ゲームの楽しめる不便と楽しめない不便

以下の二つの記事を楽しみながら読みました。ゲームと不便の関係に関する記事です。

このトピックにはとても沢山の切り口があり(意図した不便・意図しない不便、不便である・不便でない、結局人それぞれ論、そもそも不便って何だっけ?ああ、言葉を厳密に使うのはなんと困難なことか)、だからこそ考えるのは楽しいし、また何度も何度も繰り返しインターネットで噴き上がるのでしょう。

考えるのが楽しかったので私もこのテーマで何か書こうと思いました。とは言え色んなことを考えてまとめるのは大変だし面倒なので、切り口一つだけについて書きます。楽しめる不便と楽しめない不便についてです。

そもそも不便って何なんだよともう1人の私が横でブーブー言っていますがそれは置いておいて、ここではゲームにプレイヤーが干渉しようとした時に、そのインタラクションを妨げるあらゆる要素、ぐらいにふわっとしたものを不便としておきます。

私が考える楽しめる不便と楽しめない不便の違いはこんな感じです。
1. そのゲームをプレイする目的に内包されている不便は楽しめる不便
2. 目的の外側にある不便は楽しめない不便
いくつか具体的なケースを見ていきます。

テトリスでは落下しているテトリミノは基本的に上に移動させることはできません。なのでプレイヤーは時間内に目的の位置にテトリミノを落とさなければなりません。仮にテトリミノが落下せず、どこに置くかをじっくりと考えられる仕様にした場合、これはある側面から見れば不便が解消されたと言えるかもしれません。しかしその様な仕様を多くのプレイヤーは望みません。なぜならプレイヤー落下の仕様も含めたテトリスのルールをプレイすることを目的としているからです。このケースでは落下という不便は楽しめる不便になります。

多くのオープンワールドのゲームでは、プレイヤーが自分の脚で特定のランドマークを発見することで、以降好きなタイミングでそのランドマークにファストトラベルできる様になります。最初にそのランドマークを見つけるまでの道筋は、その世界を探索し、世界を理解するという目的がプレイヤーにあり、道中の景色や曲がりくねった道や行く手を阻むギミック、モンスターなどはその目的の中に内包されているので楽しめる不便です。しかし二度目に同じ道筋を通る場合は、既にプレイヤーはその世界を理解しているため、同じ不便が今度は目的の外に置かれてしまい、楽しめない不便となってしまいます。よくあるファストトラベルの仕様はそれらの不便の特性に対処する機能と言えるでしょう。

モンスターハンターシリーズはシリーズが進むごとに親切になり、シリーズ初期の不便な時代の方がハンター生活を体感できた(楽しめる不便)と言う話があります。一方でそれは楽しめない不便だという話もあります。この食い違いはプレイヤーそれぞれがモンスターハンターを何のためにプレイしているかという目的の違いによるものでしょう。ハンターの過酷な生業を体験したいという目的も持ってプレイしている人には、不便な仕様は目的に内包されて楽しめるものになるでしょうが、巨大な生き物を何度も倒して装備を整えるゲームがしたい人にとっては目的の外にある楽しめない不便です。

メニュー画面の遷移がモッサリしているという不便はどうでしょう(今私はサガ エメラルドビヨンドをプレイしていて、まさにその不便を味わっている最中です)。ゲームをプレイする目的がメニュー画面をのんびり操作することだというプレイヤーはほとんどいないでしょう。つまりこのケースではメニュー画面の遅さは楽しめない不便です。

そろそろ飽きてきたので終わりますが私がこの記事で伝えたいことは一つです。
サガエメはUIのモッサリをどうにかしてくれーーーっ!!!

そんな感じです。終わり。

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