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松戸囲碁サロンで対局してきました③

前回の続きから解説していきます。

前回は黒95まで解説しました。白は下辺の一団を補強する必要があります。

黒97のツケに対して反発したため、激しい様相になりました。
白102、104のハネツギに対して黒105トビは好形ですが、白から一路左のキリが残るためAと打っているほうが厳しかったかもしれません。

実戦白98では、上図白1のハネがわかりやすかったでしょう。
黒は2と二段にハネて追及する形ですが、白3、5とはみ出しておけば厳しく攻められる心配はありません。黒6と空き隅を許しても、白7とヒラいて地合いのバランスは取れています。

黒111ではAと打ち、白Bと代わってから黒Cのように足早に打ち進めたいところでした。
実戦の黒111は左辺の白に対して影響力が弱いため、白は手を抜いて最後の空き隅に回りました。
なお、白116のスベリはこのような場面における形で、Dとトブのは黒からのデギリ具合などいろいろ味が悪く、通常はおすすめしません。

いったいどちらが良いのかサッパリ分からんという方もいらっしゃると思いますので、この辺でAIの評価値を。
黒117と右上を下がった時点で、AIの勝率は白に傾いています。
中央の白6子は上手く捨てたとは言いがたいものの、まだ多少の味は残っており、結果として左辺の白地が効率よくまとまったのが大きいようです。
その後右下の空き隅に白が先着できたことも、評価値が傾いている理由と推察できます。

ただ、実際対局しているときは左辺の白地がまだ少し味が悪い気がしており、中央の黒地も大きくまとまる雰囲気があったためまったく形勢が良いとは思っていませんでした。

白118は中央の黒地を意識した手ですが、若干形が緩んでいます。
黒123に対して、黒Aなどの味をケアするための白124ですが、黒125で118の白1子は切られています。

実戦白118では、上図白1のケイマで十分でした。
このように打つことで右辺の白地がしっかりまとまり、地合いは白が優勢です。黒Aには白Bと受け、中央の黒地はまとまりますがその分右辺の白地も増えるので釣り合いは取れています。

実戦は白126のヌキから、このような進行になりました。
中央をかなり大きくまとめられてしまい失敗したと感じていましたが、この時点での評価値は白99%で、目数的にも23目ほど優勢のようです。
やはり、白は右辺一帯をそこそこ大きく地化しており、さらに先手を得ているのでこの評価となっているのでしょう。
これだけ中央を取られても勝っているというのが碁のおもしろいところですね。

この先もいろいろとありましたが、基本的に形勢は白よしのまま動いていないため、次の画像で終局直前までワープします。

黒225とハサミツケたところ。黒の次の狙いは何でしょうか?

実戦は白226と遮りましたが、これこそ黒が待っていた手。
黒227と切られ、団子になっている白7子がちょうどアタリになっています。このキリがアタリになることを完全に見落としており、ここで私は投了しました。

図を入れるまでもないですが、このようにオイオトシの形で取られてしまいます。

黒にハサミツケられた時、白は上図1と打って断点を守っておけばそれまででした。
これで目数は11目ほど白有利で、もうあまり打つところは残っていないためこれなら以降よほどひどいミスをやらかさない限り、白が残っていたと思われます。

実戦のミスは冷静になれば級の方でもしない可能性が高いであろうまさしく粗忽ですが、そういうのも含めて自身の実力ですので、今後はこのような粗忽をなくして勝ち碁を確実に勝ち切れるように精進したいと思います。


(本局総譜)※終盤のコウ争いの手順が怪しいですがご容赦ください

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