見出し画像

Magic:the Gatheringという宇宙

宇宙の裾はすごい勢いで拡大し続けているというが、M:tGのカードプールも凄まじい速度で広がり続けている。
その速さは最近さらに勢いを増し、スタンダードセットだけでなく統率者用セットや下環境向けのセット、コラボレーションカードなどとんでもない数のカードが追加され続けている。

そんな宇宙に私が漕ぎ出したのは2018年の3月、マスターズ25thが発売したときだった。
当時の私はぼんやりとマジックのことが気になっており、マスターズのパッケージに写る神ジェイスを見て「あ、こいつ知ってる」となり、内容を何も知らないままパックを購入した。

その時出たレアカードは《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》と《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》だったことを今でもよく覚えている。きっと初めて買ったパックのことをいまだに覚えているプレイヤーは多いだろう。
ルーリク・サーはその後初めての統率者デッキの統率者になった。緑黒は私の最も好きなカラーになった。ある意味で初期投資となったわけだ。

更にアンコモンには《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》、《通りの悪霊/Street Wraith》が入っており、これらのカードにも非常にお世話になっている。
しかしながら当時はこれらのカードと他のコモンやアンコモンとの差がわからなかった。宇宙が広大である所以である。知識は開封体験を豊かにする。

その後は基本セット2019でシールド戦を楽しんだり、誕生日にいただいた「緑信心」デッキでモダンをかじったり、拙いながら組み上げた《ルーリク・サー》統率者で交流会に出て知らないカードが飛び交う戦場にポカンとしたりしていた。

そうして5年が経とうとしているが、マジックと向き合うモチベーションには波があった。これはそれなりの数のプレイヤーが身に覚えがあるのではないかと思うが、他の趣味に熱中している間にスタンダードセットがいくつかと統率者セットもそれと同じだけ、更に特殊セットまで出ていて、新しいカードがもうなんもわからんくなっている。

これを「WotCはカードをたくさん出しすぎだ」と捉えるのか「またこんなにたくさんの新規カードに触れられるのは幸せだ」と感じるのかは人それぞれだと思う。自分は前者と後者の中間くらいの感想を抱いている。「知らない間にそんなカードが出ていたのか」という新鮮な驚きはゲーム体験を刺激的なものにしてくれることに間違いはないと思う。

さて、マジックは30周年を迎えるらしいが、自分としては節目の年は2回目になる。25thマスターズの時は何もわからなかったが、今ならなぜ遠い昔にコロコロコミックで《シヴ山のドラゴン》が付録になっていたのかが分かるし、新しいカードを見て「リミテなら強いな〜」と呟くことができるし、Secret Lairの情報を見て初めてfoilが出るカードが薄らと分かる。宇宙のことを知れば知るほどそこに浮いているデブリがただの石ころではないことが分かっていくわけだ。


これからのマジックに期待を込めるとともに、完成化されてしまったアジャニに救済があることを願ってこの記事の締めくくりとさせていただこうと思う。ご清聴に感謝。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?