見出し画像

【ふと思う】


先日ペルセウス座流星群がピークとのことで、集合住宅の玄関先に立って夜空を見上げた。
「曇りでチャンスは少ない」との前情報だったが、実際に外に出てみるとそこそこ晴れていた。
騒がれるほどの個数を見ることはできなかったが、久しぶりに過ごしやすい外気温で、喧噪の少ない
空気に包まれていて心がリラックスしたのだろう。ふと思うことがあった。

「ああ…、今、俺はこれはこれでとても幸せだ…」と。
考えれば、仕事はそこそこ忙しくも食いっぱぐれないだけ収入はあり、昔は常に悩みを提供していた家族とも離れて暮らしていて(しかも皆元気)、現在身の回りにある人たちも、悲しい別れがあったりしたけれどその人は今は安らかな存在だし、生きている人とも適当に付き合いがある。

自分は、緩やかな環境の中で心穏やかに暮らすことができる環境にあるのだ…今身一つで居る(服は着ているけれど)これがすべてなのだ、と。


「智慧」とはよく言ったもので、古来宗教の仏教・とりわけブッダさんはよくいろいろなものを残された。
一人で古典心理学を確立したようなものである。その中に「小欲知足」というものがある。
どうやら、入滅(お亡くなりになられること)直前のブッダさんが弟子たちに説いた最後の教えの中に
あるようだ。その中にあった小欲と知足という二つの教えがくっついて伝わっているらしい。

ざっくりとした意味は、大谷大学のHPから引用すると
・小欲…“いまだ得られていないものを欲しないこと”
・知足…“すでに得られたものに満足し心が穏やかであること”

という意味らしい。
(引用元:https://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq000001phvn.html )

現状身の回りにあるもので幸せを感じ、得られていないものを欲し続けないことだと解釈できる。


翻ってあの夜に私がふと感じたことは、現状身の回りにあるもので幸せを感じたからなのではないかと思う。
自分の周囲に感謝し、亡き人に手をしっかり合わせ、それ以上を無理に欲さず生きるヒントを得たことは、私の人生の行先を少し変えてくれたように思う。



私の大好きな後藤正文さんの作った詩から引用して表したい。
「求め合うより、与え合うように」「分かり合うより、想い合うように」

そんな心持で、私も与えられた生を全うしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?