィムなので軽減&ドローの恩恵を受ける。
13弾の《超次元フェアリー・ホール》は《ウルコス》や《バンジョー》の次ターンに撃てて、5→7で《パコ》に繋がる。横並べと相性が良く、不足するパワーラインも補ってくれる《ジャパン》も出る。
14弾では《フェアホ》からなんと《パコ》の進化元となる《時空の探検家ジョン》を出せるようになった。ついでに《時空の英雄アンタッチャブル》も《ヴィーナス》の進化元になる。
さらにS・トリガーの《桜丸パグのすけ》も登場。《パコ》下では、手札にクリーチャーがいなくても余った2マナで登場して展開を継続できる。
これだけ強化をもらっておいて組まずにいられるだろうか。
組んでみた
とりあえず、7マナで《パコ》を出すためには、進化元を用意しつつ2回マナ加速をするのが望ましい。
そこで、進化元として使いやすい《ウルコス》《バンジョー》、初動の《ライフ》は確定で、上記の強化パーツ、フィニッシャーの《ヴィーナス》も加えて、上記画像の30枚をベースにした。
(実際に使用する際は《フェアホ》は3枚で妥協した。)
この時点では光が10枚と少ない。光の5コストホールも是非入れたいところ。
初動も追加したいのだが、色の兼ね合いと後半での腐りにくさの観点から、《石板》《ライフ》の8枚体制とするのではなく《マンモキャノン》を選択。
その《マンモキャノン》と《ウルコス》《バンジョー》の次に《パコ》を出せるようになる《ギフト》も投入。
その他の候補は以下。
・《天雷の導士アヴァラルド公》……トリガーの《スパーク》への差し替え、超次元呪文の増量などで呪文比率を高めるならアリ。《レングストン》はナシ。
・《超次元ドラヴィタ・ホール》……《ライフ》《ギフト》を拾えるならキャントリップ感覚で使える。初動を《石板》にするのも一考の余地あり。
・《霊騎アラク・カイ・バデス》……パワカ。《ヴィーナス》との相性がイマイチ。
・《霊騎プリウスライザ》《霊騎キヨマサ・コムソー》……《ウルコス》の5枚目以降。前者はマナカーブが合致せず、後者は相手依存。
デッキビルド杯に投稿したレシピはこちら。
この後でもう少し調整した結果、冒頭に掲載した画像のようになった。
未所持の《フェアホ》は「もう1枚入れてえよ……」という気持ちの表れ。
使ってみた
デッキが完成したので、実戦に持ち込んでみようではないか。(実際には調整段階でも回してはいる)
とりあえずカジュアルマッチで数戦。
……意外によく回るな。
やはり《フェアホ》の追加によって進化元を用意しながら7マナに繋ぐのが容易になっている。
それだけにとどまらず、《パコ》召喚後も当然腐らないし、《チャクラ》や《ジャパン》プランで勝つ試合もある。
パコ、お前、やれるのか……?
ということでADに特攻することに。(普段なら絶対やらない。)
この後【Bロマ】に《ジョン》がぶっ刺さって勝利。1勝1敗。
と、ビビってこの辺でやめておくことにした。
そもそもこのデッキ、先述の通り他デッキとの差別化をしていない。
《ウルコス》《フェアホ》《パコ》とやるのと、《呼び声》《アイニー》《ライゾウ》とやるのとどちらが強いか。
《ジャパン》含めて4体並べるのと、リキッドピープルを4体並べるのとで、どちらが容易か。
ランクマに潜ると嫌でもそういった邪念に囚われてしまうのである。
皆様は調子に乗らず、カジュアルマッチで彼らを可愛がってほしい。
もし勇気があるなら、ランクマッチで使ってあげてもよいが。
熱い掌返し
散々《パコ》が強化されているような話をしてきたが、実際に使ってみたところ、残念ながら彼自身の弱点は何一つ改善していないことがわかった。
パコ問をおさらいすると、
・重い
・単体で機能しない
・ライバルが強い
・メカオーで良くね?
これらは……別に新カードでは解決していない。
強いて言うなら《フェアホ》が【メカオー】との差別化点になったくらいか。
まあ展開しながらのドローの気持ちよさが彼の強みなので、ってことでいいんじゃないか。
やはりパコはパコ、カジュアルデッキはカジュアルデッキ、という結論に落ち着いた。
もし、彼を使ったガチデッキが組めたなら、ぜひ教えてほしい。
バタフライマグナム
パコの話が想定より長くなってしまったので、ここからはサクサク紹介していきたい。
《電脳大河バタフライ・ブランデ》は、出た時だけでなく破壊された時も連鎖能力を使えるクリーチャー。
連鎖はコスト踏み倒しなので、お互いに踏み倒しメタを張る《百発人形マグナム》の能力が発動。《ブランデ》を即座に破壊できる。
《マグナム》の破壊がターン1になっていなければ成立しないコンボだった。
また、テキストが「(この効果は、各ターン中1回〜)」ではなく「初めて」になっているおかげで、《ブランデ》破壊時の2回目の連鎖で《マグナム》が出た場合は破壊効果が発生しない。
最近のデュエプレでは「初めて」より「各ターン中1回」が好まれる傾向にあるが、このコンボは前者がメリットになる珍しい例である。
さて、このデッキで勝つ手段は小型を並べてビートダウンを仕掛ける以外ないのだが、速攻と呼べるほどの速度が出るわけでもなければ、トリガーが厚いわけでもない。
例えば《ダイダロス》というメインアタッカーがいる方が、デッキの動きがはっきりしている上に強いだろう。
そこで、この際デッキの強さは度外視して、破壊コンボにこだわることにした。
単純に強いからという理由で入っていた《デスマーチ》《クゥリャン》は抜き、《ゴワルスキー》が出ない事を減らすべく《メルゲ》を投入。やや取り回しの悪かった《ヤヌス・クロウラー》も増量。
というわけで再投稿版がこちら。
《マグナム》《バタフライ》コンボは“おもしろい”のでぜひ試してみてほしい。
きっと、「おもしろいけどどうやって勝つの?」という気分になるだろう。私が知りたい
緑単ループ
①《アラゴト・ムスビ》《羅月トルネード》を1コストまで軽減する
②マナか手札から1マナで《アラゴト》召喚
③1マナで《アラゴト》を《羅月》に進化。cipでマナからクリーチャー回収(任意)
④増えた1マナでもう1体《アラゴト》召喚、cipで《羅月》と進化元を戻して1ブースト
山札の許す限り、③④をループしてマナを好きなだけ増やし、手札に好きなだけクリーチャーを抱え込むことが出来る。
あとは途中で手を止めて1マナ捻って《ディメンジョン・ホーン》を待機。ターンが返ってきたらタップスキルを使うなり、《神羅》や《バリアント・バデス》で殴るなりで勝つ。
(《ヤヌス》を入れれば18マナタップスキルで《ヴァーミリオン・ドラヴィタ》をSAにできるのだが、構築時点では気づいていなかった。)
TCG版では「ループ」の概念は遍くプレイヤー間に浸透しているのかもしれないが、デュエプレではあまり馴染みがない。もしかするとTCGプレイヤーはこう思うのだろうか。
「え?ループしたのにターン返すの?」
「ループしたのに殴るの?トリガーケアは?」
……ご勘弁願いたい。
一応、《ディメンジョン》2匹で《ヴァーミリオン》と《ディアボロスZ》を並べればトリガーはだいたいケアできるだろう。
そもそもの話、《未来設計図》こそ入っているもののコンボの再現性はお察し。実戦で決まることはほぼ無く、勝つときはだいたい《ビシャモン》の軽減とパンプで無理矢理殴るか、《バデス》でシールドを吹っ飛ばすか。
デストラーデトリファリオン
つまりはそういうことである!
《オボロ》《ウルコス》で準備!《デストラーデ》召喚!
《トリファリオン》とそのcipで出るクリーチャーが全員連鎖!!
うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
……ん?
……もう場の空きが3体分しかない。バウマッタロマイオンこれでは普通に召喚するのと変わらないではないか。解散だ解散。
というか、そもそも6コストの多色クリーチャー2体のコンボの時点で再現性が終わっている。《デストラーデ》にブロッカーがついているわけでもないし。相手が無抵抗のルピコである時点で察してほしい。
おわりに
このほかにもいくつか投稿したが、特に書くこともないので省略した。
14弾のデッキビルド杯は大変難しかった。
単なるカードプールの拡大にとどまらず、超次元ゾーンの本格導入、そして複数のキーワード能力の追加。
いわゆる入力に対する出力が複雑なカードが多かった。
TCG未経験の身からすると、効果を把握するだけでも一苦労。新弾発売からビルド杯締切までの期間が回数を重ねるごとに短くなっているのもあり、満足にデッキを組み切ることはできなかった。
まあその辺りは仕方がないと割り切って、デッキビルド杯の期間外であっても制作を続けていきたいと思う。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ごきげんよう。