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陣痛を和らげる呼吸法

出産・・・。

出産予定日が近づくと、赤ちゃんに会いたい気持ち半分、陣痛がどれくらい痛いのか怖くなる気持ち半分、と複雑な心境になられる事と思います。

前回、陣痛がなぜ痛いのか?をお話ししました。
子宮の中の圧(子宮内圧)を上げなければ、痛みをより強く感じることはありません。

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1.ドラマの出産シーンは演出⁉️

出産介助をしていると、ウトウトしながら陣痛を乗り切る方がいらっしゃいます。

逆に、[いたぁーーーーーーい!!」と叫びながら出産される方もいらっしゃいます。

陣痛が最初から激痛で始まる事は稀です。
ドラマで、妊娠中のヒロインが急に痛み出し、次の場面で
「いたぁーい!! あー!!」
と顔をクシャクシャにして髪も振り乱して出産するシーン。
そして次の場面で赤ちゃんの泣き声がして・・・。

皆さんの出産シーンってこんな場面を思い起こされるのではないかと思います。
そうすると、あんなに痛いんだ。
あんな状態で何時間も耐えられない。
と思ってしまったとしても無理も無いと思います。

ドラマの出産シーンで、ヒロインがウトウトしながら出産する演出だと、 見ている側をドラマに引き込んで感動を呼ぶ。という意味では弱いからなのかな・・・。
と私はドラマを見ながら思ってしまいます。

2.陣痛は必要なエネルギー

分娩所要時間(分娩に何時間かかったか)とは、陣痛が10分ごとに規則的になった時から赤ちゃんを出産し、胎盤が出るまでの時間を言います。
お産の始まりは人それぞれ。
破水から始まる人。
陣痛から始まる人。
出血(おしるし)から始まる人。

どんな始まりでも、結局は赤ちゃんの出口である子宮の口が開き、赤ちゃんを押し出せるだけの子宮収縮が無ければ、お産は進まず、赤ちゃんに会えるまでの時間は伸びていきます。

つまり、ある程度の子宮収縮(陣痛)がなければ出産が終わらないのです。
ある程度の痛みがなければ、赤ちゃんに会うまでの時間も長くなります。

陣痛は赤ちゃんとママが会うための必要なエネルギー

でも、痛くない方が嬉しいですよね。

3.陣痛の始まり

陣痛は大抵、生理痛のような痛みで始まります。
お腹の奥の方で鈍いような重だるいような・・・我慢しようと思えば我慢できる。
そんな痛みから、徐々に陣痛の間隔が短くなるにつれて痛みの程度が強くなっていきます。
生理痛が腰にくる人は腰痛ではじまる事もあります。
生理の時に軟便もしくは下痢をする人は、今日はお通じが緩いなぁ。という状態から始まる人もいます。

4.陣痛を和らげる呼吸の仕方

陣痛の時に呼吸法をしましょう。と呼吸法を指導されると思います。
呼吸法には腹式と胸式の2種類あるのですが、出産の時の呼吸法は腹式呼吸がおススメです。
やってみましょう。

1.両手をお腹に当てます。
2.ゆっくり息を吸いながら、お腹を膨らませましょう。
3.ゆっくり吐きながらお腹を凹ませましょう。

『なんだ。これだけ?』と思いましたか?
お腹の大きな妊婦さんは、普段は胸式呼吸を行なっていることが多いです。
そのため、陣痛の痛みが来た時に普段意識しないで行っている呼吸の仕方と異なる呼吸をする。という事になります。 
腹式呼吸が出来たら、次は息を吐く時に”ため息”をついてみましょう

1.両手をお腹に当てます。
2.ゆっくり息を吸いながら、お腹を膨らませましょう。
3.口を開けたまま、ため息を長くついてみましょう。

この”ため息をつく事“が痛みを和らげる鍵になります。

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5.呼吸の仕方で大違い

出産準備教室で教わる呼吸法は深呼吸です。
この深呼吸、間違いではありません。
ですが、深呼吸は子宮内圧を上げない呼吸法ではありません。
では、その証拠にやってみましょう。

1.両手をお腹に当てます。
2.お腹に力を入れて硬くします。
(キュッとお腹をしめる感じです)
3.お腹をしめたまま、ゆっくり息を吸いましょう。
4.そのままフーッと息を吐きましょう。

お腹は硬いまま、しめたままでも呼吸ができる事が分かりますか?

では次にため息をつく呼吸法です。

1.両手をお腹に当てます。
2.お腹に力を入れて硬くします。
(キュッとお腹をしめる感じです)
3.お腹をしめたまま、ゆっくり息を吸いましょう。
4.そのまま口を開けて『はぁー』とため息ついてください。

ため息をついた時にお腹の力が勝手に抜ける事が体験出来ましたでしょうか?
『はぁ』と声を出してはいけません。聞こえるのは息を吐く音だけです。

実際の出産の時には、陣痛が来た時に「痛い」「こわい」「また陣痛が来た」と身体が強張ってしまい、無意識にお腹をしめている状態になります。
そのために更に子宮内圧が上がるので、実際の陣痛よりなおさら強く痛みを感じる事になるのです。

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6.産婆さんからのアドバイス

陣痛の痛みを自分で和らげる呼吸法。
それは、吐く時に口を開けてため息を長くつく事です。

人は、息を吸わなければ呼吸は出来ませんが、息を吐ききってしまうと、
勝手に息は吸えるので、吐く事に意識を集中してみてください。

ため息を長くつく事で、気持ちも落ち着きます。
陣痛が始まり、赤ちゃんに会えるまで、ゆっくりした呼吸でゆったり過ごすと自分の身体の中を赤ちゃんが降りてくる。という感じが分かります。
初めての出産の方でも
「赤ちゃんが降りて来てます。」
と教えてくれる事があります。

貴女の出産が辛くて苦しいだけでなく、赤ちゃんを感じる事の出来る、幸せな体験でありますように・・・





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