性的マイノリティ(セクシャル・マイノリティ)
セックス(Sex)…生物学的な性
ジェンダー(Gender)…社会的に規範される性
ヘテロセクシャル(ストレート)(Heterosexual/Straight)…異性愛
ホモセクシャル(Homosexual)…同性愛
シスジェンダー(Cisgender)…出生時に割り当てられたジェンダーに従って生きる人
ジェンダーバイナリー(Gender Binary)…男女二元論のこと
ノンバイナリー(Nonbinary)…性自認や性表現が男性・女性に当てはまらない人、または混ざり合っている人
ホモフォビア(Homophobia)…同性愛嫌悪
アウティング(outing)…本人の承諾なく本人以外の人がその人が性的マイノリティであることを他の人に言うこと
カミングアウト(Coming Out)…自らの性的マイノリティを表明すること
◆性を区別する要素
SOGIESC(ソジエスク)…性的指向、性自認、性表現、性的特徴を表す
①性的指向(Sexual Orientation)…好意や恋愛対象となる性
②性自認(Gender Identity)…自分が自覚する性(性同一性)
③性表現(Sexual Expression)…社会で表現したい性(服装や仕草など)
④性的特徴(Sexual Characteristics)…身体的・生物学的な性
◆ LGBTQIAPK+
L レズビアン(Lesbian)…性的指向が女性の人
G ゲイ(Gay)…性的指向が男性の人
B バイセクシャル(Bisexual)…性的指向が両性の人
T トランスジェンダー(Transgender)…セックスと性自認性が異なる人(治療を望む性同一性障害(GID)とは異なる)
Q クィア(Queer)…元々差別用語(「風変りな、奇妙な」という意味)だった。現在では性的マイノリティを包括する肯定的な言葉
クエスチョニング(Questioning)…自分の性自認や性的指向を探している状態の人、または意図的に確定しない人
I インターセックス(Intersex)…セックスが両性的で曖昧な人(性分化疾患(DSD))
A アセクシャル(Asexual)…無性愛。性的指向も恋愛感情も持たない人(ノンセクシャルは性的指向は抱かないが恋愛感情は抱く)
アライ(Ally)…同盟、支援を意味する。性的マイノリティの方々に寄り添いたいと考え支援する人
P パンセクシャル(Pansexual)…全性愛。性的指向が全ての人に向く人。その際に相手の性別を意識しない
K キンキー(Kinky)…特殊な性的指向を持つ人
+ プラス(Plus)…その他の多様な性を包含する言葉
◆Xジェンダー(日本で生まれた語)
Xジェンダー(Xgender)…性自認が男性・女性に当てはまらない人
1 中性…男性と女性の中間
2 両性…男性と女性の両面を持つ(男性○割、女性○割など)
3 無性…男性でも女性でもない(ジェンダーバイナリーの概念を持たない)
4 不定性…性自認が揺れていて定まらない
◇Xジェンダーとクエスチョニングとノンバイナリーの差異
・Xジェンダー…性自認だけを指す
・ノンバイナリー…性自認だけでなく性表現を含む
・クエスチョニング…性自認を探している状態を含む
◇トランスジェンダーの種類
MtF(Male to Female)…セックスは男性、性自認は女性
FtM(Female to Male)…セックスは女性、性自認は男性
MtX (Male to Xgender)…セックスは男性、性自認はX
FtX(Female to Xgender) …セックスは女性、性自認はX
◆ LGBTQQIAAPPO2S
※上記と重複するものは説明を省略
L レズビアン
G ゲイ
B バイセクシャル
T トランスジェンダー
Q クィア
Q クエスチョニング
I インターセックス
A アセクシャル
A アライ
P パンセクシャル
P ポリセクシャル(Polysexual)…多性愛。性的指向が(全てではないが)複数に向く人。ポリアモリー(多重恋愛)とは全く異なる
O オムニセクシャル(Omnisexua)…全性愛。性的指向が全ての人に向く人。その際に相手の性別を意識する
2S トゥー・スピリット(Two-Spirit)…北アメリカの先住民に認められる第三の性。男性の魂と女性の魂の両面を併せ持つ
◆その他
ポリアモリー(Polyamory)…多重恋愛。同意の下で複数人を同じように愛する人(ポリガミー(Polygamy)=一夫多妻制のような婚姻形態)
モノアモリー(Monoamory)…単一恋愛。一人の人を愛する(モノガミー(Monogamy)=一夫一婦制のような婚姻形態)
デミセクシャル(Demisexual)…半性愛。友情や絆がベースにあり、基本は他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かないが、強い絆を感じた一部の人だけにはそれらを抱くことがある
サピオセクシュアル(Sapiosexual)…知性愛。相手の知性に性的指向を抱く
セクシャルフルイディティ(Sexual fluidity)…流動性のある、固定されていない性的指向
グレーセクシュアル(Graysexual)…アセクシャルであったり、時に恋愛感情や性的欲求を抱いたりする流動的な性的指向
ウーマセクシュアル(ジニセクシュアル)(Womasexual/Gynesexual)…女性愛。自身の性自認によらず、女性へ性的指向を抱く
マセクシュアル(アンドロセクシュアル)(Masexual/Androsexual)…男性愛。自身の性によらず、男性へ性的指向を抱く
ポモセクシュアル(Pomosexual)…そもそもセクシャリティの存在を考えない
スコリオセクシュアル(Skoliosexual)…シスジェンダーの人に性的指向がある
トランスベスタイト(クロスドレッサー)(Transvestite/Cross dresser)…社会的に求められる性表現とは異なる性表現(服装や仕草など)を好む
オートセクシュアル(Autosexual)…自分自身に性的指向がある
アロマンティック(Aromantic)…他人に恋愛感情を抱かないが性的指向は抱く
オブジャンクタムセクシュアル(Objunctumsexual)…性的指向が無生物(建造物など)に向く
◆LGBTPZN
P ペドフィリア…小児性愛
Z ズーフィリア…動物性愛
N ネクロフィリア…死体性愛
性的指向とパラフィリア(性的倒錯)の境界は厳密に規定不能だが、犯罪性(同意なき強制)や健康被害や本人の苦痛が低いものは容認されると言えるか。本人の苦痛については社会的差別や偏見がこれを助長している場合があるので、社会側が変われば和らぐものもある。現在パラフィリアに相当する性的指向はその他にも無数にある。当然犯罪行為は許されないが、パラフィリアの一部は原理的に対象と合意を取ることの難しさがある。また性行動としては認められなくとも、(性)表現の自由としては認められるべきか(ゾーニングの有無も含め)なども議論される。
性的指向や性表現の多様性が認められてきたのは、それ自体に犯罪性はないと見直されるものが増えてきたからである。とはいえどんな種類の性的指向でも犯罪的になることは可能なので、非犯罪的という条件付きの範疇で許容される。したがって、同意性確保が不十分なもの、著しく健康被害をもたらすものや表現の仕方は現代でも容認されないし、社会的偏見を調整しても尚本人に強い苦痛を与えるものは障害(病気)と見なされる。
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