【クレセント・シリーズ 第二部 #53】
【#52 直後】
そこに歩いてくるニンジャが一人。
「ドーモ」
「レイゲツです。」
サイバーガールめいた少女。ミナヅキによるマッサージによりカラテを引き出され、既に完全に自立行動を可能としたレイゲツ・ニンジャその人の意志を宿す極めて強大なニンジャである。
「…ッ、ドーモ、クレセントです。」
「オボロヤミの…首魁!」
「勘違いしないでください」
「今のオボロヤミはミナヅキお姉様のものです。」
「ミナヅキとやらに随分お熱じゃん…」
「で、どうすんの?」
「ミナヅキお姉様に献上します」
「まあ、そうなるか」
「貴方もまた図に乗りすぎです」
くるくると距離を詰めながらレイゲツに接近するが、彼女直属のコシモトと呼ばれるニンジャが出現、受け止める。レイゲツ・エンハンス・ジツ。いつでも仲間に頼りながらイクサする、それがレイゲツの強さ。プライマリィのウカツは単身でのイクサを求めたことであった。
ミカヅキ・シューティング・スターでコシモトを吹き飛ばすが、レイゲツはその隙に手刀でクレセントを切り裂く。「ンアーッ!」再び距離を取る。後ろからコシモトのカラテ・パンチ。「ンアーッ!ナンノ!」周囲の建築物破砕痕から作ったヤリでコシモトを突き刺す!
「イヤーッ!」レイゲツ本人の膝蹴り!「ンアーッ!」クレセント「イヤーッ!」レイゲツは回避!「イヤーッ!」レイゲツは回避!「イヤーッ!」レイゲツは回避!「イヤーッ!」「イヤーッ!」手刀!ブレーサー破砕!「ンアーッ!」
「ダークエンドを倒した時点で限界だと言うのに、これ以上イクサするというのもまた…」
「挑発にでも乗っているのです?」
「引いちゃいけない時なだけよ」レイゲツの頭上から大量のヤリが降り注ぐ。レイゲツは舞踊めいたターンで回避。くるくるくるくる。
「ハァーッ…ハァーッ…」クレセントは地面に手を着く。幹部級ニンジャとの連戦だが、レイゲツの前で心から冷静になれるほど彼女は冷静ではなかった。
「倒れますか?」
「なんのマダマダ」
「なら一度死に目にでも会いなさい」
ミカンの後ろから三人のコシモトが襲撃を仕掛ける!「イヤーッ!」くるっ!一気に弾き飛ばす!
コシモトカラテ撃退した後の到着点を予測し、レイゲツはケリを「置いておいた」。吹き飛ぶクレセント。倒れる。
「コシモトの方々、お疲れ様でした。」
「「「オツカレサマッシター!」」」
「短期間に強くなりすぎましたけど」
「長期的なイクサを組み立てることは上手くなかっただったようですね」
レイゲツはヒイラギ・ミカンを担ぎ上げると、オボロヤミ・ルナーズに帰投して行った。
【#53 終わり #54 につづく。】
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