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9月の旅、岩手県の中洞牧場

9月の旅は岩手県。

盛岡から車で2時間の岩泉町、山の中にある中洞牧場へ。

山地酪農という牛舎に牛を繋がずに山に放し飼いにしている酪農を行なっています。
牛たちは山に生えている野シバを食べ、自然交配自然分娩。

牛のことを何も知らないため、こんなに急な山を登れるんだなぁとか、とりあえず初めて目にする光景だらけ。

搾乳をする牛舎には搾乳時以外に牛はいませんでした。
体調の悪い子だけいれたりするそうですが、自然に育つ牛たちは丈夫であまり使うことはないそうです。
ごはんも寝るのも排泄も、みーんな山でそれぞれに。

そして牛のかわいさにもびっくり。
黒目がちな目なのか、ゆったりと咀嚼する表情なのか、なーんかずーっと眺めていたい。

ここにいる牛たちは幸せそう。
とはいえ牛乳を作り出してもらうというお仕事が。
山地酪農は大量生産を目的とはしていない。

国土の7割が山という日本で、自然に生える野シバに足る牛を育てる、そのバランスを保ったり、酪農地にするために、山の木を切ったり、搾乳させてもらうためにおやつは与えたり、でも子牛の飲むお乳はいただきません。
最低限だけ人の手を加えて分けてもらう。

部外者の私からしたら「とても魅力的〜好き〜」と簡単に思うけれど…

そこで経営を成り立たせていくことの大変さよ。
酪農がやりたくて牛たちが好きで働きに来ているからこそ、きっと理想と現実の狭間で心を傷めることが多いだろうなぁと思いました。(勝手な心配かもしれないけれど)

動物保護や環境保護、色んな理由でお肉を食べない、乳製品をとらない人たちが私のまわりにも増えていて。
その人たちからしたら、山地酪農だって嫌なのかもしれないけれど…

私はお肉もジャンクフードも食べるし、食べたい。
サンドイッチクラブの卵は平飼いだったりするけれど、全部が全部オーガニック推し、こだわり食材のお店ではない。
突き詰めてしまうと矛盾がたくさんすぎてため息がでてしまうけれど、大切にする部分が人それぞれすぎて面白いなぁとも思います。

私はいつもサンドイッチクラブに合ったちょうど良さを、自分の食生活も、ちょうど良いサイズ感を探っています。
歳を重ねてどんどん頑固になっているのが心配ではありますが、凝り固まることなくずっと探り探り進めるようにいたいなぁ。

とても良い旅でした。冬の景色もいつか見に行きたい。

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