BURGER NUDS/ミナソコ

私がBURGER NUDSを知ったのは中学2年生の時だった。私は不登校気味でずっとインターネットばかりしていた。よく見ていたメンタルヘルス系のサイトに『鬱っぽい曲教えて』というタイトルの記事があった。この記事をきっかけに私は音楽を聴くようになった。
アジカンのサイレン、syrup16g、pegmap、ART-SCHOOL、そしてBURER NUDSを初めて知った。
YoutubeでBURGER NUDSで検索して一番上に出てきた「ANALYZE」を聴いた。とにかく薄暗く、画質も荒いPV動画だった。歌詞もよくわからないし特に心に響きはしなかった。何も思わなかった。どちらかと言えばその前に検索して聴いたアジカンのサイレンの方が心に残ってそちらばかりずっと聴いていた。アジカンのサイレンをきっかけに音楽にハマっていた私は学校に行かずTSUTAYAでCDを借りては聴く日々を過ごしていた。しばらくして、BURGER NUDSを聴こうとTSUTAYAでCDレンタルしようとするも、そもそも置いておらず諦めた。


TSUTAYAにCDが置いていなかったがために聴くことを諦めたもののBURGER NUDSをiTunesで調べたり、Spotifyにないかと調べてみたりしていた(当時の私はサブスクの仕組みを理解しておらず、全ての音楽がSpotifyかiTunesに集約されていると思っていた)。私はミーハーなので鬱ロックかじって退廃的になって陶酔したいし、マイナーな曲聴いてるアピールもぶっちゃけしたい。鬱ロックの定番所は大抵聴いたけれどBURGER NUDSだけはほぼ記憶にないANALYZE(この記事を書くために当時見た動画をYoutubeで探しタイトルを思い出した)くらいしか知らなかった。バガナヅかじっときてぇ〜、
こういうファッション的な音楽の聴き方するやつがこの世で1番嫌いだけれど、自分にそういう一面があることを理解しつつある。日によって、そういう聴き方が許せない日があるが人の勝手だよなという日もある。正直言って、楽しみ方、消費の仕方は人の勝手なのにを決めつけるの良くないよ。時々自戒する。完全に改めはしない頑固さはある。


BURGER NUDSがサブスク解禁したことを知った。全部のアルバム聴いた。ミナソコが一番好きだ。ギターのサウンドがとにかく好きで、歌詞がとにかく好きで、久々にnoteを書くことにした。この曲ってずっと夜明けなイメージするんだよな、歌詞とは一切の関連性を持たない、純粋なイメージ。昔はメロディ重視で聴いていたけれど最近は歌詞をよく聴くようになった。それは昔よりも、音楽を聴き始めた中学時代の頃よりも、内省や過去を思い返すことが多くなったからだと思う。結局のところ自分の心に残る曲って歌詞がいかに自分の経験と結びつくかだと思った。私の聴き方はそうなんだと思う。

長い手紙 殴られた跡
おもちゃの銃 昨日覚えた唄
夕暮れの景色 誰もいないプール
赫いワンピースの女の子 独り

BURGER NUDS/ミナソコ

小さい頃殴られてたなぁ、お兄ちゃんにおもちゃの銃で目を撃たれたなぁ。音楽が好きで、好きになった曲は何回も繰り返しで聴いては歌ってたなぁ。
学校行ってなかった頃はいつも昼過ぎに起きて、TSUTAYA行ってCD選んでたら日が暮れて。私の部屋、西側の部屋だったから夕陽が部屋によく差し込んで、それボーッと見ながらCD聴いてたなぁ。ナンバガのTombo the electric bloodred聴いて感動したなぁ。
小学生の頃からアトピーでプール入れなかったからずっと見学だったな。塩素の匂い、炎天下揺れる水面見ながら吐きそうになってたなぁ。私って結局今もずっと独りだよなぁ。
名詞の羅列は聴き手のさまざまな記憶を呼び起こす良い手法だと思う。
固有名詞だと狙いすぎてる、幅が大切だと思う。

叫ぶよりも 祈るよりも 
唄う事よりも

BURGER NUDS ミナソコ

私が心の底で求めている事って何なんだろう。ここの歌詞は自問するところだと思っている。私が一体何を心の底で求めているのか、自分の行動原理だったり、自分の論拠がわからない。
ここの歌詞をみんなはどのように解釈しているのか気になる。

君はずっと泣いていた プールサイド 
隠れんぼして 出てこない
笑顔待って

BURGER NUDS ミナソコ

私の中でプールって劣等感を引き起こす言葉で、それは私が泳げないからだし、死に直結するものだと思っているから。プールって私の中で絶妙にネガティブな言葉だ。
東京に住んでいた頃、ずっと泣き虫でお兄ちゃんにいじめられては泣いて、親に殴られては泣いて、とにかく人が怖くてこのせいで今も対人関係に支障をきたしている部分がある。とにかく自閉的であると思う。自己開示しろとカウンセラーに言われて自分の気持ちを書くようにしているけれど、それまではずっと自分の中に秘めていた。私って音楽を通じて自己と向き合うことが好きなのかもしれない。

ここ、最初のサビなのにいろんな曲で見られるサビで盛り上がる手法が使われてないのが逆に印象的というか、こんなにあっさり過ぎ去って良いんですか?という気持ちになる。一種の焦らしだと思う。盛り上げるために、爆発させるために溜めている。
サビ後のギターのフレーズが綺麗ですきだ。夜の団地の灯りみたいで薄暗く光っている感じがして。

錆びたブランコ 溶けてゆくアイス
記憶の片隅 傷になった歌

BURGER NUDS/ミナソコ

イメージとしてはやっぱり夏なのかな、プール然り溶けてゆくアイス然り。
傷になった歌っていう表現が好きだ。心に刺さって傷になってしまった歌はあるし、この曲もなんならそうだと思う。記憶の片隅っていうのが絶妙だ。ふとした時に思い出すんだよね、こういうのって。私にとってBURGER NUDSってまさに記憶の片隅だ。

暗い夜が来る前に見つけ出さなきゃ
隠れた笑顔 涙拭いて

BURGER NUDS ミナソコ

暗い夜っていうのは日が暮れる前にっていう解釈でもいいし、自分の心が闇に包まれてしまう「夜」が来る前にと捉えても良いと思う。何を見つけ出すんだろう、やっぱり自分が望んでいることを見つけ出さなきゃってことなのかな。それを「隠れた笑顔」って表しているのかな。涙拭いてっていうところにめげずに前を向いていくっていう印象が受け取れて強さを感じる。

悲しくても さみしくても口ずさめる歌
君はずっと唄いながら 歩き回った
白い素足が汚れても 前を向いて
プールサイドガール

BURGER NUDS /ミナソコ

歌って楽しい時だけに口ずさむものではないよね、辛い時に寄り添ってくれる歌も必要だと思う。汚れても前を向いてっていうところがやっぱ強さ感じるなぁ。
ここにサビはちゃんと盛り上がるのとギターのチョーキング(?)がとても印象的。2番から盛り上がる歌って特殊な気がする。

夏の暑い日に君が笑うよ
あじさいの花

BURGER NUDS/ミナソコ

ひまわりとかじゃなくてあじさいなのが絶妙だなぁ。ここリフレインが使われているんだけど効果的に使われていると思う。個人的に最後の光景が残る歌が好きで、この曲の場合だと紫陽花なんだけど、歌詞は最後名詞で終わった方が綺麗な気がする。



バガナヅ聴きてぇ〜欲が満たされて良かったし、久々に文字書けたのが良かった。色々あって感情にアウトプットがしたかったのでストレス発散になった。
バガナヅって鬱ロックとかって言われるけど、ウジウジじゃなくて陰湿ながらも前向きな気がするな、と歌詞を改めてよく見てみて思った。やっぱこのギターサウンドも歌声もかっこいい、この曲が頭一つ抜けている感じがする。
中学時代に最初に聴いた曲がこれだったらどのように自分が感じただろうか気になる。

ミナソコ、良い曲。

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