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言うことが「正しい」か「正しくない」かよりも、 その人のことが「好き」か「嫌い」かで決まるのが社会
〜山﨑拓巳の『なぜか感じがいい人の かわいい言い方』より
社会はコミュニケーションがすべてです。
言うことが「正しい」か「正しくない」かよりも、 その人のことが「好き」か「嫌い」かで決まります。
自分ひとりでがんばる人よりも、 大勢から「声をかけてあげたい」「手伝ってあげたい」「大目にみてあげたい」 と思ってもらえる人の方が、物事をはるかにうまく進められます。
では一体、どんなコミュニケーションをすれば、 〝みんなから好かれる人〟になれるのでしょうか。
ぼくは夢実現コーチとして、 コミュニケーションの専門家として、 またひとりのビジネスパーソンとして、 これまで何十万人という人たちとつながってきました。
そしてその中で気づいた
コミュニケーションで一番大切なことは、
「うまく話そうとする」
ことよりも
「なにを感じているかを話そうとする」 ことの方が大事だ、
ということです。
たとえばこんな場面を想像してください。
取引先のAさんとBさんがあなたのために力を尽くしてくれたとします。
あなたが「ありがとうございます」とお礼の気持ちを伝えたところ、 AさんとBさんから次のような返答がありました。
Aさん「当然のことをしたまでです」
Bさん「◯◯さんに少しでもほめていただきたくて」
二人の言い方を比べてみて、あなたはどのように感じましたか?
Aさんの言い方は、いわゆる「大人の言い方」です。
社会人のマナーとして決して間違いではなく、悪い印象を受けることはないでしょ う。
一方で、Bさんの言い方は社会人のマナーとしては微妙と感じるでしょうか?
ちょっと子供っぽい印象を受けた人もいるかもしれません。 それでもBさんの言い方に、なんとなく親しみを感じないでしょうか。
なぜならBさんの言い方は〝一次感情〟を表現したものである一方、Aさんの言い方はその感情を隠しているからなのです。
〝一次感情〟とは最初に生まれる感情で、言わば「悪気のない下心」のこと。
父と娘のこんなやり取りがあったとしましょう。
夜遅くに帰ってきた娘に向かって「ばかもーん! 何時だと思っているんだ!」と
怒鳴らせるのは〝二次感情〟の仕業です。
すると娘の方も「私だっていろいろあるのよ!」と反発してしまう。
これも〝二次感情〟からくるものです。
でもお父さんの〝一次感情〟はきっと、
「心配だったんだ。帰ってきてよかった。 なにかあったらどうしようと思ってつらかったんだ」だと思います。
その気持ちをそのまま伝えることができたら、きっと娘の方も「ごめんね。心配し ているだろうなと思っていたんだけど、スマホの電池が切れちゃって電話できなかったんだ」という風に〝一次感情〟でこたえてくれたはずです。
同じようなことが日常生活のあらゆる場面にも当てはまります。 _」「御社のメリットを一番に考えましたので」「あなたのためを思って言っているの」「予定がいっぱいで、行けなくて申し訳ございません」など、はっきりと嘘ではないのだけれど、なんとなくしっくりこない言葉ってありますよね。
これらは一般的に「建前」と言われる、〝一次感情〟を覆い隠した言葉です。
ぼくは、大人になると7割以上の会話が、そんな建前で成立していると思っていま す。
でも決して悲観しているわけではありません。みんなが建前で話す世の中だからこそ、勇気を出して〝一次感情〟を伝えることができれば、逆に相手とぐっと近くな れるチャンスだと思っているのです。
自分が感じていることを、そっくりそのまま伝えればいい。
「それができたら苦労しないよね......」と感じている人が大多数でしょう。 そこで『なぜか感じがいい人の かわいい言い方』ではコミュニケーションが難しいとされる「挨拶する」「依頼する」「お断りする」「返事する」「提案する」「注意する」「謝罪する」「気配りする」という8つのシチュエーションにおいて、〝感じのいい人〟がどんな言葉を選んでいるのか、 の実例をもとに解説していきます。
どの言葉もただ口に出すだけで、相手を一瞬で「素の自分」に変えてくれる魔法の言葉です。
べつに棒読みだって大丈夫。
はじめは照れくさいかもしれません。ついつい昔のクセが出てしまう人もたくさんいるでしょう。
でもどんな言葉もしばらく使っていれば、いずれ自分自身のものになります。
そしてこれから出会う人は、そんな言葉を使うあなたが、あなた自身だと認識するはずです。
するとそのうちに人間関係に3つの変化が起こります。
ひとつ目は、チャンスがやってくるようになります。
すごい仕事、すごい体験、すごい紹介のチャンスなどが、思わぬところから舞い込 むようになります。また、自分がやりたいと思っていることをサポートしてくれる人 も現れるようになるでしょう。
ふたつ目は、情報が集まってくるようになります。
次々とやってくる新鮮な情報のおかげで、つねに「やりたいこと」があふれる状態 になります。
3つ目は、自己肯定感が増します。
みんなに好かれれば、当然自分のことも好きになります。人と話すことが楽しくな りますし、今まで恐れ多かったような人とでも話せる自信がつきます。
ほんの小さな言葉の積み重ねが、自分の知らないところで「あの人にお願いしてみよ う」「あの人の頼みだから聞こう」「あの人にだけ教えてあげよう」と思ってくれる人 を増やしてくれる。
そういうのってワクワクしませんか?
〝すごい人にかわいがられた人が、次のすごい人として世に現れる〟
これは歴史上、どの時代にも当てはまる法則です。
目上の人はもちろん、目下の人にもかわいがられる。出会う人みんなにかわいがら れる。知らない人にもかわいがられる。
〝かわいい言い方〟を習得して、そんな〝かわいい自分〟をめざしてください。
山﨑拓巳
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