海に沈んだアトランティス
前々回からレムリアンシードに出会った時間の潮流を書いているが、時にはそんなメインキャラに並走するサブストーンが存在感を持って登場することがある。
この流れから私の手元に来てくれたのがアクアオーラ。
水晶の表面に金属を蒸着する技法で色が加えられた石である。
セッション当日に戻ろう。
エジプトの過去の記憶の余韻冷めやらぬうちに、二本目のセッションで私はアトランティスを指定していた。
当時はまだ、アトランティスについて私自身が得ている情報、知識は少なかった。
ただ周りから聞き及ぶこと、シリウスアメシストに出会った時のお話などから、自分も何か視て知っておくべきことがあるんじゃないかと感じていた程度だった。
それよりなにより、いかんせん私は古代史マニアだ。
そんな自分が愛してやまない世界に自分が存在していた記憶があって、その情報のページを今再び開くことが出来るだなんて考えただけで胸が躍る。
再びクリスタルのグリッドが私の身体の上で組まれて行く。
そして私の意識で動かす生命エネルギーにクリスタルの波動が同調すると、意識の深い扉がそっと開かれて行く。
高い天井を持つギリシャ神殿のような場所が見えて来る。
現実に私が知る神殿よりも、もっとずっと大きくて背が高い。
周囲は明るかった。
光あふれる世界だ。
少女の姿がある。
深いブルーのワンピース調の衣装に、長い金髪のふさふさヘアが躍っている。
まだ本当にあどけないこの少女に、私の意識は入っている様子だった。
彼女は神殿の中心を占める巨大な円形プールの縁に立っていた。
足元には大きく深い水を湛えた水族館の様な巨大なプールがあり、その中にそれはそれは見事なクリスタルが沈められている。
神殿の様に見えながらどこか研究室の様な、何かを管理しているかのような場所だ。
彼女の目の前でそのクリスタルはザザザーンと、大きな水しぶきと共に引き上げられる。
塔とかビルと言っても良いくらいのサイズ感の主が姿を顕して行く。
水をはじきながら表面がキラキラと光輝くそのクリスタルの反対側に、もう一人の人影が見えた。
背の高い大人の男性。黒っぽいマントの様な衣装。
一見怖そうだけれど、少女である私はその人物を知っていて、彼に対して暖かな感情を持っていた。
父親? 先生? 師匠? 関係性のエネルギーはそんな感じに思える。
そして彼女のお友達の様な少女が二人。つまり三人組の女の子だ。
彼女たち三人は巨大クリスタルの神殿でキャッキャと走り回り遊んでいる。
昔から三人の女の子と言えばそういうもので、姦しいその姿を保護者の様な男性が見守っていた。
ここまでが序章だったのだろう。
画面が切り替わると先ほどの私と思わしき少女と男性は、巨大クリスタルの前で何か作業をしていた。
少女は半分眠っているような、変性意識状態の様な目をしている。
そして彼女は身体ごとクリスタルの中と外を行ったり来たりするのだった。
ここはアトランティスという設定なのだから今の私達人類の肉体とは明らかに構造が違うのだろうけれど、少女はまるでクリスタルの精霊か何かの様に、クリスタルの中へ入っては情報交換をしてまた外に出て来るようなことをしている。
クリスタルとお話をしていると言えば可愛らしいのだが、どうもそんな楽し気なものではなくて、外側から持ち込んだ情報をクリスタルにインプットしていると言った方が近い気がする。
やはりこの場所は何らかの人間側の意図によってクリスタルをコントロールする場なのだろうと考えられた。
そしてその情報をインストールするための媒体、USBデバイスのような存在が、”私” なのだ。
なぜ私がそれに適しているのかは定かではないが、子供だと言うのも一つあるだろう。
クリスタルの外と中を縦横無尽に出入りして、クリスタルと意識を繋ぐ少女。それが私で、それらを指示しているのが一緒に見えた大人の男性だった。
そんな作業が日常で続くうちに、彼女はクリスタルが悲しんでいるのを察知する。
どうしたの? 何が起こっているの?
そう問いかけるものの、クリスタルは何も教えてくれなかった。
崩壊は、突如訪れた。
ドドドーンという大きく鈍い音と共に、天と地がひっくり返るかのような大きな揺れ。
地面が無くなり、決壊したプールから巨大クリスタルは崩壊し、神殿諸共に沈んでいく。
少女は取り乱しながら男性に向かって、どういうこと????!!! と叫ぶが、事態は止まらない。
あぁ、これで私も沈むのか・・・
と思った矢先に、男性にガシッと腕を掴まれて引き上げられる。
宙を飛ぶサルベージ舟が来ていた。
世界の崩壊を目下に見ながら、サルベージ船はどこかへ向かって飛び立った。
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衝撃と沈痛な思いで現実へと戻って来ると、視て来た内容をシェアしつつ、アトランティスの崩壊とは何だったのかをここで改めて教わることになった。
あの巨大クリスタルはやはり、エネルギーセンターのような、フリーエネルギー発生装置のような使われ方をしていたのだと言うこと。
人間の意図の暴走でクリスタルが決壊したことにより、文明そのものが崩壊したこと。
サルベージされた人々が大陸のあちこちに散らばって、エジプトを始めマヤ、ギリシャなどの古代文明の礎になって行ったこと。
あぁ、じゃあ私はアトランティスからエジプトへ行ったのかな・・・などと考える。
そして、あの崩壊を体験した魂の深い部分に巨大な罪悪感が残ったこと。
あの時代にクリスタルを”利用”した者は、現代再びクリスタルとの関係を持ち、新たな関係性、支配ではなく愛による関係性を改めて構築するためにクリスタルに出会う流れにあることなど。
全ては、必然。
私がこうして、クリスタルと出会い直したのも必然だったのだと。
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エネルギーも情報も、パンパンになって帰宅する。
夜になってもまだまだ興奮冷めやらなかったのだが、
そんな時にクリスタルショップのオーナーからの
「このクリスタルはどなたの下へ行くのでしょう?」 と言う投稿が目に入る。
それがメロディさんのガレージセールから出たと言う件のレムリアンシードだった。
私はすぐさま反応する。
その日の昼間にメロディさん創始のワークを受けて来て、アトランティスやエジプトと言った濃い過去の記憶の扉を開けて来たばかりだと告げると、オーナーさんもすかさず反応し、私の購入が決定する。
そしてまた、「アトランティスということなら、こちらもどうでしょう?」
そう言って紹介してくれたのが、同じくメロディさんのガレージセールから届いたアクアオーラだった。
アクアオーラはその頃、アトランティスの哀しみを癒す石とされていた。
金を蒸着すると言うその技法もアトランティス時代からの知恵なのだとか。
かくしてレムリアンシードとアクアオーラは対になり、
私の下へやって来てくれた。
この二本が届くとすぐさま私は再びアトランティスの瞑想へと入って行った。
先日のセッションの続きだ。
海の底にはまだまだ沈んだままの魂たちがたくさんあって、アクアオーラによって光が天高く伸びるパイプのようになって彼らの魂を引き上げて行くのだ。
その過程を、アトランティスの少女が懸命にサポートしていた。
どれだけの魂をサルベージできたのかは分からないが、アクアオーラとレムリアンシードによる救済処置を私は瞑想で行ったのだった。
そんな過程があったため、その後私自身もセッションを行う様になると時折記憶がシンクロする方に出会うことが起こることがあった。
深い罪悪感と共に沈んだままの魂に、出会うことがあった。
そんな人に限って決まって、” 私だけが助かるなんて赦されない” と言う。
そんな時私は、” もう皆、みんな、上に上がりましたよ。” と声を掛けることにしている。
だって私自身が引き上げたのを見ているのだから間違いないのだ。
罪悪感と共に沈んだままなんて、もうそんなアティチュードは必要ない。
その贖罪の気持ちを共に昇華して行ってくれるのがクリスタルワークだ。
レムリアンシードの癒しの力は、過去の魂の記憶もまるごと引き受けてくれる。
アクアオーラが共に走ってくれたことで今回はアトランティスにフォーカスしたけれど、その他の癒しも勿論可能である。
アトランティスのお話はこれにて。
橙香