【クレセント・シリーズ 最終章 #79】
双子のニンジャが爆発四散する音が響く。
崩れ落ちたトリニティ・ニンジャの元に来た、ルインランサーめいたニンジャは、泣き崩れながら、己も長くないことを察し、お兄ちゃんとしてユイの傍に留まる。
「ハハハハハ、大きくなっちゃった。なあ。」
「…起きてくれユイ」
「ユイ…」
「おれがおにいちゃんだぞ。」
「…うう…ウウッ」
「ユイ…」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオン」
手を繋ぐ、せめて、体温まで悲しませぬ為に。
ルインランサーめいたニンジャは絶命。
トリニティのソウルの残滓が、微かに笑ったきがした。首筋を不穏に光らせながら、それでも、笑って。だがそれもやがて、消えた。
【#79 終わり #80 につづけ。】
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