【クレセント・シリーズ #3 マスター・リベリオン】
ミカンはカラテを振るえなくなった。自らのソウルから出現したニンジャが、自分にジゴクで生きたものの最期を突きつけてきたのだ。それほどの失意であった。
ヒナミ「ミカン、気にしないで」
ミカン「………ゴメン、ムリ」
ヒナミ「悪いのは、ミナヅキ」
ミカン「…私から出てきたんだよ」
ヒナミ「…しばらくはイクサはワタシタチに任せて」
ヒナミ「待ってるから」
ヒナミはミカヅキ・オベント・ギルドとして戦い始めた。兄弟が歪な固まり方をした邪悪ニンジャと戦闘したが、緋色のイナヅマを得た彼女の敵ではなかった。滅ぼした。
モヒカンめいたファック野郎を成敗し、オベントギルドの奴隷にした。
火事に巻き込まれていたモータルを、カラテを活かして助けてあげた。
謎の邪悪な老人ニンジャが出たのでやっつけた。
ツキモリ名物クッキーを美味しく頂いた。
学校(モリソバではない)でストレートの女ニンジャが暴れていて懲らしめようと思ったら、よく事情を調べたら普通にニンジャの方が被害者だったから一緒に懲らしめてミカヅキ・ギルドに入れてあげた(乱暴なのは事実だから勝手に出ていくかもしれない。)
だがミカンは一週間ほど全くイクサ出来ず、波風は立たないが無力さを感じていた。
ウロボロス「さて、ゴミ屑らしい人の動かし方をするか」
【突然再発生した】
【バー・メスルギ】
ミカンは自分から、そこに来た。
マスター・メスルギ「よっ」
ミカン「…どの面下げてきたのよゴミ屑。エルダーフェニックス=サン使ってミナヅキ私から引きづり出したのアンタだろ」
マスター・メスルギ「とってもとっても落ち込んでるようだから、心、動かそうと思ってね」
【マスター・リベリオン】
ミカン「…へー」
ミカンの目は、冷めている。
マスター・メスルギ「ミナヅキのガキに目の前で部下の処刑見せつけられたんだろ?そんなことされたら誰でもそうなるねえ。まあヒナミの言うように悪いのはミナヅキだよ。奴の選択肢には限りはねえ。」
マスター・メスルギ「やりたい放題、躊躇わない。単純だからだ。もっとも…フェニックスキリングフィールド・ジツで生み出された今の奴は…最早モータルとも憑依ニンジャとも…下手したら生前のミナヅキ・ニンジャとすら違う価値観でも動いてるかもしれんがな」
ミカン「分かってる!」
ミカン「分かってるけどお!」
ウロボロス「分かってるならどうする」全身赤サイバネを纏う。
ミカン「…………」黙る。
ウロボロス「言っとくが全盛期のミナヅキはオッソロシイゾ。殺しの天才だよ。戦争に出りゃヤリで殺し宴会席ではオイランを殺し、古代ローマカラテ文明を滅ぼすのに加担し、夥しい数のモータルを死に追いやった。ムーンレインボーもそのうちのひとりに過ぎない。奴からすればちょっかいかけるくらいの感覚で、やったんだろうぜ。マこれは俺の推測だがな」
ウロボロス「まだまだ奴は遊び足りないしカラテも足りないからあれでも大人しくしてるが…仮に、仮にだが、完全復活したらその気になればネオサイタマなんぞドミノ倒しめいて滅ぼせっゾ。レイゲツのためだけに、奴はそれをやりかねかい。」
ミカン(それをネオサイタマに解き放ったのはあんただろうがチートヤブ蛇ゴミ屑)
マスター・メスルギ「そしてそいつの完全復活に必要な奴が誰かと言うとな」
「おまえだよ」
「お前ん中の、ミカヅキ」
ミカン「………ッ」
「だがお前には最早共依存の域に達しているパートナーがいる、エウカレスト」
「ミナヅキがお前の中にいる頃は良かったが、今ではウィズアウトしてる以上、いい子のいい子のヒナミチャンはオマエがやめてもミナヅキやオボロヤミと戦い続けるだろう」
マスター・メスルギ「エウカレストはミナヅキに屈しない…カラテが尽きるまではな。」
「分かるな」
「お前が強くなって戦い続けるしかないんだよ…少しずつでも」
ミカン「分かってるけど…!」
ウロボロス「いいニンジャになってツキモリを守りたいと誓ったんじゃないのか!?」
ウロボロス「ヒナミを守りたいと心の底から思ったんじゃないのか!?」
ウロボロス「それとも全部…ウソだったのかい?」
ウロボロス「お前のために粉骨砕身して働いてくれたレッドコード=サンは、もういないんだぜ?」
ミカン「……………」月夜が似合う少女が、ニンジャ装束を纏った。
ミカン「イヤァァァァァァァァァァァ!」ウロボロスは片手で受け止める。「オイオイカラテが足りねえぞ…所詮はジツで無理くり引きだしたカラテ」ミカン「ウッセ!」脚部を槍としムーンサルトキック!「グワーッ!…イヤーッ!」顔面を握り大きく投げ飛ばす!
「ギャハハハハハ…いいねえ…トモエの野郎の弟子を甚振るのは!」ダブルルナシューティングスター!「ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…イヤーッ!」両手で受け止め…握り砕く!ミカン「クソ!」ウロボロス「まだまだ行くぞ、クレセントォ!」
マスター「このまま来年な!」クレセント「……オマエには、乗せられたくない!」
【#3終わり #4に続く 】
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