さねとみのMTG日記(2019/9/17~9/24)

(前回の粗筋)
モダンシーズンのMCQに出場することになったさねとみは、回していて気持ちが良いという理由から4C復讐蔦を使用ことを決意する。
1日(気持ちの上では)1万回の一人回しを経て優勝を確信したさねとみであったが、疲れからか不幸にも4-4and2-4というゴミのような成績に衝突してしまう。
翌週に控えるMCQ群馬に向けて、さねとみが提示するソリューションとは。

1.反省of反省

というわけで、前回日記 の続きです。
前回はマリガン回数とサイド後の勝率がデッキの問題点と分析した上で、各問題点を改善しMCQに臨んだ結果、改善前より成績が悪くなったというところで日記が終わっていました。
改善前まで成績が悪くなったとはいえ、たかだか一回の大会の成績ですので、結果を絶対のものとすることこそしないものの、やはり使用感はイマイチ。
次のMCQまでの1週間で、具体的にどういった点が使用感を悪くしているのかをさらに分析したところ、デッキの問題点は下記の点にあるようでした。

①発掘と書いてあるカードが弱い
 具体的には≪壌土からの生命≫と≪ゴルガリの凶漢≫の系4枚です。これらのカードは墓地をそれほど掘れるわけでもない(=ゲームの趨勢に与えるインパクトが小さい)ため、ただ発掘するという使い方では弱い場面が多い印象でした。確かにクリーチャーがどうしても欲しい場面や、土地がどうしても欲しい場面というのは存在するのですが、それは戦場に≪面晶体のカニ≫がいる場合であったり、墓地が十分に超えていて、≪復讐蔦≫を場に返したい場合など、前提を必要とすることが多く、いわば勝ちをもっと勝ちにするカードという印象です。さらに、ドレッジでは協力なアクションとなる≪壌土からの生命≫を打ち、土地をセットしてゴーというアクションが、このデッキでは弱いという事情もあります。
ドレッジはデッキから墓地に落ちることで作用するカードと、デッキを全力で掘るカードを中心に組まれている為、2ターン目に≪安堵の再開≫から墓地を10~15枚肥やして以降は、毎ターンドレッジを繰り返すだけでクリーチャーが無限にわいてきます。
一方で、4C復讐蔦はというと、まず復讐蔦を場に返すためにクリーチャーを2体唱えることが必要なターンがありますし、≪臭い草のインプ≫などを入れるスロットがない以上、毎ターン安定して墓地を肥やし続けることもできません。そのため、土地をセットしていればデッキが回るということはなく、≪壌土からの生命≫を打ってセットランドゴーは1ターンパスに近い意味を持ってしまうのです。

②燃焼が弱い
 これは①とも関連する話なのですが、このデッキは燃焼を大きく打てる機会がとても少なく、燃焼は2マナで3~4点を振りまく弱いカードでしかありませんでした。というのも、ドレッジと違いハンドのカードを普通に使う機会が多かったり、①で書いた通り≪壌土からの生命≫をするという動きが強力なアクションでない場面が多い以上、ハンドに土地をたくさん返すというシチュエーションも少なく、結果として≪燃焼≫を打ちたいタイミングでハンドが6枚も7枚もあるということは非常に稀なのでした。
また、燃焼を採用することによるマナベースへの負担も無視できるものではありません。
このデッキは、ほぼ毎回≪湿った墓≫→≪草むした墓≫の順でランドを持ってきます。1t目の≪湿った墓≫は、2t目蟹の受けを作る意味でも必須で、2t目の≪草むした墓≫は、≪ロッテスのトロール≫や≪忌まわしき回収≫の受けを作る為にもほぼ必須です。このデッキはマリガンの関係や、そもそもの土地枚数が少ないこともあり、初手は土地2枚のことがほとんどなので、ほぼ毎回≪湿った墓≫→≪草むした墓≫の順で土地を持ってくることになります。
ここに≪燃焼≫をいずれ打つことを意識すると、この後≪血の墓所≫→≪血の墓所≫と持ってくることになります。その為、≪燃焼≫は最速で4ターン目に打つことになりますし、もっと早く打とうと思ったらウケをつぶしながら動かざるを得ないということになるのです(ちなみに≪燃焼≫を4ターン目に打というと思うと、≪復讐蔦≫が手札からキャストできません。なんて不自由なマナベース)。
デッキにたかだか2枚、しかも打ってもそれほど強いわけではないカードのために、プレイ・マナベースに負担をかける価値はないというのが結論でした。

③記憶の奔流が中途半端
 ≪記憶の奔流≫は、1マナで8枚のカードを削れるという点でバリューが大きいのですが、1ターン目に打つ場合は4枚(つまり≪秘本掃き≫より1枚少ない)で、2ターン目に打つ場合は前準備が必要です。
そもそも2ターン目以降に打つ場合は≪不可視の一瞥≫のほうが値が大きいですし、≪忌まわしき回収≫のほうが3ターン目にビッグアクションをするという点では安定感があります(墓地を肥やしながらクリーチャーか土地の必要な方を以てこれるため)
  ≪秘本掃き≫としても≪不可視の一瞥≫としても使えるという長所はあるものの、バリューはそれぞれのカードに劣るわけであり、≪不可視の一瞥≫として打つためにはクロックが止まってしまったりと、中途半端な緩いカードというのが使用してみての反省でした。

④繁殖池が害悪
 ≪繁殖池≫が不要を通り越して害悪でした。というのも、このカードがあってうれしい場面というのがこのデッキにはほぼ存在しないのです。このデッキは蟹の関係上1ターン目に青マナを置きたいのですが、かといって黒マナが出ない土地を1ターン目に置くことで次のターン以降の動きが途轍もなく制限されることになるのです。
そもそも、アオマナを必要とするカードは、サイドボード後も含めて≪面晶体のカニ≫と≪秘蔵の抱合体≫の系8枚であり、片方は(結構あるとはいえ)手札から唱えることは前提にありません。一方で黒1マナのカードは3種12枚採用されており、2マナ域には黒黒のカードも用意されています。
その為2ターン目、3ターン目に≪復讐蔦≫を場に返そうとした時に黒ダブルシンボルであったり、トリプルシンボルを要求されるのは半ば必然なのですが、≪繁殖池≫があっては達成できません。(4ターン目以降になって≪復讐蔦≫が場に返るのでは遅すぎます)
よって、≪繁殖池≫は不要、どころか初手にあっても土地をカウントし難い害悪カードということができるでしょう。

2.改善 of 改善

上記のような無限の反省を経て、生まれ変わったデッキがこちらです。

画像1

基本的に上記の反省点をリストに反映した形ですが、ポイントとなるカードをいくつか紹介します。

①秘本掃き
 基本的に1ターン目に打つようカードです。このデッキを回した時の敗因として「墓地の落ちが悪く負け」や「墓地掘れず負け」というパターンが目につきました。墓地を肥やすカードはいろいろ選択肢があるのですが、≪不可視の一瞥≫はデッキの分周りである2ターン目≪復讐蔦≫に貢献しないため、初動として一番墓地を肥やせる≪秘本掃き≫を採用しました。

②忌まわしき回収
 2ターン目≪復讐蔦≫の動きに寄与しないまでも、3ターン目≪復讐蔦≫の動きに大きく貢献する為、採用となりました。3ターン目≪復讐蔦≫の重要性は後述しますが、3ターン目に≪復讐蔦≫に必要なカードがクリーチャーか土地かはハンドによってまちまちです。その為、≪不可視の一瞥≫よりも≪忌まわしき回収≫の方が安定して3ターン目≪復讐蔦≫をかなえてくれるわけです。

3.要点 of 要点

さて、次はこのデッキを回すうえでのワンポイントを解説します。

①ぬるいキープはしない
 このデッキを回すうえで一番重要なのはキープ基準です。このデッキはメインボードに妨害がありません。その為、こちらから押し付けに行かないと、即座に敗北することになります。モダンの競技レイヤーで使用されるデッキで、かつプレイヤーがある程度まともであれば、おおよそ4・5ターン+除去の枚数程度でゲームを終わらせるようなハンドをキープしてくるというのが所感です。
その為、ぬるいゾンビビートダウンハンドや、3ターン目を越してなおまともに盤面を作れていないという状況は、大体の場合取り返しがつかないのです。その為、このデッキは2・3ターン目に≪復讐蔦≫を場に返す=盤面を作り、そこから2・3ターン後には相手を撲殺していることにとても強く拘る必要があるのです。

②2ターン目≪復讐蔦≫か3ターン目≪復讐蔦≫を見極める
 このデッキは2ターン目に≪復讐蔦≫を場に返すか、3ターン目に場に返すかで大きく動きが異なります。2ターン目に場に返すことを目標とする場合、2ターン目のアクショは≪面晶体のカニ≫+土地という動きよりも≪忌まわしき回収≫や≪ロッテスのトロール≫の方が良いからです。
 この判断はかなり難しい(裏目が常に存在している)上に、対戦相手によっては2ターン目≪復讐蔦≫をめざなければならないマッチアップも存在するなど、一番使い込みが試される部分かもしれません。
 基準を単純にするのであれば、≪面晶体のカニ≫+フェッチランド+1マナ域のクリーチャーの動きができるのであれば2ターン目≪復讐蔦≫を目指し、それ以外いけそうと思ったとき以外は3ターン目≪復讐蔦≫を目指すのがよいでしょう。

4.結果 of 結果

さて、万全の準備をしていったMCQ。これは優勝以外ありえないという感触を持っていましたが、果たして結果は。

R1:イルハグシュート ××
R2:ハイブリットトロン 〇×〇
R3:トロン 〇〇
R4:タイタンシフト 〇〇
R5:トロン 〇〇
R6:バーン ××
R7:純鋼ストーム ××
R8:バーン 〇×〇

というわけで5-3と、今までは一番ましですが、よくはないという結果に落ち着きました。
R1のイルハグシュートは、まさにモダンといったデッキで、妨害がなければ4キルのお手本のようなデッキです。(2Gとも、2tプリズム→3tイルハグ→4t死亡)の流れでした。
R6のバーンに関してですが、≪復讐蔦≫系デッキを使っている人間はのきなみバーンには有利と言っていますが、個人的には全然有利とは感じません。
完全に≪這い寄る恐怖≫が何枚捲れるかというゲームになるため、墓地を肥やせるハンドでないとキープできないですし、サイド後はそういうハンドをキープして≪安らかな眠り≫で一発KOの恐れすらあります。
R7の純鋼ストームは相性最悪といった感じで、なすすべはないですね。(相手からすれば、常に自分との闘いでしょうけど)

といった感じでモダンMCQは終了。一度もTop8に入れずと、ちょっと寂しい結果に終わってしまいましたが、モダンをしっかりやりこめたし、デッキ調整にがっつり取り組めた為いい経験になったと考えています。(モダンを競技でやりたくないという感触は強く持ちましたが)
エルドレインの王権も発売されることですし、しばらくはリミテかスタン漬けの生活になるかと思いますが、機を見てまたこのデッキで遊びたいですね。

次回更新予定:10/7(月)

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