農家、リスク高すぎ問題

代々の農家に生まれ育ち、物心付いた頃からがっつり畑に叩き込まれて時代錯誤の児童労働に明け暮れた僕には、昔から感じてる違和感があります。

なんで農業を専門にやる会社が少ないのか、です。
法的な話は一旦置いといて。

農業ってハイリスクローリターンな厳しい業界です。

これを本当に体で分かってる人は少ないはずです。

そもそも参入に当たって、土地、農機具、資材、初期投資が数千万円から掛かります。また、

・売上が立つのは年に数回
・その売上もそこまで多くない
・台風、干ばつ、長雨、異常気象、駄目になることも多い

などなど、とにかく潜在的なリスクが高いです。

まだまだ農業の恐ろしさ論って参ります。

労力、凄い掛かります。
特に日本の消費者は品質に「無駄に」厳しいので。

僕が児童労働に明け暮れていたとき、隣の畑でカボチャを育ててたおじさんは、畑をウロウロして、数千個あろうかというカボチャを一個一個、毎日!ひっくり返して回っておりました。
そうしないと、日光の当たらない底面だけ白っぽくなってしまい、見た目が悪くなるからです。
見た目が悪くなったカボチャは、味は全く一緒でも半値になります。

子供ながらにひきました。
とても非人道的な作業です。

気象災害の被害、凄まじく大きいです。
ある野菜農家は、国からの助成金等を利用して億近いお金を借りてハウスを建てた翌年に、台風でそれが全壊しました。

その方、その後失踪しました。

ハウスは廃墟となり巨大な幽霊のように見えました。

子供だったので、あの人の幽霊出そうだなぁと近付くのが怖かったのを覚えています。

危険も多いです。

ある日、地域のおじさんが畑に行ったまま帰ってこなくなったと騒ぎになったことがありました。
後で聞いた話だと、その人の畑の真ん中で、夜中にも関わらず無人のトラクターがずっと同じ場所をガラガラと耕し続けていたので確認したところ、おじさんは自分のトラクターの鋤に巻き込まれ、バラバラになっていたそうです。

トラクターが畑の地下にあった空洞を踏み抜いて転落した、なんて、もはや避けようのない訳分からない事故もありました。

農業機械に轢かれた、毒虫や獣に噛まれた、熱中症でやられた、命を落とした話もいくつもあります。
そうでなくても、体壊したり、年取ったりすると非常にしんどいです。疲れやすくなり判断力も鈍ります。

後継者問題やら資材価格の高騰やらに頭を痛めて、国の政策を責める農家さん、多いです。現場が分かってないと仰います。キツイ思いして食べ物作ってやってるのに国は何してるんだ的なこともよく耳にします。

実際には農業関係の補助金は桁違いに多いです。
ジャブジャブなんです。

どうせ殆ど誰も見てないと思われるWEBの片隅なので、
もう誤解を恐れずに言います。

身一つで農業するなんて、あなたには無理だったんです。

というか、体力・知力・ド根性を兼ね備えたスーパーマンにしか無理。

コレ、一部の超人を実際に見て、言ってます。
ってかそーいう人は何してもそのうち成功すると思う。

農業こそホントは組織でやるべき。

今日はこれを言いたかったんです。
これだけ覚えて帰ってください。

組織でやるメリットはとても多いと思います。
リスク管理、収入の安定化、後継者問題の解消、大規模化による設備のフル活用、流通や生産量の管理などなど数え上げるときりがありません。

僕の知ってる、一部の儲かってる農家さんは、すべからくコレです。

家族や人を雇って組織を作り、
10町歩以上の大きな畑で、
機械を使って大規模に、
時代に合わせて儲かる作物を、
計画的に生産する。

余剰にできた作物は加工して保存 or 付加価値を高めて売ったり、自分の販売ルートを持ってる事も多いです。

規模がそこそこ大きく人手があるからこそ、あの手この手を駆使できるんです。

採れ過ぎた白菜を集めて畑の真ん中で泣きながら燃やす〜みたいな狂気の沙汰も減らせます。

ほんでノウハウを培った年寄は、涼しい部屋で生産計画や管理指導をやればいいんです。農業って農家さんが思ってるより難しいですから。

土地や一国一城の主への夢に固執すること、これは真綿でみんなの首を締める行為です。

田舎の親から畑を相続したら、零細農家に夢を見るのは辞めて、欲張らず地域の農家に叩き売ってください。集約されていけば自ずと大規模化、組織化の流れに乗ります。

どうせあなたが耕した畑じゃありませんし。
隣のおじいの方がいい仕事しますし。
畑適当にやられると、虫やら雑草やら湧いて付近の畑まで駄目にしますし。

なんだか私怨も混じってきて、言いたい事を好き放題吐き出してたら文章が散らかってきました。

そしてお腹減ってきました。

こんなところでやめときます。
読んでくださった方、さぞ読みにくかったことだろうと思います。お付き合い頂き、本当にありがとうございました。


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