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織物をつくる機械

産地の学校 東京校5期の第3講は、文化ファッションテキスタイル研究所にて、織物の製造工程の講義と工場見学でした。

レポート担当は、アパレルでデザイナーアシスタントをしている座間です。業務はなんでもやります。

まずは、座学で織物の定義・基礎と製造工程を学びました。講義には織物の基礎だけでなく、三纈(さんけち)という古来からの伝統的な染色技法についてのお話もあり、印象的でした。

1時間ほどの講義が終わり、工場見学です。

こちらは、綛(かせ)と呼ばれる、糸を束ねたもの。「綛染め」をおこなう際に綛の状態にしますが、そのままではその後の工程で不便なため、ワインダーで糸をボビンに巻きなおします。

糸を巻きなおしたら、整経(せいけい)工程、たて糸づくりです。
量産用の部分整経機、数メートルのサンプル用のサンプル整経機がありました。

サンプル整経機からたて糸を移動させる際に、「雄巻き(おまき)」または「ビーム」と呼ばれるものに巻き直します。巻き直すために、糸を手作業で引っ張り結びます。この結ぶ作業を、受講生の何名かが体験させていただきました。

そして、たて糸を織機にセットします。たて糸を1本1本を綜絖(そうこう)・筬(おさ)と呼ばれる部分に通し準備します。

しっかりたて糸が張られています。上に乗っても大丈夫かもしれません。
たて糸は、織り方によって上がったり下がったりし、その間をよこ糸が通ることで織物は織られていきます。

こちらは、よこ糸を運ぶ「シャトル」です。

管に巻かれたよこ糸が、中に入っています。
シャトルの中のフサフサは猫の毛だそうです。この「シャトル」が左右に往き来を繰り返し、よこ糸を運びます。このよこ糸の運び方をする織機が、「シャトル織機」と呼ばれます。私の好きな織機です。
シャトル織機は生地の両端、耳が綺麗です。出来上がる生地の風合いも立体的だと思います。シャトルの、ガッシャン・ガッシャンという音が、また良いです。

見学したもう1種類の織機、「レピア織機」は、シャトル織機に比べると生地を織るスピードが早くなります。よこ糸を運ぶごとに切っていくため、耳がばさばさするところも、シャトルとは異なります。

今回は見学しませんでしたが、よこ糸の運び方には、他にも空気で飛ばす「エアー」水を使う「ウォーター」などもあります。

実際に動く織機を見学することで、製造工程や織物の構造の理解に繋がりました!

文化ファッションテキスタイル研究所の皆さま、ありがとうございました!

座間

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