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「どうでもいいこと」


「宝くじ売り場」

宝くじ売り場に
【この売り場から一等12億円が出ました】という看板が出ていた。
「すごいな! ここで買おうかな!」と友人が言った。
「あっ、そういうタイプ?」
「そういうタイプって?」
いや、ここで既に一等が出てたら、もう次は中々ないんじゃないかと思って、他で買おうかなと思う人も一定数おるやろ。
「おらんやろ」
「いや、おるやろ」
でも、宝くじ売り場で
【この売り場から今まで一回も当たり出てません!】て書いてある所ないよな。
「そこでは買いたくないやろな」
少し笑った。

「auの通信障害」

auの通信障害で友人は携帯電話の電波が入らず、
コンビニのイートインやカフェをハシゴしWi-Fiを使っていたらしい。
「今、カフェのWi-FiでLINEしてる」
「復旧したけど、またダメになるかもしれない」
「数時間に数分だけ電波が入ったりする」
逐一、僕にauの通信情報を教えてくれた。
「大変だね」
「早く戻ったらいいね」
と僕は全てのLINEに返信した。
通信障害が解消されて、友人からLINEがきた。
通信障害の間にLINEがきたのは僕からだけだったらしい。

「おっぱい図鑑」

心斎橋アメ村にあるヴィレッジヴァンガードが閉店した。
友人とよく言った思い出の店だ。
僕と友人は何を買うでもなく、いつも店内をふらふらするだけで、いい客とは言えなかった。
でも、いろんなものを見ているだけで楽しかったし、瓶のコーラをじゃんけんで負けた方が奢るというゲームをしたり、いろんな思い出がある。
ある日、友人が【おっぱい図鑑】という本を見つけた。
Aカップのおっぱいから始まり、
BCDEFGHと捲るたびに大きなおっぱいが現れる図鑑だった。
友人はその図鑑を見ながら嬉しそうな表情を浮かべていた。
その姿を見ていると、とても微笑ましかった。
30歳を過ぎた友人が中学生のあの思春期のような表情をしているのがおもしろかった。
僕は少し離れて友人がおっぱい図鑑を眺めているのを見ていた。
いきなり、友人が慌てて図鑑を閉じて棚に戻した。
動揺している友人の姿を見てびっくりした。
どうしたの、と聞くと、
「いや、べつに」と小さい声でつぶやいた。
すると、死角から一人の女性が現れた。
音で気付いていたのか。
本当に中学生みたいじゃないか。
帰り道、友人が
「後ろから見とけば良かった」と悔しそうな表情で僕に言った。
何歳になっても、男は変わらないし、ヴィレッジヴァンガードが閉店したのはやっぱり寂しい。


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