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ドリンク

 俺は仕事の休憩でカフェに来ていたところ、奥のテーブル席で2人の女性が会話しているのが見えた。眼鏡をかけた女性と、ショートヘアーの女性。眼鏡をかけた女性の方はスーツを着ていて、鞄の中に大量の資料、しかもなにやらピンク色のドリンクみたいなのを持っていた。まさか…?

 俺の予感は的中した。眼鏡の女性がショートヘアーの女性に大量の資料とピンク色のドリンクを差し出してきて、これはカフェとかでよく行われるあれだった。

 「このドリンクは美容効果だけでなく、健康増進や筋肉増量も期待できます!しかも最初の1杯のみタダです!いかがですか?」

 「え、まぁ…それなら…。」

 ショートヘアーの女性はそのドリンクを飲んだ。すると

 「うわ、これすっごくおいしい!」

 「でしょ?これであなたも健康になれます!」

 あまりの美味しさに、ショートヘアーの女性は一気に飲み干してし、その後も2人は話をしてその日は解散した。

 それから数日後、俺は仕事の休憩時間にこのカフェに来ていた。すると例の2人組がまたいた。

 ショートヘアーの女性は勧められたドリンクにすっかりはまってしまい、今では眼鏡をかけた女性に対し、表情を変えてお金を差し出すようになった。

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