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お葬式をしましょう。ペルソナ3リロード。エピソードアイギス。
ペルソナ3リロードのDLC、エピソードアイギスをプレイしました。
この記事はエピソードアイギスの構成上、本編の大きなネタバレを含みます。
エピソードアイギスをプレイするためには過去作のBGMやベルベットルームの衣装も含んだDLC、エクスパンションパスを購入する必要があります。お値段3,850円。私は毎回ペルソナシリーズのDLCとして提供される過去作BGMと衣装に魅力を感じたことがないので、純粋にエピソードアイギスのために3,850円出しました。少しずつ相場が上がっているビデオゲームの価格の中でも常に一段高く感じるアトラスゲーですが、やはりDLCも割高感は否めません。
エピソードアイギスは本編の数週間後、三年生が卒業するのを機に巌戸台分寮を解散する3/31から始まります。主人公の告別式も終え、喪失感を抱えたまま区切りを迎えようとする元特別課外活動部のメンバーは、突如3/31がループする閉鎖空間に閉じ込められ、更にメティスと名乗る人物に襲撃されます。
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エピソードアイギスで為されるのは、端的に言えばP3主人公のお葬式です。主人公視点で充実した生の終わりまでが描かれる本編。では残された人々はどう区切りをつけてそれぞれの人生を生きていくのかを描くのがエピソードアイギスです。エピソードアイギスは元々、オリジナルのP3の拡張版であるペルソナ3フェス (P3F)の追加コンテンツですが、お葬式をフェスと呼ぶのはなかなかだと思います。
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さてこのお葬式ですが、やりたいことはわかるとして、それがゲームとしてきちんとまとまって表現されていたかと考えれば疑問です。
まずゲームプレイ部分として、タルタロス攻略と日常パートを行き来するのが魅力であった本編に対して、エピソードアイギスは日常パートがないタルタロス攻略のようなものを100階層ほどやらされます。しかも弱点無しや弱点属性の見切り持ちの敵も散見されます。本編の時点でダルかったタルタロス攻略を、本編クリア後に日常パート無しで100階やらされるダルさ。しかもその間ストーリーは大きく動かず、大きく動くのはダンジョン攻略後です。私は途中から難易度をPEACEFULに変更してしまいました。
また、大きく動き始めてからの展開には興味を惹かれますが、実現したいシチュエーションに到達するために、(ある程度の配慮は見られますが)それまでのキャラクターの蓄積をやや逸脱した強引めなやりとりが目についてしまいます。特に風花に関しては、ダンジョン攻略の水増し、そして後半ナビとして協力する展開というゲーム側の都合のために、キャラ描写的に割りを食わされている形になってしまい残念です。階段を100階降りる間何度も何度も「あれは……」「まさか……いえ、でも………」みたいなのを言わされ続けています。
お葬式を描くという点でも、それを描くのであれば、特別課外活動部のメンバーが主人公との思い出を語るシーンがたくさん欲しかったところですが、それはゲーム内の直接的な描写としてはほとんどありません。むしろお葬式ってそっちの方が大事だったりするじゃないですか。本編のクリアデータを読み取って主人公がこなしたコミュに対応した話を各メンバーが折々に語っていくぐらいのものが見たかったところです。
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今回中心となって描かれる、特に親密な相手を失ってしまったアイギスとゆかりについても、やはり駆け足になってしまって描写するための尺が足りないと感じます。語る意義のあるテーマである分残念です。
エピソードアイギスの私のプレイ時間は、途中からPEACEFULに変更して19時間前後でしたが、そのうち16時間は前半のタルタロスっぽいパートです。この水増しパートをギュッとして、その分後半の展開にリソースが多く注がれていれば、私の満足度は上がったんだろうなと思います。
とはいえ初出の時点で賛否が多くあったP3F版からあえてスジを大きく変えずに今回のDLCとして出したという部分には、やはりここまで含めてP3ですという制作者のメッセージを受け取ることもできます。納得できようができまいが、残された人は先にいなくなってしまった人のことに勝手な決着をつけて先に進まなければならないので。
その残酷さやグロテスクさも含めてP3ということで。
終わり。